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【本編完結】小学生で迷子になっている   作者: へますぽん
地方都市イルワにて 八歳〜

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初めての遠出8

午後の遅い時間にはダミニに着いた。

宿に預けた荷物も回収に行く。


カウンターでシロヒゲオオトカゲの採取依頼を手に

「捕れたので受注する。今回は特別な状態なので解体前に確認して欲しい」

もったいぶったことを言う。

フレッドさんとわたしで受注する。毒腺を届けたら完了する。ギルドカードを渡し記録される。

「無傷の完品のシロヒゲオオトカゲだ。」

もう一頭は齧られてるけどな。

「インセンティブが付くならここで売っても良い。

傷のあるほうは解体してほしい。毒腺以外は革も肉も爪も牙も買い取り」

「待って。フレッドさん。わたし牙欲しいです。初めての獲物の記念に1つ貰いたいです」

「毒腺と牙以外、買取で」


詳細は現物を見てからと職員と解体場所に回る。



「劣化を避けるため解体したら直ちに届けに行く。開封しますね」

フレッドさんが言うので結界を解くと氷温で保管していたトカゲから白い影がゆらめいて落ちる。部屋がぬるいのだ。

「この咬み傷があるほうを解体。毒腺優先で。剥いだら直ぐください。

こちらはどうしますか?好事家に売ってもいいかと迷っています

傷むので、完品だけはまた包みなおしますね」

氷温で結界する。

「…ウチだと相場で買い取りですね。珍しいものですが生息地に近いので値がつきません。欲しい部位だけ調達に出てしまうのです。残念ながら王都までこんな大きいものを生でこの季節に運ぶリスクも大きいですし運賃が嵩みます」



牙と毒腺を小さな瓶に入れて渡してくれた。割れないように小さく結界を張って氷温を保たせる。咬み傷の個体は革は腹、脚や尾に傷があるので評価が低かった。

肉は個体が160kgあったので内臓や皮を剥いでも十分な量があったらしい。

毒腺を受け取るなり私たちは出発したので、後日送付された明細をみた。


職員さんに標本として欲しがりそうな頻繁に依頼を出している顧客を教えてもらい毒腺を届けたら王都までさらに配送に行くことにした。

手早く手入れしてもらった馬に鞍を乗せ、街を出発する。

内臓なので傷むのだ。

「んんー。フレッドさん、塩蔵とか乾燥とか冷凍させちゃダメ?」

「わからないな。保管の魔法は使える?」


あれか。時間の止まるマジックバッグ的な?どうだろう。できるだろうか。

トカゲのこの状態が保たれるように念じながらしまう。

「腐っていませんように」

日没までのわずか数時間速歩を入れながら距離を稼ぐ。


薄暗がりのなか馬の休めそうなところを野営地に決める。鞍を外し、汗を拭い水を用意する。

テントも張らないで、ランタンを灯し買った軽食を取り出し座りこんで食べる。

「今日もおつかれさまです」

「昨日休んで本当に良かったな。トカゲを獲りに山登りしてからまた急送」

「トイレ済ましたら声かけてください、結界張ります。わたしも顔洗ってきます」

フレッドさんが馬鹿疑惑。どうにも晴れないんだけど。


漁師さんが釣ったマグロを首都まで出荷しに行くのか?

いや待て。近郊農業なら取れたトマトを太田市場まで軽トラでってあるか。

でも数日かけて届けるより本職を極めるよな。


未明から山登りして仕留めたのを日暮れまで届けに走るって、ブラックか馬鹿の2択だろ。


「テオ?寝るぞ」

日の入りから未明まで眠れば8時間睡眠が確保できる。結界の中で泥のように眠りを貪る。


毒腺は経由地が無いため行きよりも早く移動することができた。

生で届けたことが大事だったらしい。塩蔵でも乾燥でも冷凍でも効果が落ちる。

奇跡的に腐敗もしていない。と、とても喜ばれ、また是非と両手を取られた。日付とサインの入った受領書を受け取る。

そしてそそくさと処理する為に家の奥に消えてゆかれた。傷む前に使って欲しい。


早足でフレッドさんはギルドで完了報告を出し、王都に届けるものを2つピックアップした。

わたしは慌ただしくオーバンさんの店で保存のきく食べ物を買い足し王都名物も教わる。市場で果物と軽食も買い足す。しばらく食事を作っていない。

街の入り口で合流して王都を目指す。

内臓入りの骸なのでパーシャルで保存しても劣化の不安が残る。王都まで状態が保っていることを祈りながら馬を歩ませる。

毎日牧場に通い馬に乗っていたけれど、数時間だ。

毎日10時間乗るのと訳が違う。さすがに上達したと思うが速歩までしか乗っていない。

その上、速歩の時は馬に指示出してない。フレッドさんに続け。なのだ。

駈歩とかすることになったらどうしよう。


いつものように進めるだけ進んで日暮れと共に道端で倒れるように寝る。ギリギリ馬の世話だけしている。サマーキャンプの域を超えてホームレス寄りじゃない?

「馬がちゃんと休めればそれで良いし。今日は食堂のデリのテイクアウトですし。まだ大丈夫なはず」

自分に言いきかせる。

「テオ。寝るぞ」

あわてて顔を洗い口を濯いで戻る。風呂に入らないとな。馬と泊まっているから全身から野趣が溢れすぎってオーバンさんビックリしてた。

野生化してるってこと?冒険者らしいって喜んで良いの?クサいってことなの?


最速のルートを馬の休みだけ確保して未明から日暮れまで進めて王都までの旅程を短縮した。

子どもにさせる無理ではないだろう。わたしは遊牧民一年生だ。

唯々腐敗だけを恐れて前へ進む。

お付き合いありがとうございます

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