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私たちの街  作者: 浜名ランチ
2/2

第2章〜100%の愛で○○する男〜

東京に上京してきた結衣が、新しいバイト先で、出逢う、新しい恋。

結衣は次こそ幸せになれるのか…。

「第1話 逃げ道」


一希を失ってから一ヶ月後、私は東京へと向かった。

とにかく逃げたくて、とにかくこの街から離れたくて、仕事を辞め、私は必死にアパートを決め、荷物をまとめ、誰の言うことも聞かず、気が付いたら新幹線に乗っていた。

浜松駅から東京駅までは1時間半もかからない。だから、私が脱殻のようにボーっと窓の外を見ているとあっという間に都会のど真ん中に到着していた。

新幹線を降り、人混みをかきわけながら山手線で高田馬場まで行き、そこから西武新宿線で上石神井駅という駅に向かった。

歩いて3分の所にある、一階のワンルーム6万の部屋に私は住むことになった。

管理人さんの所へ行き鍵をもらい、荷物が届くのを暗い部屋の中で待っていた。

持ってきたリュックを枕にして部屋のど真ん中で私は寝そべった。

時計を見ると10時を回ったところで、荷物が届くのを12時にしてしまったのでまだ2時間程この暗い部屋で待つことになってしまった。

何があるかわからないので早めに新幹線に乗ったが、こんなことならお母さんに別れ際、もう少し優しくすれば良かった。と少しだけ後悔していた。

東京に逃げてきたのに、新幹線の中も、混み合う電車の中も、今も、私は一希の事を考え結局この絶望感からは逃げ切れはしなかった。


『第2話 希望の光』


一希と結婚しようと思っていた私には結構な貯金があった。

バスガイドのお給料はそんなに良くはなかったが、寮に住んでいたので家賃は、ほぼかからず、ご飯も実家や寮で食べたり、一希に奢ってもらったりしていて、かかるものと言えば仲良し3人組で遊んだり、バスガイドの同期と出掛けたりする時の交際費ぐらいだったので東京に引っ越す時、アパートの初期費用や家具家電代を引いても、一ヶ月くらいは東京で遊んで暮らせる程のお金はあった。


ただ、何も知らない、誰も知らないこの街でどう遊んでいいかも分からず私は結局バイトをすることにした。


バイトの情報雑誌を開くとそこにはいろんなバイトがあり、人生でバイトをしたことがなかった私は少しワクワクしていた。

東京に来て3日程経つが、ずっと一希の事を考えほとんど何も食べずただひたすら泣いていて、1人なのが更に寂しくさせ人がたくさんいる笑顔が溢れる場所で働きたいと感じていた。

"また私の笑顔が役立つ所で働きたい!"

という気持ちは昔と変わっていなかった。

そう想いながら次のページを開くとある焼肉屋が目を止めた。

オープニングスタッフあと2人募集‼︎

と大きく上に書いてあり、その下にはもう決まっているオープニングスタッフの人達が7人程がとてもいい笑顔で、男性は腕を肩に回したり、女性は可愛らしいポーズをしたりして写っていた!

「ここだっ!」

私は残りのページは一切見ず一目散にそこに電話をした。

私にとってはそれが小さな小さな希望の光にも見えた。


人気のお店なのか営業時間の17時以降に電話しているのになかなか電話は繋がらなかった。

毎回話し中でもう諦めようといい加減に押すと電話が繋がった!

驚きを隠しながら、私は電話に出るのを待った!

「はい!お電話ありがとうございます!牛弁慶です!」

「あっすみません、私、情報雑誌RANRANを見てお電話したんですが、まだバイトは募集しておりますでしょうか?」

すると、とても元気よく出た女の子は急に態度が冷たくなり、

「あっバイトの面接ですね。ちょっと待ってくださいね、(ゴソゴソ)いつ空いてますか?」

「あっ私はいつでも空いてます。明日はいかがでしょうか?」

「あっはい。明日ですね。集団面接になるので15時にお店まできてください。履歴書忘れないようにお願いします。」

「あっ分かりました。よろしくお願い…」

「ガチャンッ!」

まだ私が全部言い終わる前に電話は切れた。

(怖そうな人もいるんだな)

と頭をよぎったが初めてバイトの面接に行くのでとても楽しみになっていた。


「第3話 面接の朝」


次の日の朝、私はいろんな分析表を開いてみたが今までバイトの面接に行ったことがないので何を着ていいか分からず、とりあえずシンプルなワンピースで髪の毛はハーフアップにして、シンプルなショルダーバックの紐をわざと谷間に食い込ませ、少しだけ胸を強調させ出掛けた。

参考にした分析表が『上司と夜のデート』だったのでこんなことになってしまった。

もちろん私はバスガイド時代はずっと一希と付き合っていたので上司とデートなんてしたことがなかったし、一希と付き合ってからは分析表を書いていなかったので、なぜこんな分析表が家にあったか分からなかったが、後から思い出した。

中学の時に親に無理やりつけられた家庭教師の先生が意外にかっこよくて高1の夏休みに私から誘った。先生は意外にも乗り気で、その時のデートに行った、私の見解だったのだ。


14:30に池袋駅の東口に着いた。

そこから徒歩3分の場所だったので私は直ぐにその場所を見つけ近くのコンビニで時間を潰すことにした。

雑誌コーナーで自分の好きな雑誌を探しているとそこで立ち読みしている男の子に見覚えがあった!

「あっ‼︎」

「えっ⁇」

「あっごめんなさい!」

「あっいえ」

(この人は昨日見た牛弁慶の真ん中辺りに写ってた人だ!)

私は嬉しくなって彼の隣で雑誌を読んでいた。

すると彼は素早く読んでいた雑誌を片付け、そそくさとコンビニを出て行った。

私は時間までコンビニで時間を潰し、いよいよ牛弁慶に向かった。


「第4話 強気の面接」


ビルの4階にエレベーターで上がり、ドアを開けると目の前にものすごく小さな可愛らしい男性が立っていて、私に話しかけてきた。

「バイトの面接の方ですか?」

「あっはい!そうです!」

「どうぞ!お入りください。」

集団面接と聞いていたが中にはもう3人、人がいて、私は最後の1人だった。

「すみません、お待たせしました。」

「時間には遅れていないので大丈夫ですよ!」

と先ほどの可愛いらしい男性が、私に笑顔でそう言うと、私たち4人の正面の椅子に座った。

私も4つ並べられた椅子の一番端に慌てて座った。

「全員揃いましたので面接を始めます。」

「よろしくお願いします。」

「よろしくお願いします。」

「よろしくお願いします。」

「よろしくお願いします。」

不思議と4人の息が合った。

「ここの店長の富永です。みんなびっくりしたと思うけど、うちで働きたいと思う人は結構多くて君たちも含め100人くらいの公募が来ててね、まぁ場所も駅から近いし、新しいし、時給も割といいからそれなりの方に働いてもらおうと思ってます。だからこんな形で集団面接させてもらってます。では、僕から見て一番左側の佐藤くんから順番に聞いていきますね。なんでここで働きたいと思ったんですか?」

(ものすごくプレッシャーを与えてくるなー)

富永さんはとても可愛らしい顔で20代前半くらいの見た目だが、淡々と話す声はとても明るく、ハキハキとしていて、焼肉屋の店長としてふさわしい感じの出来る男といったイメージ。


佐藤さんは少し声を引きつらせながら、

「あっはい!僕は、えーっと、家から一番近い場所で、高校もこの辺りなので、ここで働きたいと思いました。」

(まだ高校生なんだー。確かに制服だ!)

「働きたい理由は以上ですか?」

「あっはい!」

富永さんは更に圧力をかけるかのように言い放った。

「それでは、次は田中さんですね。」

「あっはい。わ、私はバイトをするの初めてで、4月からこの近くの大学なので、通いやすいということと、焼肉が大好きでなのでここで働きたいと思いました。」

(…大好きだからかー。まぁ好きそうな体型だな…)

「はい。以上ですか?」

「あっはい!」

圧力が強すぎてみんなの気持ちがどんどん後ろ向きに見えた。

「では、続いて渡辺さんどうぞ。」

「はい。僕は家から近いということもありますが、オープニングスタッフということもあり、みんなで協力してこの店を作っていく魅力があり、接客業が好きなので僕の笑顔で焼肉を食べに来た方も焼肉だけじゃなく、僕の笑顔で幸せになってくれたらなと思って応募しました。」

(普通だけど、受かりそうな理由だなー)

「以上ですか?」

「はい。以上です。」

(富永さんの圧力にも全然負けずにこの人面接慣れしてるなー)

「それでは、百瀬さんどうぞ。」

「あっはい!私は、一昨日静岡から上京してきたばかりで、まだ東京のこと何もわからないんですが、美味しい焼肉と素敵な仲間がいたら楽しく東京で暮らしていけるんじゃないかなと思って応募しました。

最初にRANRANを見た時にみんながすごく楽しそうで、この仲間入りが出来たらなって思って…私の取り柄は笑顔なのでいろんな人を巻き込んで楽しい人生にしたいです。」

(あれ?理由になってたかな?)

「一昨日静岡から出てきたんですか?」

初めて富永さんが喰いついたようにみえた。

「あっはい!ずっと東京に憧れていたので思い切って勤めていた会社も辞めて出てきました!」

「そうですか!楽しい東京生活になるといいですね!」

「あっありがとうございます!」

その後も幾つかの質問が続いたがあっという間に面接は終わった。

「結果は一週間以内に受かった人にのみ電話致します。」

と告げられ、みんなで一緒にエレベーターに乗った。

エレベーターの中で高校生の佐藤くんは、

「すごい圧迫面接でしたね…僕もっと自由に働きたいので合格してもここでは働きたくないです。」

(今時の子だなぁ…まぁ分からないわけじゃないけど…)

すると田中さんがすかさず

「私も…私は焼肉が食べたいだけだし…」

「………。」

「………。」

「………。」

【チーン】

エレベーターのドアが開き私達はそこでさよならをした。



【第5話 結果発表】


面接の5日後、私の携帯が鳴った。

それは、面接の時にお会いした富永さんからのお電話で、合格の知らせだった。

私は電話の富永さんにバレないように大きくガッツポーズをして、ベットの上で飛び回った!!

「分かりました!明日から研修ですね!よろしくお願いします!」

富永さんとの電話を切り、私は東京という街に大きな希望を感じていた。


【第6話 新しい出会い】


「おはようございます!」

大きい声で挨拶しながらドアを開けると、そこには、RANRANの雑誌に載っていた何人かが、仕込みの準備や開店の準備に来ていた。

私は有名人に会うかのような嬉しい気持ちだった!

するとキッチンの奥から、

「あっ!」

と大きい声を出し、私に近づいてくる人がいた。

「こないだのヤバイ女!」

「えっ?私ですか?!」

「そーだよ!みんな聞いてよー!こいつこの間、コンビニで俺の顔見てめっちゃニヤニヤして気持ち悪かったんだよ!なんでおめーがここにいるんだよ?」

「あっごめんなさい!RANRANの雑誌に載ってた人だー!と思って嬉しくなっちゃって!

カッコいいし、なんか輝いてたんで!」

思った事がつい口に出てしまった。

その瞬間女の子からの少しキツイ目線を感じたが、すかさず彼が、

「あっそーなんだー!えっ?言ってよー!めっちゃ嬉しい!これからよろしくね!俺、相澤雄二あいざわゆうじ

と言って私の頭を撫でてきた。

より一層女の子の目線がキツくなり、私は頭を撫でられた嬉しさよりも恐怖で少し萎縮してしまった。


【第7話 合格の理由】


私達が騒いでいると、富永さんがやってきて、

「みんなおはよー!今日から1人みんなの仲間が増えます!よろしくね!」

すると女の子の1人が、

「あれ?2人募集のはずでしたよね?」

「美樹さん、よく覚えてたね!でも残念ながら僕がいいなと思う方が彼女以外はいませんでした!」

すごく気持ちがいい言葉だった。

私以外にいいと思う人がいない。謙虚な顔をしながら、ものすごく優越感に浸っていると、

「百瀬結衣さんです。みなさん仲良くしてください。」

「はーい」

女子は若干つまらなそうな声で、逆に男子は嬉しそうな声で返事をした。

「じゃあ一旦、皆さん持ち場に戻ってください。百瀬さんは少し僕からいろいろお話しさせて頂きます。」

「じゃあまた後でね!」

と軽いノリで雄二は私に手を振った。

軽い会釈をして、私は富永さんが座った席の向かいに座った。

「今日から百瀬さんはうちのスタッフの仲間入りになるので遠慮なく聞きたいことや困ったことがあったら言ってきてくださいね!ちなみに最初に聞いておきたいことなどはありますか?」

私はずっと気になっていたことを質問してみた。

「あのー、なんで100人もの応募があって私を選んでくれたんでしょうか?」

富永さんが少し笑顔になった。

「そーだね!それ気になるよね。もうこれは僕のちょっとした面接の時のフィーリングとかもあるんだけど、一番は、【目】です!」

「目??」

「そう!目の輝きがある人はいろんないい事をここに運んできてくれるから!僕は百瀬さんの目にやられました!」

「えっ?」

「あっ別に変な意味じゃないですよ〜笑」

「あっはい!」

「ここにいる人達は経験で選んだ人は数人で、基本的には目の輝きがある人を選びました!1番はダントツ雄二君、2番が百瀬さんかな。」

「確かに!私でも雄二さんの輝きは伝わってきました!」

「そっかー!百瀬さんももっと輝けるように頑張ってください。」

「はい!頑張ります!よろしくお願いします!」

そして、その日は挨拶、焼肉の種類、焼肉を提供する時の注意トークなどを勉強して、お店が終わると、富永さんが、焼肉がどれだけ美味しいか一緒に食べましょうということで、私の歓迎会と共にお店で焼肉パーティーが開催された。


『第8話 揺れ動く歓迎会』


歓迎会はその日いたメンバー全員が参加してくれた。

私が真ん中で、私の左横に富永店長、右横に雄二君が座った。

他にも、キッチン担当のりょうさん、同じくキッチン担当で亮さんの子分的存在のまなぶくん

ホール担当の女の子、美樹ちゃん、百合ちゃん、イチカちゃんが参加してくれた。

富永さんがみんなのことを紹介してくれた。

「亮さんはこの道長い人で焼肉の事知りたかったら亮さんに聞いた方がいいよ」

すると亮さんが、

「肉の事と男の事なら俺に聞け!」

すかさず、学君が、

「亮さん、二回離婚してるんで!経験豊富です!」

「やめろよ!学!」

「亮さんが、フッたじゃないですかー!」

「まぁそーかー!笑」

2人の仲の良さが垣間見えた。

「そーいう学は童貞だから早く卒業出来るといいな!」

と雄二君がからかう。

「もー!雄二君やめてくださいよー!僕百瀬さんとは初対面なんですからー!」

「はいはい!みんな落ち着いて!みんなの事は順番に僕が紹介していくから!」

と富永さんが仕切り直してくれた。

「学は、まだ高2だけど、将来は焼肉屋で働きたくてここで、亮さんの見習いみたいな感じでバイトしてるんだよー!」

学君が照れた顔で、

「よろしくお願いします。」

と言いながらもあんまり目は合わなかった。

「そして、雄二くんは、20歳だから百瀬さんと同い年だね!今は立教大学に通ってる大学生だよ!」

「そーなんだー!」

わかりやすく興味津々な感じを出してしまった。

「よろしくねー!」

軽い感じが若干気になるけど、大学生ってやっぱりこんな感じなのかなー。

「それで、美樹ちゃんと百合ちゃんが同じ大学の2年生で仲良しコンビだからよろしくね!」

「正直男の子が入ってきてくれた方が嬉しいなって思ってたからあれだけど、、まぁよろしくね!」

と美樹ちゃんが淡々と喋りそれに百合ちゃんはうなづきながら笑っていた。

「そして、イチカちゃんは、百瀬さんと同じで、地方組でね、茨城から出てきて女優さんになりたいんだって!」

「どーも。」

「イチカって名前がすごくカッコイイから芸名でもいけそうですね!」

と思わず言ってしまったが、

「はい。」

と、特には盛り上がらなかった。


『第9話 魔法』


会はあっと言う間におわり、私は1人始発を待っていると、

「結衣ちゃん」

と急に声をかけられた。

「雄二君!どうしたの?」

「俺もこっちなんだ!!どこ住んでるの?」

「あっそーなんだー!私は西武新宿線の上石神井駅だよ!」

「えっ?マジ?俺はその奥の武蔵関って駅だよ!」

「えー!そーなの?偶然!」

すると雄二君は、耳元で優しく、

「今度遊びに行ってもいい?」

と囁いた。

遊んでそうと、すごく思ったし、こんなこと誰にでも言うんだろうなと思ったのに、

「いいよ。」

と口は動いていた。

富永さんも言ってた通り、雄二君の目の輝きは凄くて、

何か、魔法にでもかかったかのように私は雄二君の目に引き寄せられた。

そして、彼はその日うちに泊まった。


『第10話 秘密』


次の日起きたら、雄二君の姿はなかった。

夢だったのかな、、

昨日の事、、

でも、確かに私の体の中に雄二君の温もりが残っているのを感じた。

次の日、私はバイト前に美樹ちゃんに池袋駅のサンシャインの近くにあるカフェ『パンプキンバナナ』という可愛らしいカフェに呼ばれた。

名前通り、かぼちゃとバナナのケーキがメインであり、それ以外のケーキもとっても美味しそうで、私は欲張って、かぼちゃプリンとバナナケーキを頼んだ。

美樹ちゃんは、普通の苺のショートケーキを頼んだ。

『結衣ちゃんさ、雄二君の事好きなの?』

(唐突に聞いてくるなぁー)

『えっ?まだ、よくわからないかなー。でもカッコいいなとは思うよ。』

『そっかー、私も最初はカッコいいし、優しいし、いいなって思って好きになりかけたけど、、でもね〜』

『えっ?』

(嫌な予感がする)

『雄二君、彼女いるから!』

『………』

『でも、結衣ちゃんはかなり気に入られてるかもね!』

『えっ?』

『雄二君ね、彼女とうまくいってないんだって!私もたまたまイチカちゃんに聞いたの。イチカちゃんって時々一緒に帰ってるみたいだから』

『そーなんだー。』

『イチカちゃん、最近雄二君が結衣ちゃんに夢中だからちょっと妬いてるみたい!』

『えっ?そんな仲良しって感じじゃないけど、、』

『だから、昨日もあんな無愛想だったんじゃん!』

『そーなんだー』

(確かに、なんならちょっと睨んでるようにもみえたな。)

『まぁ私はもう雄二君の事なんとも思ってないし、どちらかって言ったらイチカちゃんより、結衣ちゃん応援するからさ!なんかあったら相談してよね!』

『あっありがとー!』

『うん!全然!なんか楽しいし!人の恋愛!』

『ん?…う、うん』

(そ〜いうことか〜)

それでもやっぱり昨日の事はさすがに言えなかった。


バイト先に美樹ちゃんと向かうと、控え室に雄二君がいた。

美樹ちゃんが、

『出勤早いねー!あっ私トイレ行ってこよう!』

と気を遣って控え室を出ていった。

少しだけ気まずい雰囲気になったが、雄二君が私の所に近づいてきて、また耳元で、

『今日、朝ごめんね!ちょっと急いでて先に出ちゃった。』

『あっ!大丈夫だよ!』

『昨日の事、誰にも言ってないよね?』

『う、うん!』

『よかった〜』

とても悔しい気持ちになって思わず、

『あっでも、もうあーいうのは止めようと思ってる。だからもううちにも…

『なんで?付き合おうよ!』

『えっ??』

『でも、しばらくは2人だけの秘密。』

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