表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツヨイチカラ  作者: 桃馬 穂
序章 予兆の刻印

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/18

第0.1.2量子パルス:ラジオからの予兆

 ≡ Quantum Pulse 0.1.2 / Anomalous Broadcast


「……本日未明、観測衛星コルヌ・アルマが、わたしたちの世界の外より周期的な重力波パターンを検出……」


 どこか遠くで、人の声がする。翔太は手を止めて、顔を上げた。いつのまにか、隣室に置きっぱなしの父の古い短波ラジオがスイッチだけ入っていたらしい。


 電池の消耗でかすれた声が、布団の山越しにかすかに届く。


「……時空の歪みか、未知の星間活動か。現在、天文台と国際機関が合同で……」


 翔太は思わず笑った。重力波だとか、星間通信だとか。そんなものが、今の自分にどう関係するというのか。


 数式もろくに解けない高校生にとっては、それは天気の話と大して変わらなかった。それでも――不思議なざわつきが、胸の奥で揺れていた。言葉にはできない。


 が、何かが始まる。そんな感覚が、空気の裏に潜んでいる。翔太は、ラジオのスイッチを切った。


 再び部屋に、静けさが戻った。鉛筆を取ろうとした手は、何も掴まずに机の上をすべった。窓の外で、風が鳴った。


 いつもより、少しだけ深い音だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ