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冒険者ギルド最高密令:冒険者ランキング1位を暗殺せよ  作者: HasumiChouji
第四章:A Better Tomorrow/駄目爺ィどもの挽歌
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(2)

「ギルド本部が使えなくなったのは、お前のせいだからな。こいつらは、お前が何とかしろッ‼」

 幹部のお爺さんの1人は、私に、そう言って、転移門(ポータル)を開き……。

「おい、待て、お前だけ逃げる気かッ‼」

 別のお爺さんも転移門(ポータル)に入り……更に続いて……暗殺者(アサシン)の何人かも転移門(ポータル)に飛び込み……。

 ちゅど〜ん♪ ちゅど〜ん♪ ちゅど〜ん♪

 転移門(ポータル)の中から複数の爆音。

 続いて、転移門(ポータル)がカン高い耳障りな異音と目がチカチカするような変な閃光を放ちながら閉じる。

 転移門(ポータル)を開く魔法が時間切れになった場合の閉じ方じゃない。

 転移門(ポータル)を開く魔法を使った人が、自分の意志で転移門(ポータル)を閉じた場合とも違う。

 明らかに、転移門(ポータル)を開く魔法を使った人の身に何かの異常……例えば急死したとか……が起きた場合の閉じ方だ。

「我が神よ、この邪悪なる者達を地獄に引きずり込み給えッ‼」

 神聖魔法(自称)の使い手らしい幹部が、大声をあげる……。

「待て、マズい。お前の神さんって……たしか……」

 別の幹部が慌てまくった声。

 そうだ……この世界には、本物の「神聖魔法」の使い手は、ほぼ残ってない……。

 つまり、このお爺さんの「神」って……。

 突然、地面に転移門(ポータル)が開いて、そこから何本ものエロ触手が出現。そして、暗殺者(アサシン)の何人かが、エロ触手に捕まり……。

 ちゅど〜ん♪ ちゅど〜ん♪ ちゅど〜ん♪

 暗殺者(アサシン)数名が、エロ触手が出現した転移門(ポータル)に引きずり込まれた瞬間、その転移門(ポータル)から爆音。

「えっ? えっ? ええええッ‼」

 神聖魔法(自称)の使い手らしい幹部のお爺さんの腹を突き破って、エロ触手が何本も出現。

 その幹部のお爺さんの体をミンチにした後、エロ触手は消えた……。

 どうやら、暗殺者(アサシン)達が「神様」の居る世界で自爆しちゃったせいで、「神様」の御機嫌が斜めになったらしい。

 周囲では、冒険者ギルドの幹部と暗殺者(アサシン)の戦いが続いていた。

 ちゅど〜ん♪

 また爆音。

 そして、また1人、冒険者ギルドの幹部が、暗殺者(アサシン)の肉弾幸で吹き飛び……。

 続いて、別の暗殺者(アサシン)が魔法の矢を全身に浴びた途端に、「魔法の指向性人間爆弾」が発動。魔法の矢を放った幹部は爆風を浴びる。

 逃げようとした幹部は……背後から暗殺者(アサシン)に組付かれ……やっぱり「魔法の人間爆弾」により死亡。

 どんどん、暗殺者(アサシン)も冒険者ギルドの幹部のお爺さんも減っていき……。

 暗殺者(アサシン)の最後の1人 VS 冒険者ギルドの幹部のお爺さんの最後の1人の戦いが……。

 えっと……。

 何だろう、この……すげ〜泥臭い戦い。

 剣闘士同士の戦いだったら、客席がブーイングの暴風雨になるのが確実な……すんげ〜リアル指向だけど、傍で見てて、少しも面白くない、私みたいな目が肥えてないのにとっては、素人同士の喧嘩と見分けが付かないタイプの戦いだ。

 暗殺者(アサシン)ギルドのエース級は、ほぼ全滅してるそうなんで、この暗殺者(アサシン)も……それほどの腕じゃないんだろう。

 けど、体格が結構よくて、どっかの王様みたいな感じの見事な白髭に真っ白な長髪の幹部は……。

 多分だけど……現役時代は戦士だったらしい、このお爺さんの方がマトモに戦えば、腕は上なんだろう……。

 でも……。

 無い……。

 肝心なモノが……。

 そのせいで……お爺さんは全身をザクザクと、暗殺者(アサシン)が両手に持ってる鎌を小型化したような刃物で切り刻まれている。

 結構、高価(たか)そうな服は、ズタボロの血まみれ……。

「だ……誰か……」

 ザクリ。

「剣を……くれッ‼」

 グサリ。

「剣を……ッ‼」

 ザクザク。グサグザ。ザクグサザクグサ。

「剣1本で……」

 あたりは、さっきまで、酒場だった瓦礫の山。

「儂の全財産を……ッ‼」

 誰に言ってんのか判んないけど……一般市民は、逃げ出してるようで……しかも、私も剣なんて持ってない。

「くれてやるッ‼」

 御希望に沿えなくて……非常に残念です。

 お爺さんの全財産欲しいけど……。

 冒険者ギルドの幹部の最後の1人は、出血多量で地面に倒れ伏し……。

「最後に……教えて……くれ……」

「何だ?」

 暗殺者(アサシン)の最後の1人は……律儀に答えた。

「儂の人生って何だったの?」

「知るかッ‼」

 その一言と共に、お爺さんの顔面に気功拳が叩き込まれ、血と骨の欠片と肉片と脳漿と脳味噌が周囲に飛び散った。

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