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ストグラ 安城とゆきんこ バレンタイン 安城視点

作者: 佛 弥白

ゆきんこは最近、忙しそうにしている。大型が終わるとすぐに何処かへ急ぐようにかえってしまう。


べつにさー、寂しくないもんね

どうした?寂しいのか?

素材をスタッシュに入れながら、俺はいつものように拗ねたような口調で、独り言を呟いていると、白井さんが声をかけてきた。


いやー、最近ゆきんこがすぐに一人で帰ってるから、何してるのかな?って

あー、置いていかれて寂しいのな

別に寂しくなんか、、、

あるんでしょ?w

白井さんは見透かしたように、笑う。


そりゃ、仕方ないよ

バレンタインが近いんだから


バレンタイン


そうか、バレンタインか

最近、かまってもらってないせいか、そんなことすら気付いていなかった。


そんなに時間があるなら、

白井さんが俺に耳打ちしてくる。


そうなの?こっちの文化あんま詳しくなくて、そうか

そうそう、そういうのも面白くない?

確かに、いいね!それ

白井さんに良いことを聞いて浮き足立つ。そういう志向もいいかもしれない


白井さん、ありがとう!ちょっと、行ってくる!

ああ、がんばれよー

俺は白井さんに見送られながら、早速急いだ。


バレンタイン前日

ゆきんこのおはようございますなのだ

の無線を聞いて、俺は彼女を探す。新アジトに行ってみたが姿はなかった。

旧アジトに試しに行ってみると、ゆきんこの後ろ姿が見えた。スマホに集中していてこちらには気付いていない。

そっと、近付いて肩から手元を見つめると、ツイックスに掲載されているショップのバレンタインの商品。


ゆきんこ、何を悩んでるんだ?

きっちゃん!

今気付いたように俺に気付いて振り返る。

フワッと髪が揺れ、ちらりと見えてくる顔に少しドキリとする。

思いの外、顔が近すぎてさりげなく顔を引いて、何事もなかったようにスマホを見続ける。


危なかった

触れてしまいそうな気がしてやばかった

いや、どこがとか言わんけど

内心、俺は一人そう思いながら、ゆきんこの話しを聞いていた。


明日、バレンタインでしょ?みんなにチョコあげたくて、全部可愛くて悩んでるのだ


やっぱり、みんなに配る気はしていたんだ

分かっていたことではあったさ

でも、少し面白くない気がしてそっけない返事を返してしまいつつ、ゆきんこの返事促す。

ふーん、で、どれにするんだ?


めっちゃ悩むのだ。全部あげたいけど、多すぎるし

相変わらずのゆきんこにクスリと笑ってしまう。

変わらない

それだけで、なんだかホッとする気がする。


その人っぽい物でいいんじゃないか?

ナリエルや椎花は、犬派?猫派?とかさ

おー、なるほど。きっちゃん珍しく冴えてるのだ!

そーそー珍しくって、誰がやねーん!いつでも、冴えまっくってるわw

そんな、いつものやり取りをしていると、月見がゆきんこに声をかけて走ってきた。


良かった、今日会えて

はい!雪ちゃん、安城くんも

月見はそう言って、紙袋から袋の包みを俺とゆきんこに手渡してくれた。

それは手作りで、とても凝っている。月見らしい丁寧さが見てとれた。月見は可愛らしい一面もあるが、仕事面でもとても優秀だ。武器をとっても、車の運転技術も他のメンバーに引けを取らない。

そういう意味でもいい女だと思う。


ゆきんこは、よほど嬉しかったのだろう、ニコニコと嬉しそうだ。

かわいい物が好きだと言っていたしな

俺はその笑顔を見て、可愛いなと頬が緩んでしまうのを感じてしまう。


それにしても俺自身、本当は誰からも貰うつもりはなかった。

想い人から貰いたい、いや、それ以外からは貰いたくない

けれど、貰わなかったら角が立つし、俺の分はゆきんこに食べさせるつもりでもらっておいた。


つっきー先輩は明日は起きてくるのか?

明日は用があって、だから今日会えて良かったよ~

そっかー、今日は何時まで起きてるのだ?

んー、あと、2時間くらいかな?

分かったのだ!じゃあ、あとで僕も渡すのだ!

分かった。じゃあ、あとでね、雪ちゃん

バイバイと手を振って、ゆきんこと月見は別れた。


なら、一緒に行くか

俺はそう思って、ゆきんこの横に立った。


じゃあ、買いにいくか?

え、いいの!

じゃないと、ゆきんこの運転じゃあ、いつまで経っても買い物が終わらないだろ?

俺はゆきんこのうれしそうな顔を見て、ガレージから車を出す。


やっぱり、笑っている顔が一番良いな

そっと呟く。


ゆきんこの前に止め、乗るように促す。

少し、口元を尖らせているように見えるが、もしかしたら悔しがっているのかもしれない。

ゆきんこらしい

ついつい、フッと笑ってしまう。


買い物に付き合ってくれて、ありがとうなのだ

いえいえ、どういたしまして

俺がそう言って、車を発進させるとゆきんこが静かになった。横目で見てみると、前を見たまま変な顔をしていた。


どうした?

なんでもないのだ

で、最初は何処へ行くんだ?

んー

どこか生返事なゆきんこに違和感をもったが、まぁ、聞いたところで素直に答える気がしない。

一番元気が出る所へ連れて行きますか

行く場所を決めて車を進めることにした。



最初は魔法少女カフェに連れてきた。

目的はもちろん、


ロギアさん♪

客の見送りをしていたロギアが車から降りた俺たちに気がついて、

雪ちゃん、いらっしゃい、と声をかけてきた。


ゆきんこはやっぱりロギアが好きだな

元気いっぱいにロギアの名前を呼ぶ姿に改めて連れてきて良かったと思う。

ま、ロギアはいい女だし、そこは分からなくもない。


今日は限定の商品を買いにきたんですか?

そ、そうなのだ!

それじゃあ、中へどうぞ。外はまだ寒いですからね

そう言って、ロギアがドアを開けて待っていてくれる。俺もゆきんこに続くために後ろに着くと同時に、ゆきんこがちゃんと足元を見ていなかった為か、段差を踏み外して倒れそうになる。


わっ

よっと

案の定、前に倒れるゆきんこを腰から持ち上げる。持ち上げるとビックリしたのか、体を丸めた。

軽いことに驚く


相変わらずそそっかしいな、ゆきんこは

俺は努めて呆れたように言うと、急にゆきんこが暴れだす。


も、もう、大丈夫なのだ!おろせなのだ!

やだね、またロギアに突進して、怪我するのは目に見えてる

ジタバタと暴れるゆきんこを落とさないようにグッと力を込めると、ますます暴れる。


なんでだ


落としてしまわないように、抱えたまま店へと入る。そっと、体を下ろすとゆきんこの肩に額が当たる形になって、顔を上げればロギアと目が合う。

ロギアはあらあら、と言って微笑ましそうに笑う。


完全に面白がっているなと思っていると、他にも視線が刺さるのを感じて、周りを見ると他にもお客がいたようだ。

さすがに、悪いことをしたかと思って、ゆきんこを見ると、うつ向いていて様子が見れなかった。

するとロギアがゆきんこの頭を撫で始める。ビックリしたような様子のゆきんこは少し涙目だった顔を上げると、

雪ちゃん可愛い!とロギアが抱き締めている。


ロギア

俺が声をかけると、

だって、雪ちゃんが可愛すぎて!

持って帰りたいくらいなんですもの

ロギアはそう言って、再度ギュッと抱き締める。


あ、ゆきんこも調子に乗ってすりすりしてやがる

泣いたカラスがってやつだな


ロギア、持って帰ったら、へルアンが困るだろう?

ゆきんこもさりげにスリスリしない!いい匂いなのだぁ?

まったく、おまえは

俺はロギアさんとゆきんこを引き剥がす。こうでもしないと、ゆきんこがロギアから離れないだろう。

ロギアさんとゆきんこはオーバーにああ、と残念な声を上げる。二人が俺を見つめるが、俺はため息をついて言う。


早く買い物を済まさないと、月見に渡せなくなるぞ?いいのか?

あ、そうだったのだ!

あらあら、それは急がないといけませんね~

雪ちゃん、続きはまた今度にしましょうw

ゆきんこはうん、と頷いてカウンターへと行くのを見送った。


本当はゆきんこが長くこの街を空けたことで、誰もが寂しがっていた。

そして、俺以外に一番寂しがっていたのがロギアだった。

ゆきんこが帰ってきてから、過剰にスキンシップをとっている気がする。だから、少し行きすぎた行動も理解できる。

けど、続きはまた今度ってなんだ?

これからもこのノリで、続くのか?

少し苦笑してしまう。

そして、少し羨ましく思ってしまう。心のままに抱き締めることが出来るロギアに。

さっき、引き剥がした時その嫉妬が少しもなかったか?と言われれば無かったとは言えない。

そんなことを思いながら、なかなか決まらないゆきんこの元へと歩いて行った。



帰り際に、ロギアに呼び止められる。

振り替えると、ロギアさんの手に二つの包みを手にしていた。


早いですが、ハッピーバレンタイン!

え!いいの?

はい!大したものではありませんが、頑張って作ってみました

お口に合うといいんですが、

ロギアは少し照れた様子で俺たちに渡してくれる。

チョコのカップケーキ。


フォンダンショコラを作ってみたんです

食べる前に少し温めて食べてくださいね!

え、すごいのだ!

ロギアさん天才なのだ!

いえ、そんなことないですよ?今回初挑戦なので、上手く出来ているか

ロギアは少し苦笑してそう答える。


そうか?前もらった物も綺麗で美味しかったけどな?

ゆきんこもそう思うだろう?

ゆきんこに同意を得るように振り返ると一瞬顔が雲って見えたが、


うん!ロギアさんの作るものは全部美味しいし、綺麗なのだ!

ホントに?嬉しい、ありがとう!二人とも

ゆきんこは何事も無かったかのように、俺の相槌を打ちつつロギアを誉めていた。


気のせいか?


へルアン先輩は幸せ者なのだ

ゆきんこが満面の笑みでそう言って、ロギアを照れさせていた。


改めてロギアに別れを告げて次のお店へと向かうことにした。


やはりゆきんこの様子がおかしい

ロギアに貰った袋を見つめている。その顔からは読み取ることができない。

だから、ロギアの話しをふってみる。


ロギアは本当に器用だよな

この間の和菓子もそうだけど、今回のバレンタインも旨そうに出来てる

へルアンはホントにロギアがいて、幸せ者だよな?

俺がそう、ゆきんこに返事を促すせば、うん、とどこか上の空のような返事をする。


ゆきんこ?

おーい

ん?なんなのだ?

ハッとして、今気がついたといった様子で、ゆきんこは返事をする。


店についたけど、どうした?暗い顔をして?

なんでもないのだ

ゆきんこはそう言って首を振り、車を降りていく。俺も慌てて追いかける。


どうかしたのか?

なんでもないのだ。ただ、ボスにプレゼントする分をどんな豪華なものにするか、めっちゃ悩んだだけなのだ


何気ないふりを装おって、ごまかす


そんなゆきんこに俺はそっか、と返事をして、ペールノエルのドアを開けてゆきんこを待った。


今、聞いてもきっと素直に答えない

抱え込むって言ってたもんな

きっと、話してくれるのは分かっている

だから、少しの間だけ待とう



買い物を全て済ませて、アジトで俺の車からゆきんこが一番最初に買った車に載せ変えた。その間に月見にお返しのチョコを渡していた。


今日はこれでおしまいか

俺がそう思っていると、


きっちゃん、手伝ってくれてありがとう!

はい、コレ

ん?

もうバレンタイン、今日なのだ。一番最初

ああ、そういうことか、ありがとう!

んふふ~♪

ゆきんこが晴れた様子で箱を渡してくる。それはBOSS用にするか悩んでいた高いチョコ。

そして、今日は終わりを告げて、新たな今日バレンタイン。

その一番最初に俺にくれたことに嬉しくてテンションが上がってしまった。

今日はいつもの日と変わらないと思っていったけど、特別はやっぱりいいな!


そして、ゆきんこを家まで見送って別れた。近くの旧アジトで今日は休むことにする。誰もいないアジトのソファーで横になって、さっき貰ったチョコの箱を眺める。

まだ食べるには勿体なくて、恥ずかしくも胸に抱くように置いて眠った。


今日もお仕事の大型をもこなし、落ち着いてきた頃、ゆきんこが昨日買ってきたチョコを渡していく姿を見ていた。



いつものように、買いすぎたゆきんこは余ったことに気がついたらしい。

悩んでいる姿に、俺がPY横の家に置いてはどうか?と言うと頷いた。

次の大型までの時間的にちょうどいい。


じゃあ、行ってくるのだ

ゆきんこじゃ、事故るだろ?それに量が多すぎて大変だろし、手伝うよ

俺がそう言って、運転する。ゆきんこはまだ下手だから、逆に何が起こるか分からない。


といってもすぐ近く、すぐに着く距離なんだけどな。


荷物を両手で持っても、まだ余るチョコを俺は持ち、ゆきんこに部屋のドアを開けてもらう。

俺が入るとすぐにゆきんこは、残りの荷物を取りに行ってしまう。

俺は前と違ってテーブルやソファー冷蔵庫とちゃんとした部屋になっている。

そう思うと、少し緊張してきた。


俺は雑念を払うように首をふり、テーブルに一度荷物を置く。そして、チョコを冷蔵庫に入れた方がいいと思って、開いた。


少し歪なチョコがある

なぜ?

不思議に思いながら、入った箱を手にすると、ゆきんこが部屋に入ってきた。



え、なんで!

あ、これ、

どうしたの?

と続けることが出来なかった。ゆきんこは持っていた荷物を手放し、俺へと走って来る。箱に手を伸ばした状態で、

咄嗟に箱を持ち上げて、危機回避を無意識でしていた。


きっちゃん、それを返すのだ!

え、ちょっ!?

ゆきんこは必死にジャンプして、取り返そうとする。しかし、狭いキッチンで暴れて、物が落ちて怪我をするのが目に見えている。どうにか箱を落とさないようにしつつ、慎重にかわし続けた。

少しすると、ゆきんこの動きが止まった。


ゆきんこ?

かえして

泣くほど嫌だったのか?

泣いてないのだ

いや、泣いてるし

ゆきんこはうつ向いてグスグスと鼻をすすりながら、そう答える。

が、絶対泣いてるやん!

落ち着いたみたいだし、と思ってはい、と箱を手渡す。

ゆきんこはビックリした様子で少し目が赤く、潤んだ状態で見上げてくる。


なんで?

ん?なにが?

おまえ、下手だなって。いつもみたいに冗談目かして、

不思議そうに聞いて来ると思えば、まさかの冗談で下手だなんて、


言うわけないじゃん!

バカだな~ゆきんこは、とそっと心の中で笑う。

好きな人が頑張ってるの見て笑うやつがいるのかね?

というか、俺たちの関係性が後退してないか?

ちょっと、焦りつつもいつものようにおどけて言葉を返す。


というかチョコ作ってたのか、マジすげぇじゃん!

俺が誉めているとゆきんこの力が抜けていくのが分かった。

そして、呆れたようないつもの様子に落ち着いてきた頃に、勇気を出して気になっていたことを聞いてみる。



で、そのチョコ誰に渡すの?

ゆきんこがビクッとした気がする、でもこれは聞いておきたい。

だって、好きって言ってくれたのに、隠し事はちょっとショックじゃん?

内心、拗ねてしまうのは仕方ない。


頑張って作ってまで、食べて欲しいかったんだろ?

昨日、貰ったから俺じゃないのが、悲しい所だがな

内心しょんぼりとするが、俺が勇気を出してそう聞くと少し間をおいて、ゆきんこはうつ向いたままか細く答える。


きっちゃん

え?

聞こえた声に耳を疑う。

え?なんで?昨日貰ったよな?

そう思っていると、ゆきんこが


だから、きっちゃんに作ったのだ!


さっきより大きな声で、はっきりと言った。さっきのショックなんかが吹き飛ぶくらいに心に嬉しさが広がる。

思わず、嬉しさで顔が緩んでいるのがハッキリ分かる。

ダメだ、嬉しすぎる!

そう思うと、ゆきんこのチョコが食べたいと思った。

下を向いたままのゆきんこが持つチョコを一つつまみ、口の中へ入れる。

甘いミルクチョコとココアパウダーの少しの苦味があって、美味しいと思った。


うん、上手い!


ゆきんこは俺がチョコを口に入れる様子をポカンとした様子で眺めている。

そんな様子についつい可愛いと思ってしまう。

いや、もう十分可愛いんだけど(テレ

嬉しさと可愛さで心が満たされる。

少し開いたゆきんこの口に、チョコをもう一つ取り、放り込む。

ハッと我に返ったようにモゴモゴと口を動かす姿すら小動物のようで、可愛いな


ゆきんこは何か言いたそうに口を動かすが、今はその可愛い姿を見せて

そう思って、人差し指でそっと唇に触れる。

触れたことで、急に恥ずかしくなってきた。俺は誤魔化すように


うまいじゃん!

そう言って、ゆきんこから再び箱を手に取り、離れる。


え、ちょっと!

えー、コレ俺のために作ってくれたんでしょ?

なら、俺の~

俺は箱の蓋を閉めて、外へと走る。ドアの外へと出た時、浮かれる気持ちを押さえきれなかった。


俺だけのチョコ

そう思うと言葉に出来ない、胸がギュッとする。始めての感覚だけど、イヤな訳がない。



ちょっと待つのだ~!

ゆきんこの声が聞こえてハッとする。不味いこのままだと、取り返されてしまう。そう思って、俺は直ぐに車に避難する。

その直後にゆきんこが家から出てきて、こちらを見てきた。

だから、いつものようにおどけてヒラヒラと箱を見せて、自分の気持ちと共に誤魔化してみせた。

すると、タイミング良く無線からヘルアンの声が聞こえてくる。


そろそろ、次の客船の準備してー


はい、タイムアウトでした~

いつも通りのノリでゆきんこに答えると悔しそうに、ムッと口を尖らせた。しかし、時間がないのが分かっているので、特別何もいわず、助手席に乗り込んでくる。


俺は誤魔化したつもりの気持ちがやっぱり抑えきれなくて、ゆきんこの耳元で呟く。


今日一、嬉しい

いつもの水色の髪色も良いけれど、戦闘時のピンクも可愛らしくて、

常に髪で覆われている耳が今は見えていて、その耳が赤く染まるのが分かる。

その様子を見ていて、嬉しい感情を抑えることは無理そうだ


ゆきんこの目元を袖口でそっと拭うと、恥ずかしそうにそっぽを向かれた。でも、そんなことはどうでも良くて、

ただただ、今は嬉しくさと可愛いしか想い浮かばない。


そろそろ行かないとヘルアンに怒られるか、と思って車を発進させる。

ゆきんこはその間、サイドミラーで顔、特に目が赤いことを気にしていた。

俺は少しおかしくて笑う声を抑えることが出来ずに漏れてしまう。


直ぐ着いてしまう距離だ。

車を降りる前にこれだけは言っておきたい。


あとで、一緒に食べような


そう言って、ご機嫌で車を降りる。

今日は何を言われても、へっちゃらだ。だって、最強のアイテムを手に入れているんだからな!








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