飢餓感1
移動の際、休憩するときに水分と干果実やナッツを摂っていたんだけれど
「これっぽっち口に入れても追いつかない!!」
このごろ腹が満たされない。
いつも空腹に苛まれるようになった。
なにか悪霊が憑いたのか、こちらにはそう言う現象があるのか。
不安でフレッドに尋ねたが爆笑の後、干し肉の袋を握らされた。
「ない」
以来、ポケットにパンを2、3個詰めて、膝で馬にしがみつきながら補うようになった。
ドイツパンみたいに重いパン。水分を少なくして捏ねるのでふんわりした食感はなくモグモグモグモグといつまでも口の中で噛み締める。食べるのに時間がかかるけど腹持ちがいい。
相変わらず小さくて軽量なので、走らせればわたしの馬が一番早い。
近隣のちょっとした取り寄せはわたしが引き受けている。
首都近郊の街道なので往来が多く、日中かつ寄り道などしなければ単騎で移動できる。
肉もフレッドと同じだけ食べるようになったのに、大きくならない。
少し肥えたかも知れないけど、周りのヒゲ達がデカイのでわからないのか。
六度目の誕生月(推定)が過ぎて
結局わたしはどこにいても、八百屋とかパン屋の食品店の場所とクリーニング屋と雑貨屋、医者が使える状態なら満足できるのだ。と分かった。
扱い品目が違っていても。
呆れるほどこだわらない。
仕方ないじゃん。違うところだし。
そうして漫然と日々を送ってしまうのだ。
せっかく魔法があるのに、
もっとこう、
わぁい、キラキラ!!…な感じのちいさい魔女の生活とか、あるんじゃないのか?
むさ苦しく、生活感と洗濯物に埋もれたまま貴重な十代をむざむざと過ごしていいのか。
カウチに寝そべり、目の前でぐるぐるドラム式で回転する洗濯液と衣類を眺める。
どこでも洗濯機。
上達した。
うん。すごく魔法!
とても便利。さすが魔法!
洗い上がりも素晴らしい。汚れ落ちサイコー!
……。
地味だ。
わたしはロブ達の庇護のもとにあり、こき使われても安全と収入が確保されて恵まれている。
いつもひもじいんだけど、食べるものも充分にある。
だから、ことさら野心的な振舞いをする気がない。
魔王を成敗するとか国を取るとか瘴気を鎮める聖女になるとか、ちいさい魔女の定番をなぞらない。
こうして市井で沈黙している余所者は、きっとわたしだけじゃないだろう?
あのとき捜索していた部隊はたくさんの娘さんを徴発したそうだから
時々野良の転生とか転移したものの棚卸ししているのか。
そういえばなんで若い女だけだったんだ?男とかオバちゃんは?
なんか引く。ヤバい。意図するところが不明だけど、ハーレムっぽくて気持ち悪い。
絶対捕まりたくない。
そもそも、要件をみたしてないのだけど。
お付き合いありがとうございます。
続きは明日の朝6時です
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