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山本さんのお嫁さんは、最強のヴァンパイアちゃん!?  作者: ほしのしずく
第4章:繋がる縁

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繋がった……繋がった!?

「――という、感じです……」 


「な、なるほどね……」


(キルケーさん、ブレないわー……てか、どうしよう……今から電話を入れて断るか? いや、でもここで断ったら、マジで真意不明なままになるよね。けどな――)


 アラクネからの話を聞いて、千恵子は前言撤回したくなっていた。


 惚れ薬の時もそうだったが、魔女の内緒ほど、ヤバいものはない。しかも、今回はお家にお邪魔しますよ? 覚悟はいいですか? という前フリまであるのだ。


 とんでもないことになるのは、目に見えている。


(――もう良くないことが起きるの確定かも……どうしたもんかなー)


「……まぁいっか! どうせ巻き込まれるなら面白い方がマシでしょ!」


 その【まっ、いっか!】精神で進めてきた結果が、自身でも手に負えないイベントの乱立であるというのに、学ばない千恵子である。


(って……何回、同じ轍を踏んでるんだろ、私)


 いや、学んではいた。

 けれど、これは千恵子の……女性(アマゾネス)(さが)

 トラブルに見舞われても、最初は気分が乗らなくても、最終的に楽しいを見出してしまう。

 なので、どうしようもないのである。


 そんなどうしようもないOL千恵子の的中率百パーセントを誇る、シックスセンスがフル稼働する中。


 アカーシャが口を開いた。


「幅霧……? 何処かで聞いた名だな……」


 その呟きを聞いたことで、千恵子の脳内にある出来事が蘇った。


 独走蝙蝠というチンピラ集団を纏めていた存在(ハゲ)と、工場長と何気なく交わしていた世間話。


「幅霧……幅霧……工場長……ハゲ……え――っ?!」


(いやいや待って……どっちも幅霧って名前は知ってたよ? でも、それは偶然で……いやでも、工場長の住まいは高級住宅街……平屋とかも言ってたよね……)

 


 散らばっていたピースが一つ、また一つと音を立てはまっていく。

 


(そう言えば――手先が器用な息子も居るって言ってたような……そうだ、そうだ! 昔は女っぽくてとかの愚痴も言ってたっけ?)

 

 見事な、実に見事なフラグ回収である。


 もうなんだったら、自らフラグを立てて回収するのが、習慣化されつつあるほどだ。


 千恵子のお家芸といっても過言はない。


(じゃ、じゃあ……も、もしかしてあのハゲが工場長の息子? もしそうなら……工場長……仕事も大切だけど、息子さんの教育も大切だよ……)


 などと、心の内でツッコむ千恵子であった。

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