一話 小林沙希の場合
この小説は思いつきとその場のノリでできています。
その場で二話だけ仕上げてそのまま投稿しました。
自分にはこれが限界です、
僕こと園崎 歩は普通の高校生である。性格は・・・よく静かな奴だといわれる(たまに厨二病とか言われる失礼な)実際はただめんどくさがりなだけだが。
部活は弓道部(ほとんど行っていないけど)で家族構成は父、母、自分、妹の四人極めて普通な日本人である。
そんな僕は今妹の高校の入学式に向かっている。
妹は誰に似たのか物静かで、あまりしゃべりたがらずいつも僕の後ろに隠れているような子だった。
そんな妹は、なぜだかとても僕に懐いている、僕が中学生に上がったときなんかは一緒に登校できなくて大泣きしたくらいだ。
あれはいまではいい思い出だ。
そんな妹は時間さえあれば僕の傍により、僕に何をする事もなくじっと僕を見つめたり、僕の傍で本を読んだりしている。
金魚のふんみたいな妹だ。と昔いったら思いっきり引っぱたかれたりする。
そんな妹の事を僕はうっとおしく感じた事はない、むしろ気に入っている。
可愛いし、可愛いし、可愛いし、よくブラコンって言われるがそのとおりだと思う。
そんな妹の入学式には絶対出席したい、だから今僕は走っているのだ。カメラを持って。
「ぜぇーぜぇー、まさか、ふぅ・・・SDカードが入ってないなんてなぁ」
なんとデジカメの中にSDカードが入っていなかったのだ!
誰に説明しているんだ僕は・・・。
それにしても最近のコンビニって便利だよね、SDカードも売っているし・・・。
そんな事考えていたら自分が通っている高校が見えてきた、人気はあまりない、もう始まってるのか!?
くそぅいそげ!とダッシュしていたら、父親がいた。
がっちりした体で厳つい、性格も厳ついってか厳しい、たまに見せる不器用な優しさがわかるようになってから父さんの事が好きになった。
「父さん!」
「歩、遅いぞ」
「はぁはぁ・・・ごめん、もう始まってる?」
「まだだ、後2分もない、行くぞ」
と、歩きだした、この父待っていてくれたのである。
うれしくなり歩き始めたところで激しい胸の痛みが僕を襲った。
「うっぐぐ・・・」
視界が霞み、涙が勝手に出てきた。
父が僕の異変に気付きよってくる、何かしゃべっているが聞こえない痛みで聴覚まで意識が回らない。
何もできず痛みに耐えていると父親が上から僕を見ている事に気付いた。
僕は倒れてしまったようだ、父がものすごい形相で電話をしている。
その景色を見ながら僕は意識を失った・・・。
次に目覚めた時、僕は身動きが取れなかった、何が何だかわからない。
とてもまぶしく感じろくに目を開ける事ができない。
そうしていたら、気付いたらだっこされていた。
ようやく視力をしっかり取り戻したと思ったら巨人に抱かれていた。
ビビッた、チビリそうだった。
ポ○ナレフ状態ですよ。
僕がそんな状態だったとき巨人が衝撃的な言葉を口にした。
「私の可愛い赤ちゃん・・・女の子だから沙希ちゃん・・・うふふ」
これはひょっとして・・・僕に言っているのか?
と、現実を一瞬認識できずに混乱する。
混乱が最高潮に達した時、僕は------
「おぎゃあああああああああ」
思いっきり泣いたのだ。
こうして僕の赤ちゃん生活は幕を上げた。
歩き始めは生後一年三ヶ月目である、何故かというと食っちゃ寝食っちゃ寝で下の世話までしてくれる、多少屈辱的なことを除けばとても快適な生活だったため
動こうとは思わなかったのだ。
ただ単に考えるのも放棄しめんどくさがって何もしなかっただけであるが、とうとう飽きが出始めて、歩こうと思ったのが生後一年三ヶ月目だったのだ。
僕はあの時やはり死んだらしい、死因は心臓麻痺だろうか・・・突然の事だけに家族(特に妹)を思い出して何度泣いた事か、赤ちゃんで本当によかったと思う。
その後、なんとか立ち直った僕は、上記の通り一年くらいは自堕落な生活をし、歩き始め、それから本を読み始めた。
歩いたはいいがやることが見つからず、中身が高校生なだけに分別がついているため何をしようにも赤ちゃんの遊び道具だと満足できない、
だから、本を読み始めた、絵本っておもしれーのな!とか思っちゃったり。
そして、気付いたら3歳幼稚園に入園である。
入園してからも、ずっと絵本を読んでいた、だが絵本も飽きてきてしまい入園してから一年くらいたった時から
今の父親が持っている文庫サイズの小説を読むようになった。
両親は、ろくに理解できず本と睨めっこしているのだろう、と笑っていたが、割とちゃんと読んでいる。
本っておもしれー!!とか思い始めちゃったり。
そんな事をしていたらガキが、俺の本を取り上げやがった。
「こんなのよんでて、へんなやつ!」
と意味不明な供述をし、僕の小説(父親のです。)を取りやがった。
すごく気になる場面で取り上げられ頭に来てしまい、ついには手がでてしまった。
小林沙希の攻撃、パンチ!
「かえして!!」
ガキの顔面にヒット!
「いてっ、うう・・・うわぁぁぁぁぁぁ」
泣かしてしまった。
それからというもの、他の子供達は私に対して無関心になってしまった。
ちなみに一人称が変わったのは、母親の前で僕っていったら、
「沙希ちゃん、女の子はね、私って言うのよ」
と、そしたら父親が
「別に、僕って言う人もいると思うけど、沙希が言いやすいようにしなさい」
そんな事を言われてから考えてみた、今の僕は女の子だ・・・このまま大きくなったら痛い子になってしまう!
結果私に頑張って修正することにしたのだ。
「これからじぶんのことをわたしっていうね!」
と、言ったら両親は二人とも笑っていた、仲いいなラブラブ夫婦め。
そんなこんなでぼっち幼稚園生活を満喫していた。
気付いたらもう六歳、小学校入学である。
私はよく本を読むため親に誤解され頭がいいと思われていた、
前世での経験がそれに拍車をかけなんと超エリートな私立晴蘭大学付属小学校へのお受験戦争に参加させられてしまい、優秀な成績で合格してしまった。
そのため、私立晴蘭大学付属小学校に入学することになり、幼稚園の子供達とはここでお別れになる、別に寂しくはないけどね。
私立晴蘭大学付属小学校は、愛しい子供達に輝く未来を保証する教育環境が約束されており、知性も感性も豊かに育むと書いてあるが、
本当のところはどうなのかわからない、一流の環境があり、駅から徒歩三分、バス停もあってセキュリティがしっかりしている事だけは確かだ。
自宅からはバスで30分で行けてしまうのでとてつもなく登校が楽だ、問題があるとすれば本を読むと酔ってしまうことだろう。
そして実際に入学した時、私は泣いた。
妹の写真取りたかった・・・と、いつまでも妹が忘れられない私だが、自分自身の入学式はそんな事を考えていたら終わってしまった。
この頃から私は髪を伸ばし始めた、切るのがめんどくさくなっただけである。
小学校にしては勉強は進んでいるが、前世で高校生だった自分には問題ない範囲であり、この状態ならしばらく趣味に没頭できるだろう。
私は、さらに本にのめり込み物語に埋没した。(決して勉強しているのではない)
周りは大人びているのかなんなのかわからないが話しかけてこなかった(勉強しているのだと勘違いしている)
こうして、やんわりぼっちになった私は穏やかなる小学生ライフを満喫したのだ。
二年生になり、相変わらず本ばかり読んでいた私は、図書係になった。
これで本が探しやすくなったのだ、小学校の図書館と侮ることなかれ、中学、高校、大学からのお下がりなども入ってきており、かなり充実している。
割とアダルトな小説などもまぎれており本当にこんな管理体制でいいのか?と疑問に思ったこともあったが、
指摘したら読む本が少なくなるだろうと思い何もしなかった。
そうして、何事もなく本ばかり読み6年生になった、もうすぐ中学生である。
本ばかり読んでいた私は、背が低く運動が苦手なもやし娘になっていた。
前世では、活発なポニテスポーツ少女が好みの女性だったのだが、今の人生ではそれを目指すのもありかもしれない。
などと思い始め、結局めんどくさいという結論に達する思考を何度も繰り返していたら卒業式が終わっていた。
そして、私立晴蘭大学付属中学校の入学式、私は運命?の出会いをする------------------
運命?それとも・・・小林沙希