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転生7日目

転生7日目。目が覚めるともう朝だった。周囲を素早く見渡す。隣ではソフィアが寝袋にくるまって寝ていおり、少し離れたところではアリやキャタピラーたちが拠点作りに励んでいた。どうやら夜の間に特にモンスターによる襲撃はなかったようだ。よかった。


俺は体を起こして仲間たちが作り上げてくれた壁や屋根を観察する。夜通し彼らが頑張ってくれたおかげでかなり高さを増し、すでに3メートルぐらいはある。ただ高いだけでなく多くの木の枝や棒が幾度となく編み込まれるように重ねられてキャタピラーの粘着性の糸によってつなげられた壁はかなり頑丈そうだ。試しに俺が多少の力を込めて押してもびくともしなかった。これなら多少のことでは壊れず壁としてのしっかり役割を果たしてくれそうだ。


俺は次にステータスを確認する。


名前:カヤイ

種族:蟲人(幼体)

体力:30/30

魔力:27/27

レベル:7

スキル:虫モンスターテイム、自己修復、蟲生成、生命力譲渡、念話


魔力が回復しているのを確認し、いつものように【蟲生成】によってレッサーアントを2体、レッサーキャタピラーを1体生み出す。


仲間の数

ジャイアントアント×2 (1体負傷)

レッサーアント×7   (1体負傷)

レッサーキャタピラー×5


これで新たに仲間が3加わり全体の数は14体。しかし負傷している仲間もおり、仲間のほとんどが弱いレッサー達のためあまり安心はできない。もっと数を増やさなければ。数も欲しいがそろそろ他の種類の虫モンスターを生み出せるようにしたいな。そう考えつつ俺は仲間たちを集め交代で朝食をとるように伝える。


朝食が終わるとアリたちは再び拠点作りに励んだ。おれはソフィアに【念話】で話しかける。


『ソフィア、俺は虫モンスターを仲間にすることができるスキルを持っている。それを使って仲間を増やしたいんだがこの森にいる虫モンスターについて知っていれば何か教えてくれ』


ソフィアも【念話】を使用して返事をしてくれる。


『なるほど、カヤイさんは蟲人ですもんね。ええと、私が知っている限りではこの辺りには11種類の虫モンスターがいます。』


結構種類があるんだな。

続けて彼女はこの森に生息する虫モンスターについて教えてくれる。


・グリーンキャタピラー

・アシッドワーム

・ジャイアントアント

・ファイアアント

鉄鋼甲虫アイアンビートル

・キラービー

・弾丸バッタ

・グレートモス

・人食いマンティス

・鬼カミキリ



ふむ、割といろんな種類の虫モンスターがいたのか。これは期待が大きくなる。それにもしかしたらこれら以外にも虫モンスターがいるかもしれない。


おれは教えてもらたモンスターについてそれぞれの特徴や強さなどを聞く。どうやら個々の戦闘力でいうと先に言ったモンスター、グリーンキャタピラーが一番弱く、最後に言ったモンスター、鬼カミキリが一番強いそうだ。鬼カミキリはとても気性が荒く、特に番が揃っている繁殖前の時が一番凶暴でその時はあのジャイアントリザードにすら倒してしまうほどらしい。これは全体的に戦闘力が低いとされる虫系統モンスターのなかではかなり珍しいらしく、ひどく興奮した様子で説明してくれた。研究者だな。


しかし名前や大まかな強さなどはわかっているが細かな生息場所についてまだまだ解明途中らしく、詳しいことはわからないらしい。探そうと思って見つけるのは難しいようだ。


それならばとりあえず、今日は拠点の守りを固めることもかねて建設中の拠点のごく周辺のみを探索することにしよう。おれは仲間たちを集め、レッサーアント5体を選んで周辺の探索を始めた。


ちなみにおそらくだが俺の強さはというと大体鉄鋼甲虫とキラービーの中間ではないかということだ。もし自分より強い虫モンスターにあったとき、相手を仲間にできなければやられてしまう。ソフィアを守る必要がある今、もしキラービー以上のモンスターに出会ったら逃げるようと決めていた。


しばらく周辺を探索していると前の方から音が聞こえる。俺たちは歩く速度を落とし、警戒しながら近づく。


するとそこにいたのは全身が鉄で覆われたような重量感のある巨大なカブトムシだった。


『あれが鉄鋼甲虫アイアンビートルです。』


ソフィアが【念話】によって目の前にいる虫モンスターの名前を教えてくれる。


あれが鉄鋼甲虫アイアンビートルか。おれはその様子を観察する。どうやら今は食事中のようで地面に落ちている果物をむしゃむしゃと食べており、こちらにはまだ気づいていない様子だ。


俺はゆっくりと木陰から姿をあらわし鉄鋼甲虫アイアンビートルまで近づく。すると相手もこちらに気づいたようだ。食事を中断しこちらを向く。俺は鉄鋼甲虫アイアンビートルの目をしっかりと見つめ【念話】を使用して今から触覚を触れさせることを伝える。


すると相手が触覚をこちらに突き出してきたのでそれに合わせて俺も頭を突き出すようにして触覚を触れさせる。お互いに触覚を通してコミュニケーションをとること十数秒、相手から仲間になる意志が伝わってくる。そして久々に頭の中にアナウンスが流れた。



鉄鋼甲虫アイアンビートルが仲間になりました。】


【蟲生成によるレッサービートルの生成が可能になりました。】


よし、成功だ。俺は思わずガッツポーズをとる。


こうして今日はあっさりと新しい仲間を得ることができ、スキルで生成できる蟲の種類を増やすことができた。


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