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70話

 6月の上旬のある日。


「遂に来るよっ!皆っ!」


 やたらテンションの高いニナ。


「何が来るの?」


 何も知らないミコ。


「2週間後に初夏イベントが来るのよ。それと同時に、海底洞窟も解放されるの」


 ちゃんと運営からのお知らせを読んでるユカがニナに変わって答える。


「そっかー……。あれ、早くない?後一ヶ月は先じゃ?」


「何か今年は猛暑だから早めに解放するんだって」


「そうだよっ!だから、今日は水中呼吸の装備を調達しよう!」


「今日のニナはテンション高いわね……」


 そんな感じでいつも通りにやる事が決まる。


「ところで、水中装備ってどうやって手に入れるの?」


「ネアさんに頼んで作って貰う事になっているよ。材料は集めなきゃだけどね」


「行動が速いわね……」


「材料は何処で手に入るの?」


「研究所跡よ」


「その最下層だねー」


 最下層という言葉に嫌な顔をするモモ。


「もしかして、レイドボスと戦う?」


 おそるおそると言った様子で聞くミコ。研究所跡の最下層の一番奥にはレイドボスが待ち構えている。


「いや、流石にレイドと戦う必要は無いわ。その辺をうろついてる雑魚だから私達のレベルなら平気だよ。多分」


「多分かい」


 そのままの流れで研究所へ移動する4人。


「やっぱ乗り物があると到着がはやいねぇ」


 そのまま特に苦戦もせず最下層まで辿り着く。


「で、何を集めるの?」


「『魔動力石』だよ。最下層の敵の共通ドロップだけど、確率は低いから数を狩らなきゃ」


「4人分必要だから、4つね」


 そうして研究所内をうろつく事数分、高さ1メートル程の大きさの車のラジコンの様な魔物が現れる。車の天井は壊れており、中から先のほつれたコードが何本も出てきており、それが触手の様に蠢いている。それが5体現れる。


「コードに素肌を触られない様に気を付けて」


「はいよー」


【豊穣:マジックグラス】


 ミコは返事をすると共に両手を地面に置くと、そこを中心に芝生が広がる。

 ミコが習得した新スキル。地面に芝生が広がり、その上に居ると魔法攻撃力が上昇するというスキル。

 【植物の領域】と似たスキルだが、こちらの方が効果が限定されており似たスキルを二重に発動する事が出来ないが、すぐに発動が可能で妨害される事も無いのが強みである。


「それじゃ、いつも通りいきましょう」


 ニナを前衛、ユカが中衛で遊撃。ミコとモモの二人が後方支援。いつもの陣形である。


【死神技法:贖罪の火】


【忍術:雷遁・轟雷】


 ニナの蒼い炎の玉とユカの雷が同時に襲い、車の敵を一掃する。


「魔法攻撃力が上がってると一撃もいけるわね」


「ドロップは、1個かぁ、しょぼい」


 そのまま4人は先へ進むと、同じ敵が前から4体、後ろから5体現れる。


「囲まれたわね」


「んー、私とユカちゃんで前の5体潰すから、それまで後ろはなんとかして耐えて」


 ニナが大雑把な作戦を立案する。


「まぁ、それしかないかぁ。けど、時間が掛かりそうね」


 ユカは前方で散開して個々の距離を離す陣形をとっている敵を面倒そうに睨む。


「さっきみたいに纏めては出来ないかなぁ。各個撃破しかないかぁ」


 そう言って、ユカとニナは敵陣に突っ込んでいく。


「さて、時間稼ぎは頼んだわよ、ミコ」


「え、私任せ?」


「私の魔人だと、一体しか抑えられないし」


 ミコは足元に拳銃を数発撃ちこみ、丈夫なツタを数本生み出す。そしてモモの魔人はいつも通り一匹をその腕で掴み、叩き伏せる。

 だが、残った3匹の内、ツタで捕まえられたのはたったの1匹。残った2匹は猛スピードで動き回り、ツタを振り切り、ミコとモモへ向かって突撃する。


「ちょっ、早っ!」


「逃がしてんじゃないっ!」


 車はそれぞれ、ミコとモモの元まで猛スピードで接近すると、その体にコードを巻き付けていく。


「コードが絡まって……。やっ、動けなっ……んひゃぁっ!」


「ちょっと、離して……。コードが、解けなっ……、ふひゃぁっ!」


 コードのほつれた先端がミコの太ももと、モモのお腹に触れると、途端に体を跳ね上げ、顔を笑顔に染める。


「やっ……!ひゃんっ!びりって……!んひゃっ!やめっ……!ひゃぅんっ!」


「ふひゃぃっ!ちょっと……!ふひゃっ!やっ……!ひゃぁんっ!」


 コードの先端から微弱な電気が流れ、強いくすぐったさを一瞬与えて止めてを繰り返す。


「んひゃっ!やっ……!ひゃぁっ!入って来ないで……!」


「ふひゅっ!集まって……!ふぅっ!んんっ!」


 このコードの攻撃は服の上からならば大したくすぐったさにならない。なので、ミコは素肌を晒している太ももを、モモは上半身を狙われている。


「ひゃぁっ!っはははははは!やっ!だめっ!ぁっははははははは!」


 ミコの体に絡み付くコードは数を増し、スカートから中へ潜り込み、お腹と脇腹にも刺激を与え始める。


「やめっ……!ふひゃっ!んっふふふふふ!離れてっ!あはっ!」


 モモは上半身の大部分が素肌を晒しており、恰好の獲物とばかりに襲われており、既にお腹と脇腹と脇に絶えず電気を送り込まれている。


「ひゃっはははははは!だめだめっ!だっ!あっははははははは!やぁっ!あはっ!あはっ!はぁっははははは!」


「んっふふふふ!やめっ!てっ!んひゅぅっふふふふ!んっふふふふふふっ!んんぅーーーーっ!っふふふふ!」


「さて、他は片付けたけど、あれどうやって助けようか」


 ユカとニナの二人は既に他の個体を全て倒していた。


「そうねぇ……。時間かけるとトラップモンスターが湧くし。でもこいつら物理防御高いのよねぇ。かといって魔法だと確実に二人を巻き込むし」


 トラップモンスターとは、研究所固有のギミックで、戦闘開始から一定時間が経つと上から降ってくる敵の総称である。


「やっ!あっはははははは!たすっ!ひゃっはははははは!あはっ!はぁっはははははは!」


「やぁんっ!んふぅっ!ふっふふふふふ!ふはぁっ!あはっ!はっ!はぁんっ!んんっーーーー!」


「前から思ってたけど、モモちゃんの笑い声って、何かえろいよね」


「何馬鹿な事言ってるのよ……」


「ひゃぁっはははははは!あはっ!はぁっ!あはっ!あっははははは!」


「んぅっ!んっふふふ!やんっ!んん~~~っ!んっふふふふ!」


「ニナ、私が剣技でコード切ってみるから、そしたら鎌で思いっ切り弾き飛ばせない?」


「んー、まぁ、やれる方法としたらそれしかないかぁ」


 そう話は纏まり、ユカは縮地で一気に距離を詰める。


【剣技:抜刀・二連】


 ニナに誕生日プレゼントで貰ったオリハルコンで作った忍者刀で綺麗にコードのみを切り払う。


「そぉいっ!」


 コードが切れた車をニナが鎌で思いっ切り殴り飛ばす。甲高い金属音が鳴り響き、車は1メートル以上先まで吹っ飛ぶ。


【忍術:雷遁・轟雷】


 十分に距離が離れたのを確認すると、ユカは弱点である雷属性の忍術で一気にHPを削る。


「よし、もう一体」


 同じ動きで残る一体も処理する。


「電気でくすぐられるって、なんか変な感じがしたぁ……」


「はぁっ……はぁっ……!ひどい目にあったわ」


 散々くすぐられた二人は回復に少しの時間を要した。


 その後は特に苦戦する事も無く、一時間程で目当てのアイテムが揃う。


「それじゃ、ネアさんに作って貰いに行こうかー」


「えぇ」


 ユカとニナは二人でネアの元に向かう。ミコとモモはくすぐられた事による疲労か、眠気に抗えずにログアウトした。

 そしてネアの研究所で4人分の水中呼吸の装備を作って貰う。


(それがどうしてこうなってるの……)


 そして何故か二人はネアの完成したばかりの椅子型くすぐりマシーンに座らされていた。

 何故こうなったのかというと、、二人が来た時に丁度二つの、ネアとシャリアの合同制作となるくすぐりマシーンが完成したが、いつも実験代わりにくすぐられているリオが不在である為、ニナが自ら立候補し、それにユカが巻き込まれた。


「それじゃ、スイッチを入れるの」


 ネアがスイッチを入れると二つ共同時に動き出す。


「んひゅぃっ!んっふふふふ!ふふっ……!やっ……!ぁはっ!」


 ユカが座った椅子からは、赤ちゃんの手と同じぐらいの大きさのマジックハンドが現れ、ユカの脇をくすぐる。それは機械でありながら、なぜか服をすり抜けて素肌を直接刺激している。


「やっ!あっはははははは!あはっ!あっはははは!なんっ、でっ!あっははははは!」


 ニナの椅子からは手ではなく回転するブラシの付いたマジックハンドが現れ、同じく服をすり抜けて素肌をくすぐる。更にブラシの素材は悪名高きハーピーの羽を原料に作られている。


「ん、機械の霊体化は成功なの」


「残る問題は装置が大きいのと、燃費の悪さね」


 ネアとシャリアは二人の様子を見ながら手元の紙に何かを書いていく。

 二人の技術が生み出した最新の機械。その性能は霊体化という、衣類をすり抜ける力を持った機械であった。だが、今の段階ではまだ椅子の様な大型の物しか作る事が出来ず、持ち運んで運用するには稼働時間が短すぎるのが欠点となっている。


「んふっ……!小さいって……、くすぐった……!ぃひっ!」


「あぁっははははは!あはっ!ふぅ~~~っ!っ!あはっ!あっははははははは!」


 因みに、ユカが座った方がソフトな責めを得意とし、ニナが座った方がハードな責めを得意としている。


「んぅっ……!ふふっ……!やぁっ……!あはっ!はぁっ……!んっ!ふひぃっ……!」


 ユカの方の椅子からは、指が細長い女性の手を模したマジックハンドが二つ現れ、脇腹を掴み優しく揉んだり指を蠢かしたりする。


「やぁ~~っはははははははは!あはっ!あっははははは!やめっ!んひゃぁっはははははははは!」


 ニナをくすぐっているマジックハンドは、いつの間にかブラシ型の他に、普通の手になっている物や、イソギンチャクの様な触手を生やしている物まで多種多様に増えていた。


「んひゃっ!やっ……ぁっ……!あはっ!んふぅっ!んっくくっ……!ふひ……!」


 ユカを襲う刺激は弱いが、数が多く絶え間なく刺激が送られてくる。大笑いする程では無いが、我慢する事が出来ない刺激をじっくりと味わされている気分にされている。


「あっははははははは!やんっ!んぅっふふふふふ!ふぁっはははははは!あはっ!はぁっ!はひっ!」


 手、ブラシ、触手と多種多様なマジックハンドにくすぐられるニナは脇、耳、首筋、脇腹、足と弱い部分を満遍なくくすぐられ、我慢も抵抗も出来ずにただ笑い悶える。


「やっ、あっ、んんぅっ~~……!ふっふふふふ!あはっ!はっ!はぁっ!あっははは!」


「ひゃぁっはははははは!あはっ!ちょっと、はげしぃっ!んぅっふふふふふ!ふひゃぁっはははははははは!」


 二人は10分程極端なくすぐりを楽しまされた後、程よい疲労感と満足感から眠気に襲われ、ログアウトした。

少し肉がついてしまったので、フィッ〇ボクシングで運動をしたら全身筋肉痛になりました。

腕が特に痛いです。


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