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【本編完結】小学生で迷子になっている   作者: へますぽん
番外編

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刺繍のハンカチ

評価とブックマーク、いいねの応援をありがとうございます。

とても励みになっています

そこらのネコでもサルでも、山羊なんかでも出来ること


そう言ったのは誰だったか。


あちこちで障害物走を求められて、菓子の差し入れを受けたり

訪問先のメイドが頬を染めて縫取りの手巾を差し出してきたりするので

臨時雇いのくせに生意気だと反発があった。

そして、そこらのネコでもサルでも、山羊なんかでも出来ることでいい気になって、と嘲られた。


オリバーもなんだかやってることが牧羊犬みたいだと思っていたので

それ以来人前で跳ぶのは遠慮したかった。


もちろん使用人なので、跳ぶのも仕事。と言われれば

風変わりな業務だとこなしていた。


今回もゴードンが

ここで塀を跳ぶのもこのキャラバンの業務の一部なのだと予め言い含めていたので従った。

それにここで跳んでも意地悪を仕掛けてくるような朋輩がいない。

先輩も一緒に跳んでるのも良い。

楽しかった。

でも、町に戻ってからまた、と乞われるのはイヤだった。

誰が意地悪を仕掛けてくるのかオリバーには見当もつかないからだ。


「ひと様に披露するほどのものではないので。遊びですよ」

俯いてかぶりを振って、更に言いかけてくるのを断る。


「おーい。テオ。匿ってくれ」

ゴードンは地雷たるわたしのもとにオリバーを連れてきた。

わたしが前回の商隊のときブチ切れて、以来同道お断りの原因になったことは

今回の商隊メンバー全員に周知されている。

お触り厳禁。

声もかけるな。

近寄るな。

という状態なので、逃げこんできたらしい。


「せっかくイベントに呼ばれたのに、いいの?

王都の商店街でやったらいい報酬貰えるよ?」


青年部に紹介したら、菓子折くらい貰えそうなんだが。


「性分にあわないので。ほんとうにムリ」


「そこらのネコでもサルでも、山羊なんかでも出来ること。っていうけど

そのネコ畜生に出来ることがわたしには出来ないのよ。

それを言ったろくでなしは、サルでもできるようなことすら出来なかったでしょう?

やっかみを真に受けなくていいんだよ?

わたしの先日の功績はね、国境を越える為の書類を作らせたことだよ。

けっこう費用がかかるんだけど、それを六人分商店街の青年部の催しに出る報酬として作ってもらったの。

わたしは『催しでご飯食べるだけ』の仕事だった。誰でも食べないと生きていけない。

そのご飯食べるだけのお仕事で、報酬を得たよ。

カイもロブもみんなも褒めてくれたわ。

大丈夫だよ。オリバーの障害物走はもっと価値があるよ」


「何を食べたら報酬が出たの?」


「ピリピリボロネーゼ山盛りだったかなぁ。なんか辛くて熱かった」


「それは美味しかった?」


「うん。肉の旨味がたっぷり。こってりしてるけどスパイシーでフォークが止まらない。オリバーも来年出る?」

食べ過ぎてサイズアップするから引退したいんだよ。

一日で3キロ太るってどうなの?

譲るよ?

オリバーはふるふると頭を振る。前髪がぱっぱっとその都度ひるがえる。

ネコじゃないので前足をださないが、ちょっと誘っているんじゃないか?


先日、ランキングに入ったとき

とても嬉しかったのでしばらく自粛していた唐揚を解禁しました。

久しぶりの唐揚はたいへん美味しく思いのほか食べてしまいました。


食後ほどなくして胸のつかえが止まなくなり、この苦しさとか切ない感じは…?

はっ!これがっ!!


そのあとはらわたがねじれるような痛みに涙をこぼしながら身をよじり床を転げ回っていました。


教訓:お祝いは程々に。

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