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65話

 ニナが山羊と戯れている頃のモモ。


「……やはりこうなるのね」


 モモはレンガ造りの家の中で天井から吊り下げられた鉄製の手枷に両手を縛られ、万歳の姿勢で拘束されていた。

 そんなモモの両隣りには褐色の肌に茶色のショートカットの髪、そして浅葱色のモモと同じ様な衣装に身を包んだ猫族の少女が二人

 普段ユカにしか興味を持たないモモが何故こうなっているのか。それは数十分前に遡る。


「失礼。貴女、魔人使いですか?」


 ワープクリスタルを使おうとしたモモに声を掛けてきた二人の猫族の少女。


「えぇ、そうよ」


 モモは素直に答える。


「それはよかった。渡したい物があるので私達の家まで来ていただけませんか?」


 やや不審に感じたが、わざわざNPCが自ら話しかけて来た以上、何らかのメリットはあるのだろうと思い、二人に付いて行くモモ。

 そして二人の家に着き、中へ迎え入れられる。3人が中に入り、扉が閉まった直後。モモは二人に飛び掛かられ、抵抗するも両手を高速され、今に至る。


「はぁ……」


 モモはため息を漏らす。


「騙された、と思ってますか?安心してください。渡したい物があるというのは本当ですから」


「ただ……、私達も対価は欲しいので」


 怪しく微笑む二人。


「そういうのは、普通了承を取ってからやるものじゃ無いのかしら?」


「安心してください、良い物ですから」


「そういう問題じゃ……」


 そこまで言いかけて、これ以上は言っても無駄だと悟る。

 そして二人の手がモモの体に伸びる。


「んふっ……!ふふっ……!ふやぁっ……!」


 二人は素肌を晒し、がら空きの脇やお腹を指先で優しく撫でる。


「ふぅっ……!んひっ……!ぁっ……はっ……!」


 指が動く度、モモは体を震わせて反応する。


「んふふっ……!やぁ~っ……!ぁはっ……!」


「こんな素肌を晒す服着てるのに、結構くすぐったがりなんですねぇ……」


「私達的には、そちらの方が楽しくていいです」


 二人の少女は楽し気な笑みを浮かべながら指の動きを段々と早めていく。


「ふっ……ひっ……!はぁっ……!ふはぁっ……!ふぃっ……!ひっ……!ははっ……!」


 動きが早くなるにつれ、モモの反応も良くなり、手枷から響く金属音が激しくなっていく。


「ぁっ……ははぁっ……!んっふっ……!ふふっ……!」


 段々と余裕が無くなっていくモモ。そんなモモに止めを刺そうと、背後からゆっくりと二人の尻尾が伸びてきている。


「んんぅっ……!んふっ!ふぅっ……!ふひゃぁっ!?」


 尻尾はモモの耳を左右同時に襲う。予想外の刺激に可愛らしい声を上げるモモ。


「やぁっ!だめっ!ぁっはははは!あっ!ははっ!んぅ~っふふふ!」


 それと同時に二人もここからが本番とばかりに指の動きを一気に早め、腋とお腹と脇腹を不規則に移動しながら不規則に蠢かせる。


「んふっ!ふぅっ……!ふぁっ!っはははは!あっははははは!やぁっ!あっははは!」


「どうです?私達自慢の尻尾を耳に突っ込まれる感覚は」


「くすぐったくて、力が抜けて……。我慢なんかできなくなるでしょう?」


 二人の尻尾はモモの耳を優しく撫でたり、耳の中に入ったりを繰り返し、耐えがたい刺激を与える。


「んんぅっ!んふっ!ふふっ!ふぁっははは!あっ!あはっ!はぁっ!」


 二人が満足するまでモモをくすぐり続けた結果、終わるまで10分近い時間が掛かった。

 ようやく解放されたモモは非常に疲れた様子で放心状態になっていた。


「さて、こちらが約束の品です」


「きっと役に立つと思いますよ」


 二人がそう言って渡して来たのは、桃色の絨毯。つまり、空飛ぶ絨毯である。

 モモは思いがけない場所で移動手段の獲得に成功した。


 一方のミコ。

 ギルドハウスの自室で待機させていたアヤカに移動手段になる何かは無いかと聞いた所。


「移動手段になる植物の杖ならあるけど」


 さも当然の様に答えるアヤカ。


「あるならもっと早く言ってよー。まぁいいや。どうやって育てるの?」


「なら、専用の場所に転送するから、ちょっと待って」


 アヤカはそう言って、自身のミコを専用の場所に転送する。

 二人の姿が光に包まれ転送された先は、一面に広がる花畑。


「じゃ、説明するね。と言っても、そんな難しい事じゃ無いけど」


 アヤカは何処からか、拳程の大きさの球根を取り出す。


「これを植えて、大体10分ぐらいすると空飛ぶ植物の杖の完成よ」


「それだけ聞くと簡単そうだけど、どうせ何かあるんでしょう……?」


 怪しむ顔をするミコ。当然、ただ待っているだけで手に入るわけがない。


「えぇ。これを植えると、何処からか植物を狙う芋虫が現れるから」


「そいつから植物を守ればいいんだね!」


 所謂タワーディフェンス系のミニゲームかと予想するミコ。


「話は最後まで聞いて」


 だが、どうやら違うらしい。


「芋虫が現れるから。そいつらに植物が育つまでくすぐられて」


「……おかしい。途中まで理解できていた筈なのに、最後だけ理解出来なかった……」


 納得のいっていない顔をするミコ。


「何故くすぐられる必要が」


「植物の代わりに貴女がくすぐられていれば、植物が襲われる事は無いから」


「えぇ……」


 そんな謎理論も通じてしまうのがこのゲームである。

 アヤカはミコの事をほっといて、地面に球根を埋める。すると、どこからか子猫程の大きさの芋虫が大量に現れる。


「あ、思ったより気持ち悪くないね。この芋虫」


 現れた芋虫は可愛らしくデフォルメされた姿で、虫がニガテな人にも平気なように配慮されている。


「ほら、寝転がって」


 アヤカはミコに寝転がるよう言う。


「立ったままじゃダメか……」


 ミコは渋々言われた通りに寝転がる。

 芋虫は寝転がったミコに進路を変え、一直線に群がっていく。


「んぅっ……!ふひっ……!はひっ……!ぁはっ……!」


 芋虫はミコに到着すると、その体をハムハムと甘噛みする。


「んっ……!ひっ……!はぁっ……!あはっ……!」


 まるで揉まれているような刺激が送られてくる度に、体が反応し、口から声が漏れる。


「んひっ!はっ!これぇっ!へぁっ!やっ!あっ!はっ!」


 一体の刺激はそんなに強くない。だが、芋虫はどんどん数を増やしていく。


「んぁっ!あはっ!はひっ!ちょぉっ!数がぁっ!あはっ!多いっ!てへぇっ!」


 気付けばミコの体は芋虫に覆われ、殆ど見えなくなっていた。


「あはっ!はぁっはははは!はひっ!ひぁっはははは!はぁっ!あっ!はぁっ!」


 最早芋虫の重さでまともに体を動かす事すら出来なくなっていた。


「あぁっはははは!はぁっ!はぁっははははは!んやぁっ!やっはははは!」


 一方アヤカは植物に水をやりつつミコを眺めている。


「やぁっ!あはっ!あっははははは!はひっ!ひゃっははははは!」


 腕にも足にも乗っかかられ、最早指と頭しか動かす事が出来なくなる。


「んひぃっひひひひ!ひぁっはははは!あはっ!あっははははは!はぁっ!はひっ!」


 10分後、植物は無事に育ち、芋虫は何処かへ消えて行った。


「はっ……、ひっ……」


 そしてミコは余韻に浸り、寝転がりながら大きく呼吸をする。

 無事完成したミコの移動手段は、先端の赤い宝石を中心に様々な花が咲き乱れている杖。アヤカが言うには、魔女の箒のような感覚で乗って移動できるらしい。


 そしてユカ。

 忍者屋敷で移動手段が欲しいと言った結果、トントン拍子で話が進み、特にくすぐられる事無く入手に至る。

 くすぐられなかった事にやや不満気ではあったが。

 忍者屋敷のクノイチの一人である牡丹がユカの元に連れてきたのは、全長2メートルはある白銀の毛並みをした大きな狼。


「この子?」


「うん。自由に名前を付けて可愛がってあげてね」


 少し悩んだ結果。ユカは狼に『シロ』と名付けた。相変わらずの安直な名前である。

 因みにメスである。

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