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【本編完結】小学生で迷子になっている   作者: へますぽん
地方都市イルワにて 八歳〜

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商隊警護 見習い9

取り残された坑夫の潜んでいた坑道から5分ほど離れた場所が崩落のきっかけになった場所だった。

足音も殺して静かに展開してゆく。

カンテラが三度明滅して開始の合図が送られた。


坑道より広く、講堂くらいの広さに掘り広げられている場所は深さもあったようだが

天井を支える柱を失い崩れた土砂で埋まっている。

ブーツの足元が沈むのも構わず目当ての穴に向かう。

「前日まで通っても掘っても平気だったんだろう?なんで?」

と問うフレッドさん。

「それは本人に聞いてみたらどうだ?」

ロブさんはそう言って穴の中に拳ほどもある駆除薬を3つ投げ込んだ。

あたりは点けられるだけの照明で照らされて、足場の悪さがよくわかる。

「ほら。その穴にも」

向こうでカイさんが崩れた土砂に開いた別の穴に投げ込みながら、わたしとフレッドさんの足元を指す。


少し離れたところでグシャン!という衝撃音がして

見ればディックさんが穴から長く伸び出してきたものに剣を打ちつけている。

「よそ見するな、テオ。汁飛ばしてくるからな。かからないようにしとけ」


ちょっと正視したくないものが穴から上がってくる。

一対の鎌のような大きな顎とえげつない牙のある頭と人の胴より太い節が連なる胴の両脇に掌ほどの毛羽?脚?がワサワサ生えている。長い。

ワームって白くて丸いハリネズミのオヤツのことだと思っていたんだが?

グリーシーな灰褐色の体色をカンテラの灯りが染める。


「顎強いから、噛まれるな」

吐かれる汁を避けながら剣を構えるフレッドさんが叫ぶ。

わたしは持たされた牛刀より大きな短剣を握りしめているのが精一杯だ。


胴より大きく開く顎の前に球状の結界を出す。

口に入ったタイミングで砕かれないように大きく膨らませる。

吐くことも呑むこともできない球に苛立って悶える。

釣り餌のワームより激しく動く。アレも噛むけど規模が違いすぎる。


口を塞がれて、汁を吐けなくなったので

フレッドさんがそばに駆け寄り胴を袈裟懸けに斬る。

斬ってもビタンビタンと変わらずのたうち回っている。


カイさんも距離をとっては切りつけていたので、ワームの口を塞ぐ。

フレッドさんはまた駆除薬を新たな穴にボロボロ放り込んで次のワームを誘き寄せている。

視界に入ったアルさんのワームの口も塞ぐ。

フレッドさんの前に現れたワームの口も塞ぐ。

ディックさんが別の穴のワームをしばいているのでその口も塞ぐ。

「テオ!俺のも!」

背後からロブさんの声がして、振り返る。

装備がなんだかベトベトになっているロブさんとだいぶ穴から長く出て体を振って暴れているワーム。

逃げ腰でワームの前に結界を放る。大顎が開き、砕く前に口の中へ移し膨らませる。

いよいよ頭を大きく振るい暴れるワームの懐にロブさんが飛び込み、穴の際から切断した。

「テオ!出てきた!」

カイさんがさっきの穴とは違うワームを指して、おかわりを求める。

「こっちも」

ディックさんが珍しく声をかけてくる。

土塊と岩と砂に足を取られながら、長く伸びて向かってくる大顎に結界を放る。



穴から長く伸びるチンアナゴは眺めて楽しいのに。

向こうまで見渡すと、上から襲いかかる大顎と吐きかける汁と振りかざす剣とおっさんがゾロゾロ。

怖くてたまらない。

涙目でも、とにかく視界に入る全ての大顎を塞ぐ。

お付き合いありがとうございます

続きは明日の朝6時です

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