表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編完結】小学生で迷子になっている   作者: へますぽん
王都 十三歳〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

92/230

羊肉のスパイス煮込み

とろみのついたアツアツの煮込みは冷めることがない。

なにかの肉だろうけれど臭み消しに使うスパイスをふんだんに用いることでとても食べやすい筈。


「高級スパイスを惜しみなく使った羊肉の煮込みはご観覧の皆様にもお求めいただけます」

「エール、ワイン、牛乳など飲み物のご用意もございます」

会場にすかさずアナウンスが流れ、観客も興味津々で注文するが

それは食べやすいよう配慮されてて小振りのお椀で提供される。


牛乳っていう時点でお察しのように

「辛いっ!」

「あっついっ!」

悲鳴と咽せる音がテーブルの各所から上がっている。

アツアツおでん芸である。

ギャラリーの反応が良い。


口に入れると最初は甘い味付けと肉の旨味。続いて喉が焼けるような唐辛子の辛さ。からの舌がしびれるような山椒のような辛さ。そしてピリピリする生姜の風味。フルーツの香りと酸味。

多彩なスパイス使いである。

「旨い。汗が止まらないけど、美味しい」

ママカレーだった子どもがインドカレーデビューした日を思いだす。

噴き出すのは汗だけじゃなく、涙とか鼻水とか、誤魔化すように手巾で拭いまくる。


辛いものをアツアツで食べると刺激倍増。

水を飲んでもヒリヒリは治まらないから、後の食事を考えてがぶ飲みは控える。


顔を真っ赤にして、噴き出す汗が止まらず、舌を出しながら食べる姿に観客は大喜びだ。

挙句、汗を拭こうとこすった手についていた汁が眼に入って悶絶するものもお約束のように現われる。

椅子から崩れ落ち床で丸まって悶えている。身体張ってるなぁ。

いや、婦人部、見てないで眼を洗ってやりなよ。

いっしょに審査員席で食べているお兄さんやチャンピオン君も耳まで真っ赤になっている。


辛さと熱さに阻まれて最初の一人はなかなか出なかったけれど、10名を越えた辺りから接戦に成り、まとまって完食の合図をしたので

「じゃぁ、この中盤グループまでで!」

ざっくりした予選で26名が選抜された。


ステージに席が慌ただしく追加され、招待選手のわたし達含めて29名で本戦である。

ひな壇になっていて遠くからでも貪る姿が見えちゃうのだ。

しかもすごい色の服着ている。

なんていうか、恥ずかしい。

フレッド達がいなくてほんとうに良かった。


婦人部給仕部隊がつぎつぎにお盆のように大きなお皿を掲げて現れる。

フッシュアンドチップスが遠目にも分かるであろうほど、積んである。

大きな魚の切り身をフリッターにしたものとフレッドの親指のような太さに切った芋が

四十肩を悪くしそうなくらい大盛りだ。

わたしこの給仕のアルバイトのほうがしたかったなぁ。

運ぶだけで崩れそうなくらい盛ってある。


「食べきったらお替りをお持ちしますので手を上げてくださいね」

そして銅鑼が鳴り、一斉に皿に手が伸びる。

続きは明日の朝6時です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ