表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

二次元物語

 こんにちは!。おいらは『三角形』。名前ではなく種族のことだよ。君は,三次元の世界の,人間という種族でしょ?。おいらは,二次元の世界の『三角形』という種族なんだ。二次元とは,縦と横しかない,つまり平面の世界のことさ。イメージが出来ないかな?。そうだな⋯⋯。⋯⋯たとえば⋯⋯,紙と鉛筆を用意してくれないかな。紙に『三角形』を書いてくれないかな。三角形とは,三本の直線の端と端をくっつけた形のことさ。多少,曲がっていても気にしないよ。書けたかな?。それがおいらだ。その紙の上が二次元界なのさ!。実は……,『三角形』にも……身分があって……,それぞれの直線の長さが等しいほど,身分が高いのさ……。


  正三角形 〉二等辺三角形 〉直角三角形 〉ただの三角形


となっているのさ。残念なことに⋯⋯,おいらは⋯⋯,一番身分が低い,ただの三角形なんだ,ぐにゅ~ん。時々,おかしな言葉になっているが,実は,自動翻訳で君に分かる言葉に変換されているのがにゃほ⋯⋯。⋯⋯ん?,また,翻訳機の誤動作かな?。

 おいらの周りには,いろいろ仲間がいるよ。三角形だけでなく四角形や六角形,あっ!,あれは四十八角形(正四十八角形ではない)。それぞれの直線の長さが等しくなくても,あれだけ線があると身分は高くなるらしい。うらやましいな⋯⋯。でも,何故そう思うのかな?。身分が高くても二次元界では何も意味をなさないのに。

「・・・さきほどから,うるさいわね。」

ぎゃ,あれは『まる』!。

「おっほほほ,わらわは『円』。『三角形』ごとき愚民のそなたには・・・・・・。」

形をなす線が多いほど身分は高くなる。つまり,円が一番,偉いのさ。たまたま『円』として生まれただけなのに。本人の手柄でも何でもないのに。たまたま運が良かっただけなのに。いつもいつもいばりくさって,腹が立つ。

《《《チェンジ!》》》 突然,二次元界に謎の音声が響いた。

「・・・何ということ。わらわが愚民の三角形になって・・・,キーッ。」

いばりくさっていた『円』が,いつも馬鹿にしていた『三角形』になったようだ。ざまあみろ。おいらは⋯⋯,何と,『円』になっている!。⋯⋯どういうことですか?。⋯⋯おいらは⋯⋯俺様は⋯⋯元『三角形』の『円』であるぞ。者ども,頭が高い。⋯⋯ん?。


~終わり~

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ