商隊警護 見習い2
「みじん切りも火だるまも推奨しない。とばっちりで荷馬車を損傷すると賊を排してもその後の日程がこなせなくなる」
フレッドさんがわたしのいろいろベトベトな半泣きの顔にタオルを当てながらいう。
「フレッドは過保護だろ」
見習いの名目で同道させてもらう説明を受けているのに、ずっとウロウロおろおろと付き添われていた。
ただ、実際囲まれて結界を叩かれた時は恐ろしくて暴走しかけたので、正しく予見していたとも言える。
ビジネス強面。遠目に見てヤバいから襲撃で止めよう。
って賊に思わせる世紀末救世主伝説みたいなデカいマッチョに囲まれてボカスカ岩や剣を当てられて心安らかなヒトもいないだろう?
「泣く、普通。チビってないのを褒めて」
タオルで顔を拭かれて恥ずかしい。
「テオは、うちの弟の小さい時のこと思い出す。弟はもっとちがう感じのポンコツで」
「フレッドの弟ってアレ?グリズリーっぽい」
「は?うちのはテオくらいの時、他の子よりも小さくて、朝寝ぼけて服が着れないって泣いてた。見たら上衣の袖に足がつっかえて身動き出来なくなってんだけど、だいたいいつも裏表前後も全部間違えてた」
「ベン、面白かったよな。お前んとこの犬が鳥取ってきて、ベンが取ってきたトンボ5匹と両方家の中に放してたら、まとめて母ちゃんに叱られてたな」
それは弟愛を語っているの?
わたしはそんな愛情をふんだんに傾けられてきたらしい。
街のカフェで本当にパフェを食べさせてもらいながら、襲撃を受けたときの対応を聞く。
そもそも輸送方法が魔法なのが危険だという。
魔法で収納しているから、大荷物も見せないで運べる。
デカいトレーラーが列を成して進めば耳目を集めるけど
バッグの中に隠していれば密輸しているかすら分からない。
人ひとり簀巻きにして拐かしたら、大量の戦略物資が得られる。
鴨がネギ背負っている。
ダミーも立てるし荷物も分散もするけれど、狙われやすい。
殺伐とする訳だ。
「あと、警護対象に裏切られるまでアリって考えとけ」
「テオ。やっぱりクマ討伐にするか?」
これが甘やかしらしい。分からんな。
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