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エンゲブラ的なろう分析シリーズ

【テンプレ勉強会】近未来SFにおけるジャンルや設定などをAI先生といっしょに勉強していたら、脱線して「現代社会」の問題に直面してしまった件。

作者: エンゲブラ

SFジャンルに疎い筆者は、いつもどおりAI先生の授業を受けるのであった。


マトリクスにターミネーター、バック・トゥ・ザ・フューチャーやスターウォーズなど過去の傑作と言われる作品を1作も見ていない人間が、果たして本当にSFを理解できるのであろうか?


SFのテンプレは、他のジャンルを混ぜると化ける。


一番分かりやすいのはタイムリープ設定で、過去に行くなら歴史モノとの掛け算になり、不良と混ぜればアニメになる。他には何があるだろう?ということでSFをお勉強。


まずはジャンルから――


「ディストピア」

ユートピアの逆。反理想郷・暗黒世界化した未来モノ


「サイバーパンク」

cyberneticsサイバネティックスpunkパンクロック。ディストピア化した管理社会で暴力と退廃の中での闘争を描いたもの


「ポストアポカリプス」

黙示録後の終末世界。一度文明が崩壊し、管理者がAIや地球外生命体などになっている世界


「バイオパンク」

バイオテクノロジー+パンク。バイオハザードなどに代表されるジャンル(筆者はバイオハザードすらよく知らない)。


「クライムSF」

未来犯罪モノ。おそらく未来の技術などを駆使した犯罪とかトリックでもあるのかな


「ミリタリーSF」

どうでもいい


「スペースオペラ」

銀河英雄伝説かな。これは見た。いま考えれば人間が実際に戦艦に載っている意味は全くないが面白かった。SFの皮をかぶった架空の戦記モノか


―― そういえば『カウボーイビバップ』はどこに分類されるんだ?



・続いて社会システムとしては

「管理社会=AIによる統治」「階級制度」「環境破壊後の世界」「宇宙植民地」などが挙げられる。


・テクノロジーは

「人工知能(AI)」「サイボーグ技術」「仮想現実(VR)=脳インターフェース」「ナノテクノロジー」「遺伝子工学」「宇宙旅行技術」など。


・都市環境は

「メガシティ」「地下都市」「浮遊都市」「気候変動の影響」「汚染された地球」など。


・登場人物は

「サイボーグ」「ハッカー」「反体制組織のメンバー」「人工知能」「遺伝子改造人間」など。


・プロットの要素として

「一部の人間とAIとの対立構造」「企業支配」「記憶操作」「時間操作」「アイデンティティの喪失」「異星人との遭遇」などがある。


―― 現代社会の延長線上として、未来がどうなったかを描くことにより「現代社会における課題、問題点」を風刺する「社会への警鐘」「批評」的な作品がこれまでには多く生まれた。が、現代ではただのエンタメ要素として描く人間も少なくはない。ただし、何のネガティブバイアスがかかっているのか、「悲観的な未来」設定の作品ばかりが目立つのはいったいなぜか?



ここからは脱線 ――


AI先生にいろいろ教わっているうちで気になったこと。それは現代人たちの「エンパシーの低下」。エンパシーとは、自己が持たない価値観などに出遭った時に、いかにして対象に自己投影し、想像、共感するかという能力。


現代人たちの「会話の出来なさ」を社会学者の宮台真司氏は「感情の劣化」と端的に表現していたが、これは現実感覚として、筆者も感じていた部分。昔はまだまともに会話出来ていたはずの人間ですら、少し会わない内に会話の回路が劣化したもんだなと感じることも、しばしば。いわゆる「老害化」であるが、今は「老害化の低年齢化」が気になって仕方ない。


新入社員同士の会話を眺めていても、筆者と話している時にはふたりとも楽しそうにまともな会話が出来るのに、ふたりだけで会話しだすと、途端に険悪になる。「相性が合わない」以前の問題で、そもそも相手の価値観に合わせるだけのエンパシーの姿勢が足りていないという風に筆者には映る。


社会全体におけるエンパシーの低下の原因は、一体何なのだろうか?


AI先生と共に考察。

まずストレスの影響。これは普通に思いつくが、AIからの次の指摘で「あっ!」となったのが「デジタル技術の影響」の指摘である。


スマホやソーシャルメディアの発達により、非対面コミュニケーションが増え、対面に伴う「非言語コミュニケーション」を経験する機会の減少問題。テキストベースでのやり取りが増え、声、身振り手振り、表情などの「非言語の手がかり」を喪失したコミュニケーションへの慣れから来る対話能力の退化である。


実際、ランチなどに行っても、同僚や友人同士といっしょにメシを食いに来ているにも関わらず、料理が出されるまでの間、みんなスマホの画面を見続けている。スマホを見ているので、会話していても「相手の表情」などはまったく見ていない。


通勤の行き帰りの電車内でも、みんな「誰かから脅迫されているかのように」スマホ画面を睨みつけている。四六時中、インターネット世界に意識を割き、「人の顔を見て会話する」ことが激減した人類の先には、いったい何が待ち構えているのだろうか?


―― ここでSFの話に戻る。

まさにSFの中で、現代社会に提起すべきテーマに、このエンパシー不全問題がある。それはもう「行きつく先」の問題ではなく、すでに直面している課題ともいえるが、さらにグロテスクな未来を描くことによって、社会に警鐘を鳴らすのはアリである。


社会に警鐘系は現代ではもうウケないのは理解しているが、商業メディアではない、なろうでくらいはそういった作品があって然るべきだと、考えさせられる時間であった。

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