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【本編完結】小学生で迷子になっている   作者: へますぽん
番外編

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207/230

幌つき軽トラックとかワンボックスカーで高速道路はコワイ

口をとって曳いている馬の足元にも気を回しながら

浮いた石や勾配の厳しい尾根を越えたり、上がったり下がったりしながら

砦の町へ戻ってゆく。


フレッドやロブに比べれば、分厚さに欠ける体型であるのに

強力さんのような荷を背にしたノルの歩みはぶれない。

ビアガーデンのウエイトレスの腕は細いのにジョッキ束で運んでいたのを思い出す。

太さで運ぶものではないらしい?


そうは言っても馬一頭が進めるほどしかない細い山道は険しくてのろのろ進む商隊が

山肌を這う交易路最大の難所『月見の(うてな)』にさしかかる。

満ち欠け(道欠け)に臨むって誰が上手いこと言えと。。。


いつのまにか美しい名前がついているが足場が悪いのは変わらない。

だじゃれを言っている余裕があるなら、技師を招け。

悪態は心の中でつくことにして、しょぼい足場を出現させる。

ほんとうにU字溝をだすことしかできなくて、切ない。

もっと、こう、格好良く舗装された道を出せれば、どれほど有益で尊敬されることか。

みんなを、馬まで、がに股でよちよち渡らせる不細工な仕事しかできない。

数mの辛抱だから、みなとりあえず渡れるから。と背に腹はかえられんしって堪えてくれているけれど。


ヘボい自分の魔法に顔を顰めながら3本の溝のうしろで控えている。

先頭の商人からゆっくりと悪い足元に注意しながら順番に崩落した道の上を渡る。

帰りは仕入れた荷物が多く、馬のようすをうかがいながら溝の中を歩くのでけつまずきそうだ。


崩落した谷側からは風が吹き上げてくる。


欲張りな荷を担ぐノルは重心が高くなっているので風に煽られやすい。

かさばっている荷が風を受けると、平均台を歩くような状態のノルの身体もさすがにぶれる。


「やっぱり、アレは危険じゃ?」

フレッドを見ながら訊ねる。

「尾根の風はこらえてたから、いけるかと思ったんだよ」

踏ん張る足場がないからなー。

テオ助けにいけよ。そう言いかけてきたときには、もう。

溝の隙間を抜けてふきあげる風が背中の大荷物ごと彼をぐらりともちあげた。


それでも、前を行くみなが渡った溝なんだ。

ノルだけが?


重心が高く帆のように大きく風を受けるとわずかに持ち上がる彼は

溝から脱落した。


それほど深く道が欠けているわけではないし

崩落した土がグズグズになっていて足がめりこむから通れない状態だから

上から土砂にめり込んでいるノルが確認できる。

降りたら一緒にめり込んでズブズブになるから、助けにくいだけだ。

「あぁ。でも。。。石や倒木が混ざっているから、当たり所が悪かったら。。。」

「刺さっているかもしれないしなあ」

柔らかめの土砂といっても急所に刺さる危険物が混ざっているのだ。

動揺で半泣きっていうか滂沱。

「テオ。落ち着け。まず、馬はおれが預かる。おまえは下に降りられるだろう?」

フレッドはわたしの外套をたたいて、木馬、ブケパロスを出すように促す。


それから先に渡った商隊員たちには、すぐに回収して追いつくから進むように声をかけていた。

いつも評価やブックマーク、いいねをありがとうございます。

はげみになっています。


応援をうけながら

心苦しいのですが、また引っ越し?というか帰還?するので

今週は、取るもの手につかずリラコのほつれを綴ったりしております(うそ)

来週も買換え物品があるので不在がちになりそうなので

更新が遅れそうです。ごめんなさい。

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