表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険者ギルド最高密令:冒険者ランキング1位を暗殺せよ  作者: HasumiChouji
第三章:BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY/恥も外聞も人倫も無い大戦争
11/32

(1)

「一体、どうしてくれるんだッ⁉」

 結局、イルゼとルーカス君は行方不明。

 暗号名「選ばれし7人マグニフィセント・セブン」の残りのメンバーは補欠を含めて全滅。

 この冒険者ギルド本部の近くの酒場の中に死体が3つ。

 補欠含めた残り全員の死体は、荷車に積まれて、酒場の前に放置プレイ。

 ただし……私と行方不明の2人を除いて。

「いや……どうしろと言われても……」

 冒険者ギルドの本部に連行されて、この国の冒険者ギルド最高幹部「よりよき明日の為の評議会(カウンシル・オブ・ア・ベター・トゥモロー)」の皆さんに、どんだけ罵倒されても、そう答えるしか無い。

「あのなぁ……君、元とは言え、ランキング1位のチームのメンバーだろうがッ⁉」

「でも、私、今では……冒険者じゃないですし……」

「残念ながら、当ギルドの登録は抹消されていない」

「へっ?」

「君は、まだ、当ギルド所属の冒険者だ。当ギルドの指令に従う義務が有る」

 なら、あんたらがやれよ、と言いたいところだけど……残念ながら評議会の皆さんは、いい齢したお爺さんばかり……。

 荒事なんてやったら1ターン目で腰を痛め……。

 あれ?

 そう言や、女の冒険者も……中年になる前に、ここに並んでる皆さんより遥かに話題になる冒険を成功させて引退した人も居るのに……なんで、この評議会のメンバーは、いい齢した爺さんばかりなんだろ……。

 まぁ、いいや。

 私が当面やるべき事は……。

 酒だ。

 酒。

 お酒。

 可能なら、この王都で一番強い酒。

 酔っ払って、ややこしい話とおさらばしたい。

 でも、テレポーテーションで逃げようとして、さっきみたいな事になったら……。

 冒険者ギルドのエラいさんを行方不明にしたら……一両日中に、私が行方不明になる。

 ギルド所属の冒険者って、一般市民にとっては一種の偶像(アイドル)だけど、冒険者ギルドの実態は……暗殺者(アサシン)ギルドの方が、まだ、悪なりに筋が通って見えるような理不尽組織だ。ここにガン首揃えてるエラいさん達も、長年の間、下っ端達をいじめまくったせいで、若い頃は女の子にキャーキャー言われるような顔だったのに、今や、完全な悪人(ヅラ)だ。

「おい、聞いてんのか?」

「ええ、聞いてますよ」

 それは、ともかく酒だ。

 酒が欲しい。

 飲みたい。

 酔っ払いたい。

「聞いてるんなら……何か『鋼の男』を倒す為のアイデアを出せッ‼」

 アイデア……アイデア……。

 ああ、そうだ。

 発想を逆にしよう。

 私が、テレポーテーションで、ここを逃げ出すんじゃなくて……魔法で、ここに酒を転移させればいい。

 よし、では……実行。

「おいッ‼ 待て‼ 今、何の魔法を使った?」

 何って……そりゃ、酒を……。

 待て……。

 ここに一番近い酒が有る場所って、どこだっけ……。

 あ……。

 我ながら、発想が逆にも程が有る。

 物体転移トランスポーテーションの魔法を使ってから、取り寄せたいモノがどこに有るかを考え始め……。

「うわぁぁぁ……ッ‼」

「何だこりゃあッ⁉」

「おい、誰でもいいッ‼ 魔法の使えるヤツ、あの天井の転移門(ポータル)を閉じろッ‼」

 多分、私のせいだろう。

 この魔法を使えるようになったばかりの初心者でもやらないドジだ。

 おそらく、私が取り寄せたいモノ(要は酒だ)がどこに有るか、良く判んないまま……物体転移トランスポーテーションの魔法を使ったせいだと思うけど……天井から、大量の汚水が、この会議室に流れ込んでいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ