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新しい仲間


鉄鋼甲虫アイアンビートルが仲間になりました。】

【蟲生成によるレッサービートルの生成が可能になりました。】


鉄鋼甲虫アイアンビートルを仲間にすることができた』


俺は【念話】を使用して仲間たちに、目の前の鉄鋼甲虫アイアンビートルが仲間になったことを伝える。仲間たちはそれにより警戒心を解く。どうやらちゃんと伝わったらしい。


ソフィアが話してくれたこの辺の虫モンスターの強さによると鉄鋼甲虫アイアンビートルは俺よりは若干弱いか同じくらいだったはず。なのでジャイアントアントよりははるかに強いはずだ。それなりの戦力が増えただろう。俺は鉄鋼甲虫アイアンビートルが仲間になった心強さを感じながらそのまま探索を続ける。


しばらく歩いているとソフィアから念話があった。


『カヤイさん、あちらの方にゴブリン達がいます。』


ソフィアが指をさす方向を見るとゴブリンが3体ほどいた。ちょうどいい、早速新しく仲間になった鉄鋼甲虫アイアンビートルの強さを見るとしよう。


俺は念話を使用して仲間たちにゴブリン達を倒せと命じる。仲間たちはゴブリン達に向かって進んでいった。


「ギィ」

「グギャァ」

「グギィ」


ゴブリン達はこちらに気づくと戦闘態勢に入り、威嚇するように声をあげる。敵ゴブリン3体に対してこちらの戦力ははレッサーアントが5体と鉄鋼甲虫アイアンビートルが1体。俺はソフィアを守るために今回戦闘に参加しないでおく。さて新しく入った鉄鋼甲虫アイアンビートルはどのくらい強いのだろうか・・・しっかりと観察しておこう。


先にゴブリン達が仕掛けてきた。一番体の大きい鉄鋼甲虫アイアンビートルが強敵だと考えたようだ。体の小さいレッサーアント達には目もくれず三体それぞれが手にしていた木のこん棒や槍などで鉄鋼甲虫アイアンビートルに襲い掛かる。


ゴンッ、ガツン、ゴゴンッ


ゴブリン達の武器が鉄鋼甲虫アイアンビートルの甲殻に思いっきり叩きつけられる。しかしそれでは鉄鋼甲虫アイアンビートルの鉄のような甲殻には傷がつかないようで、まったく平気そうだった。そしてゴブリン達がは攻撃が効かず動揺しているようだった。鉄鋼甲虫アイアンビートルはその隙を逃さずその大きな角を使って一番近くのゴブリンをつかみ、横に投げ飛ばす。


「グギャァ!」


ゴブリンは数メートルほど飛ばされて地面に叩きつけられ体勢を大きく崩す。そしてここぞとばかりにレッサーアントたちがそのゴブリン群がりその顎を突き立てる。


「グギィイッ!」


1体ならまだしも5体のレッサーアントに同時に襲われ、ゴブリンはたまらず悲鳴を上げる。しかしそれでもレッサーアントたちの攻撃は止まらない。アントたちの顎攻撃によりゴブリンはすぐに動かなくなった。


それを見て他のゴブリン達は分が悪いと判断したのだろう。すぐに背を向けて逃げ出そうとする。俺は舌うちする。しまった、ゴブリン達がそのまま逃げだすと前のように仲間を連れて集団で戻ってくるかもしれない。今は大群と戦って仲間の数を減らすようなことは避けたい。俺はソフィアを置いてゴブリンを追いかけるべきだろうか?しかし万が一、その間に他のモンスターが現れてソフィアが襲われたらまずい。

どうしようか迷っていると鉄鋼甲虫アイアンビートルが先に動いた。


鉄鋼甲虫アイアンビートルは逃げ出すゴブリン達に対して頭を突き出して構えると羽を広げ、激しく羽ばたきはじめる、そしてそのまま勢いよく飛び出してゴブリン達に突進した。


「グギァア!」

「グッギィギィ!」


ゴブリン達は鉄鋼甲虫アイアンビートルによる体当たりを受けて勢いよく弾き飛ばされる。


かなり勢いよくぶつかったようで痛そうにゴブリン達はうずくまる。そしてまたもやその隙にレッサーアント達がゴブリン達に群がり顎攻撃をしかける。ゴブリン達はそのまま抵抗する間もなく絶命した。どうやら戦いは終わったようだ。鉄鋼甲虫アイアンビートルが1体いるのといないのでは戦闘が全然違ってくるな。もしレッサーアントだけだったらこうはいかないだろう。そう考えていると頭の中でアナウンスが流れた。


【レベルが7から8に上がりました。】

【スキル 生成蟲強化 を取得しました。】


俺は戦っていないのにレベルが上がった?なぜだろう。疑問に思い【念話】でソフィアに質問をしてみる。


『ソフィア、俺はゴブリンを倒していないのにレベルが上がったんだ。なぜだ?』


ソフィアは念話を使って答える。


『それは、おそらくゴブリンをレッサーアントたちが倒したからだとおもいます。レッサーアントたちのように生み出されたモンスターはレベルなどがありません。そしてそういったモンスターが敵を倒すと生み出した主人のもとに経験値がいくそうです。蟲人のほかにも、例えばネクロマンサーなどのモンスターを生み出して戦わせる人がいるんですよ。』


なるほど、そうだったのか。また一つ勉強になったな。そう思いながら俺はステータス画面を見る。


名前:カヤイ

種族:蟲人(幼体)

体力:34/34

魔力:31/31

レベル:8

スキル:虫モンスターテイム、自己修復、蟲生成、生命力譲渡、念話、生成蟲強化(new!)


この生成蟲強化という新しいスキルをおれはとりあえず使ってみる。

するとステータス画面の時のように頭の中で文字が見える。


強化可能生成蟲

・レッサーアント (消費魔力10) ×5


どうやら【生成蟲強化】はその名の通り、生成した蟲を強化するスキルのようだ。おれは早速、近くにいたレッサーアント1体に対してスキルを使用してみる。すると対象となったレッサーアントの姿が見る見るうちに変わっていき、そして最後にはジャイアントアントの姿になった。


仲間の数

レッサーアント×4

ジャイアントアント×1

鉄鋼甲虫アイアンビートル×1


これはまた戦力を上げるのに有効そうなスキルだ。

おれは内心ガッツポーズをとり、一人で微笑んだ。


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