エリーとの夜
夜になり僕たちは宿に入った。流石に同じ部屋はまずいので部屋を三つ借りた。二人ともお金を持ってなかったので僕が立て替えた。
まずいな。貯金がなくなりそうだ。ま、仲間ができたから魔物狩りに出たり、ギルドで仕事を探したりすればいいんだけど。
そんなことを考えていると、部屋の扉がコンコンと鳴った。
「どうぞ」
言うと扉が開き、向こう側から現れたのはエリーだった。
「どうしたの?」
エリーはその場で正座して頭を下げる。
「私はあなたの奴隷です。ご主人様。どうぞ好き勝手お使いください」
「いやいや待って」
そういうつもりで買ったんじゃないんだけど。たしかに可愛いけれども。
「どうしたんですか? ご主人様?」
頭を上げてエリーはきょとんとする。無実の罪とはいえ彼女は奴隷にされたのだ。奴隷がなんたるか教え込まれているのだろう。
「エリー、ちょっといい?」
僕はエリーに口づけした。
「僕のスキルはバフ。キスした人にバフをかけれるんだ」
エリーの首についている奴隷の勲章とも言ってもいい首輪を見る。
「今エリーにバフをかけた。今のエリーならその首輪を壊せるだろうから壊しちゃって。…エリー、君は奴隷じゃない。仲間だ」
「え? いいんですか?」
「うん、いつかババレント家襲撃の犯人を見つけて裁判をやり直そう」
「……はい!」
エリーは泣きながらも首輪を引きちぎる。
その後しばらく雑談をした後、エリーは自分の部屋に帰っていった。部屋に帰る直前彼女は色気のある笑みを浮かべて……
「さっきまでは身体だけだったけど心もあなたのものになりましたよ」
できるだけ頑張りますが、今日打ったコロナワクチンの副作用が出たら五話投稿できないかもしれません。申し訳ありません。