表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【本編完結】小学生で迷子になっている   作者: へますぽん
番外編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

206/230

エサを水中でふやかすばかりな気がするんだよ

「ノルの村にはどんな魚がいたの?」

アリゲーターガーみたいな歯の鋭いヤツとか

パロットフィッシュみたいなサンゴをスナック菓子のようにかじる丈夫な嘴のヤツとか

ウツボみたいなかわいこちゃんとか?


このあいだの釣りではせいぜい両手に載る程度大きさの牙や棘のない

味がいいだけの魚しかいなかった。

小さい頃フレッドと行ったおとり釣りとはまったく違う優雅なものだ。

「ノルは釣り好き?」


返事がないのでさらに重ねて問うた。


「水辺は危険だから子どもは近寄らないかな。水中に引き込まれる」


ワニでもでるんだろうか?

カッパ?

セイレーンも水辺の魔物だな。

沼にでる白い女の幽霊とか。

底なし沼って水たまりに似てるらしいから、それか?


「あー。わたしも何度か池に頭から落ちたことある。危ないよね」


ノルが顔を強ばらせる横で、フレッドが噴き出す。


「おぉ。それでテオ泳げるようになったんだな。投げ込んでからこいつ泳げたっけ?ってあのときちょっと焦ったんだよ」

焦ったのは、ちょっとだけか?

あのときの怒りが蘇る。

「フレッドったら酷すぎる。幼い子どもになんてことするんだか。しかもあの湖の魚はデカすぎだし!!」


フレッドもカイも現地では定番悪戯なのでその件についてあまり反省の色がない。

キャンキャン叫ぶ飼い主(しもべ)を見守る雄ネコみたいなカオを向けてくる。


「今回の釣りであんなの出なくてほんとうに良かった!またエサに使われたら今度こそ暴れるからっ」

「んんー?そんなのがいたら寧ろ人気殺到しちゃうだろ。あそこはもう獲り尽くした場所だからな」

かつては立派な個体がいたらしい。わたし達がとったパーチみたいなの。

話題や興味のハンティングで狩り尽くされたらしい。

そりゃ、クルーザーで大きなカジキを釣り上げた写真UPするタレントとか居たから

こんなリゾート地でも大物を獲ったら名前がうれるだろう。

幻の巨大魚などと銘打って釣り大会などすれば集客になったかもしれないし。


「じゃあ、ワニカメみたいな凶悪生物もいない?」

「居たら討伐して名を上げたいヤツがシャシャリでるからな。そんで獲物を野次馬の見世物にして稼ぐだろ」

悪趣味だが安全安心につながってゆく不思議さよ。


楽園だったなー。

ちんたらと商隊の最後尾でなごりを惜しむ。

評価とブックマーク、いいねでの応援をありがとうございます。

毎日マメやシャンプーや輪ゴムを探してばかりで厭になる気持ちを支えてもらっています。


かたづけたってもうじき戻っちゃうんでしょ?という言葉で萎える気持ち。

仮住まいの整頓は放棄したし。


修繕の終わった家に帰ったところで、また収納しなくちゃいけないし。


ふて寝がとまらない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ