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俺の人生21

俺は壮太郎と生活を共にする為に引越しを決めた。


『大輔!引越し祝いっす。どうぞ。何がいいのかわかんないんで現金の方がいいでしょ?いらねーよってゴミになるような物よりは。つうかなんでいきなり引越しなんすかね?しかも普通店から遠くなるとこ選びます?寝る時間を少しでも増やすには前のマンションの方が近くて良かったじゃないっすか。別に狭くもないし』


大輔!なんでいきなり引越しなんだよ?新築マンションだったし店にも近くて気にいってたくせに。


『おう!サンキュー。ちょっとな。事情があって。通勤は時間かかるけどしょうがねーんだ』


慶太郎!お前に壮太郎の事をいつ話せばいいのか悩むよ。お前はチビ達だけでも手いっぱいだろう。仕事だってハンパなく忙しいしな。


『女っすか?まあ大輔の自由っすけど。とりあえず俺は帰ってあいつらの朝飯作ります。俺料理苦手ですからね。家政婦ほしいんすけど家政婦がいると普通の感覚じゃなくなるし悩み所っすよ。俺みたいにはなってほしくないんで。じゃあ!お疲れ!大輔!お互い倒れないようにもうしばらく生きましょうね』


マジ料理がこんなにも大変だとは思わなかったよ。壮ちゃんは毎日作ってくれた。夜勤であっても俺の飯を準備してから仕事に行ってたんだよな。俺はまだまだ壮ちゃんの努力や愛情には勝てないよ。疲れて外食で我慢してもらう事も多いし。大輔だってホストを始めた頃は俺に飯を作ってくれて俺は甘えてばかりだった。こんなにも大変なんだとようやく知りました。壮ちゃん!大輔!ありがとう!


『あぁー。せめて結城さんの歳ぐらいまでは生かされていてーと思うわ。お疲れ!慶太郎!』


『そうっすね。俺もチビらがせめて大人になるまでは生かされてるといいなと思ってきましたよ。じゃあ!お疲れ!』


結城さん!俺は壮太郎を里親として預かる事にしました。壮太郎は施設に入る為に転校したばかりなんでまた転校させるのはかわいそうかなと思い俺が壮太郎の近くに引っ越す事にします。せっかく友達も出来たみたいだし1年も立たないうちにまた転校はさすがにかわいそうですから。ただ俺なんかが育てたらヤンキーになってしまうかも知れませんよ。それだけは避けたいんですけどね。俺は仕事であまり壮太郎のそばにいてやれないっすけど出来る限り壮太郎との時間を作り大切にしたいと思っています。夜は留守にするぶん心配なんでベビーシッターを雇いますね。ベビーシッターと言うより壮太郎の安全の為に見ていてもらうだけですけど。飯は俺が出来る限り作って食わせます。慶太郎よりはまともな飯を作れると思いますよ。俺が作って慶太郎に食わせていた時期もあるんすからね。


『壮太郎!起きろよ!朝飯出来たぞ!学校だろ』


まだ7歳か。チビだな。こんな小さいお前にもう両親がいないなんて神も意地悪ってもんじゃねーのかと思うよ。


『ん?うん。ねむいよー』


『起きろ!おはよう!壮太郎!早く飯食うぞ!』


まあ慶太郎より寝起きはまだ良いな。俺は起きた壮太郎を抱きあげテーブルに座らせた。起きたら抱きついてくる。ガキってこんなもんか?俺は普通のガキをやってなかったからわかんねーぞ。まあ慶太郎の弟も変わらないみたいだしな。毎日抱っこしていると言っていたしたぶんこれが普通なんだろう?知らねーけど。言っても男だから高学年になりゃーこんなに甘えてもこねーんだろうしな。


『うん。おはよう!大ちゃん!あー僕は目玉焼きは嫌いだよー。玉子焼きの方がいい!』


『うるさい!出されたものは文句を言わずに食え。 わがまま言うんじゃねー。俺なんか毎日食えるとは限らなかったんだぞ』


いややっぱりお前は慶太郎か!?


『わかったよー!いただきまーす!』


『壮太郎!晩飯は作っておくからシッターのお兄さんに温めて貰って食べろよ。今日は早く出るから俺は仕事でいないしおかえりって言ってやれないけどごめんな!行ってらっしゃい!』


まあシッターと言ってもうちの店のキャストだけどな。知らない人間を家に入れるより安心だろ?壮太郎の夜の遊び相手と壮太郎に何もないか様子を見てるだけだからホストやるよりラクだと思うけど。それで給料貰えるんだからな。


『うん!わかった!大ちゃん!行ってきまーす!』


結城さん!壮太郎との生活が始まりました。俺はあいつにあなたのように生きていく上で大切な事を教えてやれるんですかね?壮太郎を見てると幼い頃の慶太郎を見ているような気がします。わがままも言いますよ。あなたの子のはずなんすけどね。何でですか?あーねむてーよ。ちょっと寝ないと仕事に支障をきたしそうだ。慶太郎!ガキを育てるって大変だな。お前3人もよくみてやってるよ。俺は1人で限界だ。壮太郎が学校から帰ってくる前におやつと晩飯を準備しとかねーとな。結城さん!俺はあなたが生きた人生と同じ人生を歩みそうです。あなたの宝を大切に育てます。もちろん躾は尻を叩きますよ。いいんですよね?そして俺と壮太郎の生活にお互いが慣れ始め1ヶ月があっという間に過ぎた。


『大ちゃん!ただいまー!』


『おう!おかえり!壮太郎!おやつ食べる前に手を洗えよ』


まだ2年生で帰りが早いから俺はなんとか出迎えてやれるが6限目まで授業が始まるとキツイな。入れ違いで俺は仕事に出なきゃいけなくなるぞ。おかえりぐらい言ってやりたいんだけどな。


『うん!大ちゃんはどんなお仕事なの?』


『お酒を飲みに来るお客さんの相手をするんだ。だから夜はいないけど俺が帰ってくるまでシッターのお兄さんがいてくれるから困った事があったらちゃんと言えよ。壮太郎!宿題はちゃんとやれ!いいな?』


まあ俺と違ってちゃんとやってるみたいっすけどね。結城さんの子っすもんね。


『うん!わかった!』


『壮太郎!連絡帳は?見せて。手紙はないのか?』


壮太郎も整理整頓が苦手なようだ。何でお前は似なくていいとこだけ慶太郎に似てるんだ?血の繋がりはないからたまたまなんだろうけど。慶太郎に思えてしまう。


『んーわかんない!入ってるかも』


『なんでわかんないんだよ!壮太郎!お前はランドセルの中に綺麗にしまえないのか?下の方で紙がぐちゃぐちゃになってんじゃねーか。手紙とかテストはちゃんとファイルに入れろって言ったよな?めんどくさがって手抜きをするんじゃねーよ!だらしない事をするな!俺は尻を叩くって言っただろ?整理整頓ぐらい出来ないとお前が困るんだよ!壮太郎!こっち来い!』


結城さん!初めて壮太郎の尻を叩きますよ。どれくらい叩けばいいんすか?もちろん手加減はしますけど。


『いやだー!今度からやるよー!』


『それはこの前も聞いた。口で言って出来ないんだから尻を叩くしかないだろ。ちゃんとそうするとも言ってあったしな』


ビビった顔をしたかと思いきや次の瞬間逃げようとした壮太郎を即捕まえ担ぎあげソファー座り尻を丸出しにした。2年生だし20発ぐらいかな?俺は尻を叩かれた事がないからわかんねーよ。放任されて育ったんだ。それはそれで大変だったんだぞ。頼る大人がいねーって事は自己責任だと思って弟と2人で生きれるだけ生きて死ぬつもりの覚悟までしていたんだ。


『いやー!いやだ!痛い!いたーい!大ちゃん!痛い!ごめんなさい!痛いよーうっく、いたー!痛い!ちゃ、ちゃんとするから!ひっく、痛い!いたぁーい!うわあーん』


『痛い目に合わないように言われた事はちゃんとやれよ!壮太郎!わかったのか?』


結局15発なんすけどいいんすかね。ちゃんと謝ってますし。


『うっく、わ、わかったよ!ひっく、いやー!もうしない!』


『もう終わりだよ。パンツあげなきゃいけないだろ。ほら来いよ!抱っこしてほしいんだろ?』


結城さん!初めて尻を叩かれた壮太郎はワンワン泣きました。かなり手加減したんすけどね。慶太郎もこんな感じだったんすか?でも抱きついてくる壮太郎を抱っこしているとかわいいっすよ。そしてやっぱり神は意地悪すぎやしねーかと思ってしまいます。だってこいつにはまだまだ親が必要じゃないっすか。


『っく、う、うん!大ちゃん!ごめんなさい』


『わかったならもういい。また出来てなかったらお前が尻を叩かれるだけだからな』


20発叩くつもりが初めてだし15発しか叩いてないんだけどちゃんと整理整頓ぐらい出来るようになりますかね?10歳ぐらいまでに出来なきゃもうヤバイっすよね?慶太郎のようになるでしょ。あと2年か。俺はお前ぐらいの時にはすでに家事をこなしていたぞ。


『っく、やるよー!』


『今日は壮太郎の好きなオムライスを作ってあるからな。お兄さんと一緒に食べてくれよ。俺は仕事に行くから宿題をちゃんとして遊びに行くんだぞ。危ない事はするなよ。なんかあったら携帯にかけてこい。絶対にかけつける。ちゃんとカバンに携帯入れていけよ!』


結城さん!こんなにも子供を残して仕事に行くの事が心配でたまらなくなるなんて思いもしませんでしたよ。あなたもそうでしたか?俺は壮太郎に携帯も与えてしまうぐらいっすよ。慶太郎ですらまだチビ達には与えてないって聞いたんすけど俺は無理っす。やっぱり壮太郎は一人っ子だし兄弟いるのといないのでは不安感も違うでしょうし。


『うん!わかった!大ちゃん!ありがとう!僕、大ちゃんの事大好きだよ!』


『俺もだよ壮太郎!じゃあ宿題しろよ。もうすぐお兄さんがくるからな。俺は仕事に行くけど鍵は閉めて行くよ。誰か来ても絶対に開けなくていいぞ。お兄さんには鍵を持たせているからな。絶対に開けるなよ!』


『うん!わかった!大ちゃん!行ってらっしゃい!お仕事頑張ってねー!』


『あー。行ってきます』


結城さん。俺にも父性ってのが芽生えてきたんすかね?なんなんすか?この感覚は?壮太郎がかわいくてそれでいて心配で仕方ありません。出来るならば一日中壮太郎と一緒にいたいぐらいですよ。でもそうはいきませんからね。壮太郎の為に俺は働きます。壮太郎の為に貯金をする事にしました。万が一の時の為にも壮太郎が困らないようにしてやりたいです。結城さんあなたもこんな気持ちで慶太郎を愛したんですね。またあなたの気持ちを少しばかり知れた気がします。俺も壮太郎が愛しいです。これが愛しいってやつなのかもまだよくわからないんすけどね。壮太郎には真っ直ぐ育ってほしいっす。俺達が味わったような闇をさまよう事がないようにしてやりたいんですけど壮太郎もいずれ思春期を迎えますよね。両親がいない寂しさをちゃんと乗り越えてもらいたいっすよ。壮太郎は大丈夫ですよね?壮太郎が乗り越えられるのかどうかは俺次第ですかね。俺がどれだけ愛情を与える事が出来、どれほど大切な事を教えてやれるかっすね。壮太郎ではなくむしろ俺が試されてるような感じがしなくもないんすけど俺は壮太郎と真正面から向き合っていくつもりです。あなたが慶太郎にそうしたように。

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