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冒険者ギルド最高密令:冒険者ランキング1位を暗殺せよ  作者: HasumiChouji
第四章:A Better Tomorrow/駄目爺ィどもの挽歌
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(3)

「え……えっと……貴方たち……誰?」

「誰って、言うまでもない。この国の冒険者ギルドの最高幹部『よりよき明日の為の評議会(カウンシル・オブ・ア・ベター・トゥモロー)』だ」

 冒険者ギルドの幹部が皆殺しにされた後、例によって、飲兵衛の路上生活を送っていたら……寝てる間に、いつの間にか移転してたらしい「冒険者ギルド本部」と称する貸店舗に連行されていて……そこに居たのは……。

 この前死んだ、冒険者ギルド幹部より少し若いように見えない事も無いが……やっぱり爺さんとしか呼べない年齢の、良く知らない男ども。

「壊滅した筈じゃ……?」

「死んだのは、我々の前任者どもだ。我々は新しい最高幹部評議会だ」

「は……はぁ……」

「まぁ、人間の本性は、調子こいてる時とドン底に堕ちた時の両方で明らかになる、とは言うが……前任者どもは、どっちの場合も最悪な連中だった。その点はお詫びする」

「おい、若い女に頭下げるなんて……男としての誇りは無いのか?」

「うるさいな」

「あ……あの……それで……その……?」

「と言う訳で、冒険者ランキング1位『鋼の男』を君に倒して欲しい」

「はぁ?」

「倒せ。これは命令だ」

「無理です」

「なら、玉砕しろ」

「何で?」

「命令だ。異議は認めん」

 えっと……私が話してる(会話になってない気がするけど)、この爺さん達……本当に人間?

 なんか……定型パターンの動きや会話しか出来ない安物の人造人間(ホムンクルス)なんて事は……?

 えっと……。

 ああ、マズい。

 酒びたりのせいで、魔力検知の能力も錆び付いてしまってる。

 精神を集中させ……。

 ん?

「あぶないッ‼」

 ドゴオッ‼

「な……」

「こ……これは……?」

 私は、攻撃魔法の気配を察知して……魔法防壁を展開。

 その結果……。

「うわああああッ‼」

「おい、誰か、浮遊魔法ッ‼」

 壁や天井や床が粉々に砕け、私と爺さんたちは落下。

 一応、どこからともなく飛んで来た火炎弾(ファイアーボール)は砕け散ったけど……。

 どうやら、私が「魔力は昔のまま、ただ、制御出来なくなってるだけ」の状態で魔法防壁を展開したせいで、そのプチ暴走状態の魔法防壁により、砕け散ったらマズいモノまで砕け散ったらしい。

「流石は偽物とは言え冒険者ギルド最高幹部を名乗るだけは有るな。中々にやるようだ」

 冒険者ギルド本部と称する貸店舗が瓦礫と化した後、その声のした方向を見ると、大通りの反対側に有る別の貸店舗の屋上から、魔法の拡声器を使って、そう大声で怒鳴り散らしている、これまで爺さんたちの一団が居た。

「あれ……誰?」

「偽の冒険者ギルド最高幹部どもだ」

「へっ?」

 ……えっと……。

 ……つまり……その……。

 ああ、冒険者ギルドそのものが分裂して、この爺さんたちと、あっちの爺さんたちは、別の派閥な訳か……。

「おのれ、偽物どもめ。どっちが本物かわからせてやる」

「おい、メスガキわからせならともかく、爺ィわからせなんて需要有るのか?」

「うるさい、やるぞ……」

 けど……その時……。

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