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56話

短め。

 リリィの妹のギルドとの模擬戦が終わり、同時にゴールデンウィークも終わりを迎えた週の週末。

 最早いつもの集合場所となった喫茶店に集まるユカとミコ。


「やほー、ゆかちー。……二人はまだ?」


「みこは来たか。モモさんは家族で出かけるから今日は来ないわ。ニナは学校の用事があるから、夜は合流するって」


 現在時刻は午後12時。お昼ご飯を早めに済ませ、休日を利用して昼からゲームである。


「そっか。じゃあゆかちー。私のクエスト手伝って?」


「クエスト?みこにしては珍しいわね」


「いやー、普段だったら一人でやるんだけど、ちょっとねぇ……」


 ユカはミコから話を聞いて、めんどくさそうな顔をする。

 クエストの内容は、大きな豪邸からアイテムを盗んでくるというもの。豪邸内には当然、警備員が徘徊し、トラップも仕掛けられている。


「また、めんどくさそうなクエストを受けてきたわね……」


「報酬が高かったから……」


 因みにクエストは破棄しても特にデメリットは無い。


「まぁ、確かに私の方が向いてるけど、もうちょっと考えて受けよう?」


 今まで一切出番が無かったが、ユカには『忍者の足運び』という足音を消すスキルがある。更に忍者屋敷で鍛えた感知スキルに、地道に上げて行った体術スキルもある。


「昨日一回だけ行ったんだけど、まぁ、結果は察して……」


 ミコは当然の様にトラップに引っ掛かり、そのまま拷問と称してくすぐられた。


 時は戻って昨日のミコ。

 ミコは侵入までは上手くいったものの、内部でトラップに引っ掛かり、そのまま地下の拷問室へ連れて行かれ、そこで両手両足を縛られ固定され、椅子に座らされる。

 アイマスクで目隠しをされ、口は布で塞がれたその姿は、どこか犯罪チックな光景である。


「この子が今回の獲物ね。女の子とは珍しい」


 部屋に扉を開く音が響き渡り、数人の足音と女性の声がする。

 尚、ミコもユカも知らなかったが、このクエストはくすぐりが好きな貴族の女の子が、他人をくすぐる為にわざわざ自分の家のアイテムを盗めというクエストを発行しているという裏設定があったりする。その為、いつも通り10分過ぎれば解放される。


「ふふっ。それじゃあ、貴女達。味見をしなさい」


 貴族の女の子がそう命じると、一緒に入って来たメイドが二人、手に道具を持ってミコに近づく。

 一人は羽箒を持ち、もう一人は棒状のハンディモップを持つ。このモップは当然掃除用ではない。ハーピーの羽やアルラウネの綿毛で作られたくすぐり特化の一品。

 ミコの右にモップを持ったメイドが、足元に羽箒を持ったメイドが立つ。ミコはいつもの新緑に白と黄色で彩られたワンピースを着ているが、ブーツは靴下ごと脱がされている。


「それでは、失礼いたしますね」


 そう言ってメイド達はミコをくすぐり始める。

 一人は羽箒を使い、左の足の裏を埃を払うように撫でる。もう一人は服の袖にモップを突っ込んで小刻みに震える様に動かし、二の腕と脇を優しく刺激する。


「んんっ!んっふ!んふっ!んぅ~~っ!」


 目を閉ざされたミコは突然襲って来た刺激に驚き、体を震わせ、閉ざされた口からはくぐもった笑い声が漏れる。


「高級な羽箒の感触は如何ですか?こう、全体を掃かれるのと、先っぽで一点を重点的に責められるの、どちらがお好みですか?」


「んぅっ!ふふふっ!んぅふっ!ふっふふ!」


 足の裏を襲う羽の刺激は不規則に動きを変え、その度にミコは体を震わせ声を漏らす。


「どうです?素肌を撫でる優しい感触。クセになりそうでしょう?」


「ふぅっふふふふ!んぅぅ~~っ!っふふふふ!んふっ!」


 モップは袖から引き抜かれたかと思うと、首元から服の中に突っ込まれクルクル回される。それによってお腹全体が優しく撫でられる未知の感触に体を震わせ反応する。


「どうかしら?私のメイド達のテクニックは」


「んんぅっ!ふふふっ!んぅっふふふ!んん~~~っ!」


「そう、もっとして欲しいのね。二人共、次に移りなさい」


 勿論ミコはもっとして欲しいとは言っていない。だが、二人のメイドは道具を置き、モップを持っていたメイドがミコの右足の方へ移動する。

 だが、目隠しをされているミコは当然その動きを視認できない。故にミコはどこをくすぐられるのか全く分からない状態で待機を強いられている。

 そして良い生地で作られた肌触り抜群の手袋をした手はミコの両足に触れる。


「んぅっ!」


 4本の手がミコの足に触れた瞬間、体をびくりと震わせる。そして指先が動き始めると、拘束具が音を鳴らし続ける程の反応を見せる。


「んっ!んふっ!ふぅっふふふふふ!んふふふふっ!んんぅーー!んっふふ!」


 右足を責める指は、指先を小刻みに動かし、強い刺激を与える。

 左足を責める指は、指の腹で足の裏を撫でるように動かす。その刺激は右足のソレより弱いものの、まるで小さな生物が這い回っているかのような耐えがたいくすぐったさを生む。


「ふぅぅっ!んふふふふふっ!んっふ!ふっふふふふふ!」


「この子の足の裏、随分と弱いようですね。特に、ここが……」


 右足を責めていたメイドは、定期的に場所を変え、細かな反応の違いから足の裏で最も弱い部位を見つける。親指の下の拇指球と呼ばれる部位。そこを片手の指で集中的に責め立てる。


「んっふぅぅっ!ふぅっふふふふふ!んふっ!んっふふふふふふ!」


 途端にミコの動きがより激しくなり、メイドの推測が本当であることを証明する。


「んぅぅっ!んふふふふ!んぅっふふふふふ!んふっ!ふっふふふふ!」


 そのままメイドの女性に弄ばれ、5分が経過した時。メイドは手を止めて後ろに下がる。その代わり、貴族の女の子がミコに近づき、口を塞ぐ布を外す。


「ぷはぁっ!はぁっ!はぁっ……!」


 解放された口から大きく息を吸うミコ。


「やはり直に笑い声が聞こえる方がいいわよね」


 女の子はそう言うと足の方へと移動する。そしてミコの後ろには如何にも見習いといった様子のメイドの女の子が控える。


「さて、足の裏が結構弱いらしいから、私もいじめてあげるわ」


 女の子は手に透明な液体が入った瓶を持っている。その蓋を開けると中に入った液体をミコの足にかける。


「つめた……」


 液体の冷たい感触にミコは体を一瞬震わせる。


「スライム系から採取できる液体よ。ヌルヌルして滑りを良くしてくれるのよ」


 アイマスクは取られていないのでミコは何をされるのか分からない。だが、女の子の行動からまた足を責められる事は分かる。


「まずは右を……」


 女の子はミコの右足に指を這わせる。


「ひぅっ!……くふっ!ふふっ!やぁっ……!ぁはっ!」


 右足の裏を、まずはかかとを指の腹で撫であげ、そのまま土踏まずを人差し指でくすぐり、足の側面を優しく撫でる。


「たしか、ここが弱いのね」


 そして先程のメイドによって判明した一番弱い部分。そこを爪でカリカリと刺激する。


「だめっ!やぁっははははははは!あはっ!あっははははは!」


 ヌルヌルした液体によって増幅された刺激は、我慢する余裕すらも与えられない程強い。


「やっぱ直に聞く笑い声はいいわぁ」


「あっははははは!やめっ!っははははははは!」


 唯一自由に動く首が左右に振られるが、勿論意味はない。


「貴女もくすぐりなさい」


 女の子はミコの後ろにいる見習いメイドに向かって言う。


「はい、それでは失礼します……」


 メイドの女の子はおずおずとミコの両脇を手でくすぐり始める。


「んやぁっ!やっ!あぁっははははははは!あはっ!はぁっははははは!」


 その様子とは裏腹に、指の動きは素早く強い。足の裏から送られてくる刺激には劣るものの、十分強い刺激を与える。


「やめっ!むりっ!やぁっははははははは!はぁっ!はひっ!ひぁっははははははははは!」


 ミコはそのまま残りの5分間、貴族の女の子のオモチャにされ続けた。

 時は戻って現在。

 豪邸の前にユカは到着した。


「ここ、ね」


 ユカは塀を軽く乗り越えると、そのまま内部に侵入する。


(捕まったら貴族の女の子にくすぐり拷問……。ちょっとやられてみたいけど、今はクリアを優先しよう。今度一人で捕まりに来ようかな)


 今わざと捕まれば、ミコに何を言われるか分かったものでは無い。故にユカは全力でクリアを目指す。

 感知スキルで壁や床に仕掛けられた罠を発見、回避する。

 警備兵はユカなら、視界に入らなければ背後に立とうと気付かれる事は無い。

 そしてものの数十分でクリアし、ミコの元へ戻る。

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― 新着の感想 ―
[良い点] いいですね~目隠しくすぐり好きですよ~! [一言] ユカさんがメイドさんにくすぐられるのも是非読みたいです! 機会がございましたら是非書いてください!
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