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転生6日目

転生6日目。仲間によって起こされて目が覚める。まだ辺りは薄暗く、夜明け前のようだ。

とりあえずステータス画面をみてみる。


名前:カヤイ

種族:蟲人(幼体)

体力:30/30

魔力:27/27

レベル:7

スキル:虫モンスターテイム、自己修復、蟲生成、生命力譲渡、念話


ステータスを見てみると体力、魔力共に全回復しているようだった。俺はとりあえずスキル【蟲生成】により2体のレッサーアントと1体のレッサーキャタピラーを生成する。これによって5体にまで減った仲間が8体に増えた。少しだけ心細さが和らぐ。


仲間の数

ジャイアントアント×2 (1体負傷)

レッサーアント×5   (1体負傷)

レッサーキャタピラー×1


とりあえず洞窟に戻って落としてきた食べ物やソフィアの荷物などを取りに行かなくては。


俺は【念話】を通して仲間たちに声をかけ、全員で洞窟へゆっくりと注意しながら歩き始めた。負傷している仲間がいるためそれに合わせて移動する。


まだあのジャイアントリザードが残っているかもしれない。そしたらすぐに引きかえそう。

洞窟の近くまで歩き、そこからさらに歩くスピードを緩めて近づく。


木の陰から昨日ジャイアントリザードと戦った場所を見る。レッサーアントの脚や甲殻の欠片、キャタピラーの肉片などが散らばっているがあの大きなジャイアントリザード姿は見えない。どうやら立ち去ったようだ。ほっとして警戒を解き、木の陰から体を出して洞窟まで歩く。しかしそこで心臓が止まりそうになる。


ジャイアントリザードは立ち去ったのではなく洞窟の中にいた。しかもその顔はこちらの方を向いていた。


しまった喰われる!俺はそう思って身構えたがジャイアントリザードは何もしてこない。よく見てみるとジャイアントリザードは目を閉じている。それにフシュ―・・・フシュー・・・とゆっくりと深い呼吸をしている。どうやら眠っているようだ。


た、助かった・・・。俺はすぐに念話を使用して仲間たちにジャイアントリザードを刺激しないようする旨を伝え、ソフィアの荷物と最低限の食べ物を急いで回収するとその場を立ち去った。


洞窟から十分に離れたところまで行くとソフィアに荷物を返し、回収してきた食べ物をみんなで分ける。食事をしている間、これからの方針を考える。


(どうするか、いままで使っていた洞窟はジャイアントリザードに奪われてしまったようだし、昨日の戦いで順調に増えていた戦力も大幅にダウンした。いろいろ立て直さないとまずいな。とりあえずどこか落ち着ける場所を探さないと。ソフィアは旅をしていたようだしこの辺の地理に詳しいかもしれない、相談してみよう)


おれは【念話】を使用してソフィアに話しかける。


『ソフィア、新しく拠点をどこかに決めようと思う。どこかいい場所を知っているか?』


ソフィアも念話を使って俺に返事をする。


『拠点ですか・・・うーん、すみません。あの洞窟に代わるようないい場所は思いつきません。』


彼女は申し訳なさそうに頭を下げる。どうやらあの場所は彼女の目から見てもよい場所だったようだ。


『でも、拠点を探さなくても作ればいいんじゃないでしょうか?』


拠点を作る?洞窟を掘るということだろうか。疑問に思っていると彼女は続ける。


『カヤイさんはアリや芋虫のモンスターを作り出すことができますよね。彼らに木を切ったり糸を吐かせて物をくっつけたりすることで簡単な家を作ることができると思うんです。実際、そうやって住処を作る昆虫系モンスターは数多く報告されています。』


なるほど、家を作るか。その発想はなかった。そういえば前世でも葉っぱを曲げ、幼虫の粘着性の糸でくっつけてボールを作り、巣にしてしまう種類がアリがいたな。流石に葉っぱでは守りが薄く心もとないから俺たちは代わりに木を材料にしよう。ここは森の中でたくさんの木が生えている。素材はいくらもありそうだ。


『なるほど、確かにそのとおりだ。家を作るとしよう』


俺はソフィアの案を採用することにした。しかしこの場所は少し洞窟に近いな、万が一ジャイアントリザードがこちらに来たりしないように、もう少し離れた場所にしよう。


おれは【念話】を使い、もう少し洞窟から離れた場所に移動してそこで木を伐り、家を作る旨を全員に伝え移動を開始した。負傷した仲間がいるため行進速度は若干遅めだ。スキル【生命力譲渡】で治してやりたいが、そうすると後で仲間を新たに生成できなくなってしまう。家づくりのためには糸を出すキャタピラーの数が必要だろう。悪いが我慢してもらうことにした。


しばらく歩くと森が少し開けた場所に着いた。ここがよさそうだ。


俺はステータス画面を開き魔力を確認する。


名前:カヤイ

種族:蟲人(幼体)

体力:30/30

魔力:19/27

レベル:7

スキル:虫モンスターテイム、自己修復、蟲生成、生命力譲渡、念話


魔力が回復しているのを確認し、スキル【蟲生成】によってレッサーキャタピラーを3体生成する。


仲間の数

ジャイアントアント×2 (1体負傷)

レッサーアント×5   (1体負傷)

レッサーキャタピラー×4


よし、これだけいれば何とかなるだろう。おれは【念話】を使用して早速仲間たちに指示をだし、家づくりを開始した。



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