66話
ただユカがくすぐられるだけの話。
ユカ達4人が各々移動手段を獲得した日。
一人だけくすぐられる事無くスムーズに移動手段を獲得したユカは暇を持て余していた。
「皆まだクエストやってるだろうし……。暇ね」
どこで暇を潰そうか街を歩きながら考えていると、以前ミコに頼まれて侵入した屋敷が目に留まる。
「……丁度いいわね」
ユカはそのままクエストを受けれる場所へ行き、受注する。そして来た道を戻り、屋敷の前にやって来る。
「さて、どんな感じに捕まろうかな」
クリアする気は全くないユカ。
「入ってから考えよう」
そう言ってユカは簡単に柵を越え、空き室の窓から中へ侵入する。そのまま扉を開けて廊下へ出ようと思った時、ドアの手前の床にスイッチが隠されている事に気付く。
この屋敷に仕掛けられたトラップで、ユカの感知スキルを誤魔化せるようなトラップは存在しない。故に、普通なら気付かないであろうトラップにも気づく。
(このスイッチを踏むと……。なるほど、足首に縄が絡まって、宙吊りになるのね)
スイッチの周囲を注意深く観察し、どういうトラップか把握する。
(宙吊りでくすぐられる事になったら、流石にちょっときついかなぁ……)
この部屋に他の出入り口は見当たらなかった為、ユカは一旦窓から出て、壁を走り二階の窓へ飛び移る。
ユカの習得したけど出番の無かったスキルの一つ、【忍法:壁走り】
効果は3秒間壁を走る事が可能になるスキルである。
(この部屋も誰も居ないわね。よし)
窓から中を見渡し、誰も居ない事を確認するとそのまま窓を開けて中へ侵入する。
(今更だけど、窓の鍵かかって無いのね)
ユカは部屋の中を見渡し、部屋の扉の前にセンサーが設置されている事に気付く。
(流石にセンサーだけじゃ何が起こるか分からないわね)
そろそろつかまりたくなっていたユカは、そのままセンサーにわざと引っ掛かる。
すると警報が鳴ると同時にユカに向けて黄色いガスが噴射される。
「ぐっ……、これ……は……、麻痺か……」
体が痺れ動けなくなったユカの元には、シンプルなメイド服に身を包んだ女性が現れる。
「……忍者?女の子?珍しい……」
メイドは不思議そうな顔をするが、すぐに真顔に戻り、ユカを抱きかかえると何処かへ連れていく。
ユカは連れて行かれた先の部屋で高そうな椅子に座らされ、椅子の脚に両足を縛られ、椅子の手すりに両手縛られる。
そして忍者服に合うようにデザインされたブーツを脱がされ、和風の靴下も脱がされ、素足を晒す。最後に目隠しをされ、ユカは周囲の状況を全く把握できなくなる。
「本当に忍者の女の子が捕まったのね」
やがて、拘束されたユカの元に数人のメイドを連れた貴族の女の子が現れる。
「それじゃ、貴女達。いつも通り、味見をしなさい」
貴族の子がそう指示すると、左右に控えていた大人な雰囲気のメイドがユカの左右に陣取る。
「それでは、まずは素足から……」
ユカの右に陣取ったメイドはそのまま片手で右足の裏を指の腹で撫で回す。
「んっ……!ふふっ……」
動きはまだ緩やかだが、目隠しで視界を遮られた上に素足を直接触られ、口から僅かに声が漏れる。
「ではこちらは指一本で、つつーっと」
反対側のメイドは人差し指でユカの足の裏を不規則に動かし翻弄する。
「ひぅっ……!んふっ……、ふっ……ふふっ……!」
ユカは予想以上の刺激に体を震わせ、足がびくりと反応するが、椅子が僅かに動き音を立てただけに留まる。
「……思ったより反応が良いですね」
「足が弱いのかしら?なら、次は上を……」
二人のメイドは予想以上の反応に一旦手を止め、手を上半身に伸ばす。そして両脇にそれぞれ片手を突っ込み、同時に指を動かす。
「ふひゃぃっ!ひぁっ……!あはぁっ……!はっ、はっ……はぁっ……!」
突然刺激が脇に移った事により、体を大きく震わせ、口から漏れる声も大きくなる。
「目隠しされているとは言え、これほど弱いとは……」
「なら、こっちはどうかしら?」
二人は脇への刺激を止め、脇腹に手を伸ばし、そのまま掴んで揉むように動かす。
「ひゃはぁっ!あはっ……!はぁっ……!はひぃっ……!ふぅっ……!」
二人の手が動く度に、ユカは体を震わせ、椅子は音を立てる。
「どこくすぐってもいい反応するわね」
貴族の子は多くの人がくすぐったいと感じる3か所をくすぐられた時のユカの反応をみて上機嫌になる。
そしてメイド二人に一旦手を止めるよう指示すると、ユカの膝の上に、ユカと向き合うように座る。
「思ったより楽しめそうね」
そう呟いた貴族の子は実にいい笑顔をしていた。
そしてユカの両脇に両手を伸ばし、人差し指でツンツン突っつき始める。
「んっ!……ふひゃっ!……やぁっ!……はぁっ!」
指が脇に触れる度に、ユカは抑えきれない声と震える体で返事をする。
貴族の子は指が触れる間隔を段々と狭めていく。
「やっ!あはっ!はっ!やぁっ!はひっ!」
椅子がガタガタと大きな音を立てるが、位置が僅かにずれるだけで刺激から逃れる事にはならない。
ついに指は突っつく事を止め、10本全てを服の上から蠢かす。
「あっ!あはっ!あっははははは!んっふふふ!ふぁっははははは!はっ!はっ!はぁっははははは!」
視界を遮られた事により増したくすぐったさは、ユカに我慢させる余裕すら与えない。
「あはぁっ!あっははははは!はひっ!ひぁっはははははは!はぁっ!やぁっ!んんっ!んふっふふふふふ!」
貴族の子はくすぐりながら手を段々と下へ、脇腹を目指して移動させる。
「ふぁっはははははは!あっ!あっははははは!はぁっ!はぁっはははは!」
そのまま脇腹をくすぐっていたかと思えば急に脇に戻ったり、片手だけ脇腹をくすぐったりと、視界が遮られている事を良い事に不規則に腕と指を動かす。
「あはっ!あははははははっ!んやぁ~~っはははははは!んひぃっひひひひ!」
「道具も何も使って無いのにこの反応……。忍者なのに随分と弱いのね」
貴族の子は唐突に指を鳴らす。すると、控えていた二人のメイドがそれぞれ片足づつくすぐり始める。
「ひゃぁっ!あっはははははははは!あぁっは!あはっ!やすまっ!ぁっはははははははは!」
メイドは片手でくすぐりつつ、万が一が無いようにもう片手で椅子の脚を抑える。
「あぁ~~~~っははははははは!やぁっ!やっははははははは!あはっ!はぁっはははははは!」
想像していたより激しいくすぐりに為す術なく弄ばれ続けたユカは、解放されるとそのままログアウトし、ベッドに入り眠りに落ちて行った。
笑い声のバリエーションを考えるのが毎度大変。
でも書いてて楽しい。