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【本編完結】小学生で迷子になっている   作者: へますぽん
王都 十三歳〜

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63/230

アスタは はたらきもの

9/7に初めて一日あたりのPVが1000を越えました(第60話:PV1077)。

PVの累計も9/10中に20000に達する見込みです。

ありがとうございます。

冒険者たるもの

「死ぬこと以外はかすり傷」くらいの豪放磊落っぷりを見せつけてやる。

っていう男前が多いらしいけど

アスタさんに関しては、取り繕えない。


もちろん最初は、新人で不慣れだから。誰にもミスはある。って誰もが庇った。


わたしも一昨日の朝はそう言った。

脚の傷で立ち回りが厳しいディックのお供をして二人で内勤の依頼を受けている。

街道の賊情報が紛失されているため、この一年のファイルを検める。

街道ごとの道路情報、盗賊被害などをまとめたもので商隊警護に行く前には必ず見る。

その綴られているファイルがわやくちゃになっているのだ。

賊が頻出すると分かっていたらディックは怪我を負わなかったかもしれない。

情報が共有されることでこれ以上の被害を軽減したい。



ディックをあまり歩かせたくないので、わたしが棚からファイルを届ける。

持ち込んだ机までファイルを抱えて何度も往復しているわたしに

ひょっこり現れたアスタさんが

「まあ。いい汗かいてますわね。しっかり励みなさいませ」

と上から目線の労いをする。

誰のせいで何をしていると思っているのか。と軽い苛立ちを覚える。

ファイルに綴じられている情報も、違う街道のものまでまとめて放り込んであるせいで

日付が進むにつれてコレはどの街道のファイルなのか分からなくなるほど混ぜこぜになっている。

ファイルの棚も時系列順の筈がランダムだし街道が混ざっているし、背表紙が見えていないし。って思ったら、傍らでせっせとアスタさんが混沌を醸している最中だった。

「アスタさん、この部屋出禁ですよね?マリアさーん。アスタさんが出たー!」

先輩職員に言いつける。

一昨日から何度かの攻防があり、この段取りになっている。

「違うのよ。わたくしはね、このファイルに関係があるから片付けだけでも手伝うつもりですのよ?」

やらかしたのはおまえだろ。とは言わない。


「いえ、被害のまとめが違うファイルに綴じられておりましたのよ」

って人ごとみたいに言うな。おまえだ。おまえが綴じたんだ。


「あと、コレ。ファイル棚にあったんですが」

昨日からナイと騒いでいたので差しだすと

「いやだわ。うそ。なんてこと。どうしてそんなところに?」

置いたのがおまえだから、だろう。なんで棚に置いたかまでは知らんがな。

確認する前に人を嘘つき呼ばわりするな。

指輪なんか盗まん。

なんか自分の中でブチ切れる音がする。


「いやだわ。嘘つきの盗っ人呼ばわりされましたわ。ひどぉーい」

わたしも口を両手で覆うアスタのお得意ブリブリポーズで対抗する。


謝罪がないのは令嬢だからか?

でも。だって。いいえ。いつだって否定で会話をするのは何でだ?

目をうるうるさせてカワイイお顔を作っても、本当に可愛いのは10代前半のちっちゃいわたしだ。焦げたアンパンみたいな丸いほっぺにかなうと思っているなら図々しい。


「アスタさん大人なのにすぐ泣くー」

だめだよ。わたしと年変わらないんだから、容赦しないよ。


本当はね、指示の出し方とか作業の仕方を改善すれば彼女だけでなく皆も働きやすくなる、らしい。

でもココはわたしのオフィスじゃないし、彼女はわたしの部下でもない。

その面倒を見るつもりがない。


「アルに拠点変更するように言うか?」

ウンザリとファイルから違う地域情報をつまみ出しながらディックが問う。

「そういうパーティー増えたらしいですね」

彼女をきるにはあまりに些細なことばかりなのだ。ただ、そんなことでも積もり積もってギルドを出て行く人が増えているとこの資料室で聞いた。



今日の作業を済ませてギルドの建物を出ると、アスタさんがふくれている。

「遅ぉーい。わたくしずっと待っていてよ?」

二人で顔を見合わせて

「いつ何か約束してましたか?」

「まぁ。依頼の打ち合わせのために兄が王都に来てますのよ」

お付き合いありがとうございます

続きは明日の朝6時です

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