女の子
「へー。そうなん」
ワープは何食わぬ顔で答えた。
「怒らないのか? 他の三番隊の隊員は『よくもメグムさんを!』ってぶちぎれてたよ」
スノーが煽るように言う。
「そ。僕はなんも思わん。弱いから殺されただけやろ? それよりあんたらメグムとカンバラクンより強いんやろ? わくわくするわ」
「お前頭おかしいんじゃねェの。てかパラドの奴、倒されてんじゃん」
男がワープに敗北した女のほうを見る。
「二対一だぞ。ハンデをやろうか?」
言いながらスノーは拳銃を構える。
「いらんわ」
次の瞬間、ワープは消えた。パッと。まるで、最初からそこにいなかったみたいに。
「おい。イカレ女」
男が苦しみながらもなんとかつくったような笑みを浮かべる。
「ああ。身体が動かせない」
スノーも男と同じような表情で言う。
一方、ワープはスノーと男の背後に瞬間移動していた。獰猛な笑みを浮かべ、彼は後ろから男を蹴り飛ばす。
「さっきの赤毛もそうやけど、あんたからも同類のニオイがするわ」
言いながらワープはスノーの顔面を蹴り飛ばす。その時、スノーの身体が一瞬だけ動いた。だが防御することはできず、ワープの攻撃をノーガードでくらい、吹き飛ばされる。
「これで終わりちゃうよな?」
最初に蹴り飛ばされた男はワープの期待に応えることはできそうになかった。すでに気を失っていたのだ。
恐らくカンバラとの戦いのダメージが残っていたのだろう。
だがスノーは違う。彼女はゆっくりと立ち上がる。
「あんた、肌に縫い目とかあった?」
ワープが言うようにスノーの身体には先ほどまで縫い目があった。
「なかったよ。これは私のスキルだよ」
「へー。傷治せるんや。じゃあ何回殴っても大丈夫やな」
「顔はやめてくれよ。これでも女の子なんだから」
ワープは再び瞬間移動でスノーの背後に移動する。
彼がアクマから貰ったギフトは【相無見勝】。対象を動けなくするスキルだ。条件は対象の視界に入らず、対象を自らの視界に入れること。
今、ワープの視界にスノーは入っていて、反対にスノーの視界にはワープはいない。つまり、スノーは指の関節を折り曲げることすらできない状況なのだ。
ワープは背後からスノーに近づく。
「ほんまはな、このスキルあんま使いたないんや。だって使ったら絶対勝てるからズルしてるみたいやろ? でもこの件は魔王とか絡んでてこの世界の危機らしいから、確実に勝てる手段をとった。ごめんな」
「そうか」
スノーは言った同時に振り向いた。そして、拳銃でワープを撃つ。銃口から発射された弾丸はワープの身体を貫いた。
長い間休んでしまいすいません




