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番外編 クーシャ4

大分短いです。

 ユカの姉のクーシャ。彼女は今日も書きかけの魔物図鑑の続きを執筆する。


「大分書いたと思うけど、まだ半分ぐらいしか書けてないのね……」


 クーシャは日々、様々な場所に出向き、多種多様な魔物や魔物娘やNPCにくすぐられ、それらの経験を元に図鑑を執筆し完成に近づけている。

 既に図鑑は小さな辞書に匹敵する厚さだが、これでも半分程度しか載せられていない。

 しかもその半分程度というのも、現在見つかっている全ての半分程度である。直近ではモモが見つけた蜃気楼神殿等は未知の魔物の巣窟であった。なので、他にもまだ誰にも見つかっていない魔物が居るのではないかと推測されている。


「今日は、昨日偶然出会えたこの子達ね……」


 今日執筆する魔物は、南の山脈の一部でごく稀に出現するレアな魔物。



●ピヨッコー

・魔鳥種

・耐性属性:風 弱点属性:火

・生息地:南の山脈の一部

・見た目は拳程の大きさのまん丸な体に一対の小さな翼と小さな足が生えた可愛らしいヒヨコ。南の山脈の一部でごく稀に出現する非常にレアな魔物。その見た目からは想像できない速さで飛び回り、小さな体を活かして服の中に潜り込もうとする。そしてフワフワな体を擦り付けてくすぐってくる。その愛らしい見た目から人気が高いが、仲間を呼び集団で襲ってくる凶悪な一面も持ち合わせている。


 クーシャはこれを書いている前日。別の魔物を目当てに南の山脈へ足を運んだ所、パタパタと飛んでる黄色く丸い物体を発見する。この時のクーシャは登山という事もあり、半そでのベージュの上着に紺色のハーフパンツという軽装で来ていた。


「あれは……」


 クーシャは急いで黄色い物体に駆け寄る。


「やっぱり、ピヨッコーだ。これはラッキー」


 すぐ傍までクーシャが駆け寄ると、ピヨッコーの方もクーシャを認識し、エリアが形成される。


「まぁ、折角の機会だし、倒すのはもったいないよねぇ」


 クーシャは無抵抗で棒立ちしていると、ピヨッコーは小さな体からは想像できないスピードでクーシャの方へ飛翔する。そして鳥とは思えない軌道を描き、服の袖から中へ侵入する。


「くひぃっ……!ん……ふふっ……!やわらかっ……」


 服の中に入ったピヨッコーは縦横無尽に動き回り、クーシャの体をくすぐる。


「ぁはっ……!ははっ……!はひっ……!これっ……!思ったよりくすぐったい……!」


 服の中で動き回るピヨッコーの刺激は予想よりくすぐったく、一匹だけでもかなりのくすぐったさを生む。


「んひひひっ……!あはっ!はっ……はぁっ……!はひゃぁっ!?」


 クーシャは突然、背中から生まれた新たな刺激に驚く。


「あはっ!なにっ!?二匹めぇっへへへへ!?」


 新たな刺激は、ピヨッコーのもので間違いなかった。つまり、二匹目が現れ、背中から服の中に侵入してきたのである。


「ふひっひひひひ!ひはっ!なっ!いつの間にぃっ!こんなぁっはははは!」


 周囲を見渡してみれば、気付けば10匹近いピヨッコーに囲まれていた。


「ひゃぁっははははは!やめっ!あっははははは!」


 ピヨッコーは一斉に襲い掛からず、一匹づつ間を空けて襲ってきている。


「ふっ!ふっ!ふぅっふふふふふ!ふぁっははははは!っは!はぁっ!」


 遂に立っている事すらままならず、地面にへたり込む。


「あっははははは!だめぇっっへへへ!ぬがしちゃぁっはははははは!」


 ピヨッコーは小さな翼と嘴を器用に動かし、靴と靴下を脱がせていく。それを阻止するだけの余力はクーシャには残されていなかった。


「あぁっはははははは!やばぃっ!あっははははは!あはっ!やぁっはははははは!」


 露になった両足の裏を、ピヨッコーは嘴で優しく突っついたり、小さな足で軽く引っ掻いたり、体を擦り付けたりしてクーシャに更なる刺激を与える。


「んひぃっひひひひ!ひぁっはははははは!あはっ!あぁっはははははは!だめっ、やめぇっへへへへへへ!」


 両手も地面につき、倒れない様に体を支える事に精一杯で、腋を閉じる事すら出来なくなっていた。


「やぁぁっははははははは!はっ!はっ!はぁっ!あっはははははは!」


 小さな可愛らしい鳥に、見た目からは想像できないほど激しいくすぐったさに笑い悶える事しか出来ないクーシャ。


「あぁ~~っは!あはっ!あはははははははっ!やぁっははははははは!」


 クーシャはギルドハウスの自室に強制帰還させられるまで、ピヨッコーのくすぐりに耐え切れず笑い続けた。

自分の見返してて誤字を見つけると凹む。

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