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54話

連続無し回が終わるまで後1話……


 GWの最終日に行われている団長リリィのギルド『アイリス』と、その妹のリーシャのギルドとの模擬戦。その4試合目。

 ここまでアイリスは1勝2敗となっている為、一試合でも負ければ敗北が確定してしまう。その重要な試合に出る事となったユカ達4人。

 4人は試合会場の中央へ向かう。

 ユカは、いつも通りの和服を魔改造したような忍者衣装を身に纏い、背中には太陽と見紛う色と輝きを持つ巨大な手裏剣を背負っている。

 ミコは、新緑の様な色を基調とし、白と黄色で彩られたワンピースに茶色のブーツを着こなす。腰にはユカの手裏剣と同じ色と輝きを持つ特殊な拳銃が二丁。

 モモは、水色のアラビアンナイトの様な衣装を着ており、それで大衆の前で戦う事になるからか不機嫌そうである。手にはユカの手裏剣とお揃いの色と輝きを持つ笛が握られていた。

 ニナは、白と紺のセーラー服に黒のタイツ、茶色のローファー。その上から黒のマントを羽織り、中二病を患った少女の様な風貌をしている。背中には、皆と同じ色と輝きを持つ大きな鎌を背負っている。


「ねぇ、お姉ちゃん。あの子達の恰好って、まさか……」


 リーシャは運営だからか、ユカ達の服装から正体を察する。


「何の事かわかんなーい」


 リリィは小首を傾げて誤魔化す。

 ユカ達の相手は、男2人と女2人のパーティー。尚、中身は全員女性である。服装や立ち位置から、前衛2人の後衛2人と推測される。

 両者が中央に揃った時、リリィが間の抜けた「始め!」の合図が響き渡る。


【忍法:縮地】


 始まった瞬間、ユカは縮地で一番前に居る剣と盾を持った男に急接近する。


「はっ!?」


 男は予想していない動きに驚き、反射的にユカに盾を向ける。


【忍術:火遁・業火】


 ユカは盾に構わず至近距離で忍術を叩き込む。だが、炎の殆どは盾に阻まれ大したダメージを与えられない。ユカはそのまま縮地で離脱する。


「何だ、今の動き……」


 男は盾から顔を覗かせて呟く。だが、安堵する暇も無く蒼い炎の玉が飛んでくる。


「気を付けて!鎌持った子が来てるよ!」


 男の後ろにいる前衛の女性が注意を促す。その後ろから後衛の魔術師の女性が放った炎弾が蒼い炎の玉にぶつかり相殺する。


「蒼い炎……そんな術あったかしら……?」


 安堵するのも束の間。気付けば足元に、会場の地面全体を植物が覆い尽くしていく。


【豊穣:植物の領域】


 ユカとニナの後方。ミコが両手を地面に付けてスキルを発動させる。すると、そこを中心として会場の地面を植物が覆い尽くす。ミコがレベルをあげて習得した新スキルの効果。それは一定範囲内の地面を植物で覆い、その植物を操って敵の動きを阻害したり攻撃を防いだりする。

 一見強力なスキルに見えるが、発動してから植物が覆い尽くすまで時間が掛かり、途中で妨害されたりすると植物も散ってしまう欠点が存在する。今回は相手がその事を知らない為、妨害される事無く完了する。


「知らないスキルばっか……。一体どうなってるの?」


 相手パーティーは4人共警戒して防御寄りの動きをする。


「やっぱり、4人共ユニークジョブじゃない……」


 リーシャはユカ達の動きと、発動したスキルから正体に気付く。


「攻撃と回避に特化した忍者。物理魔法共に強力な前衛の死神。笛による補助と魔人による攻撃の魔人使い。植物で戦場を支配する豊穣者。よくまぁ、ここまで揃えられたね……」


 リーシャは呆れたように呟く。

 相手が困惑していると、笛の音が響き渡る。


【笛術:倒れぬ騎士に捧ぐ笛の音】


 モモが奏でる笛。その効果は味方全員の被ダメージ割合減少という強力なモノ。


【死神技法:マクサイズ】


 ニナの体が一瞬淡い光に包まれる。これは日緋色金で作られた新しい武器の固有スキルで、効果は物理と魔法の攻撃力を、両攻撃力を足した数値にするという強力な技。


【豊穣:プラント・プロテクト】


 ミコが発動した新スキル。これはダメージの4割を足元の植物が肩代わりするという強力な効果を持つが、ただでさえ発動しにくい植物の領域が発動の前提条件であるという欠点もある。


「準備は良いわね?短期決戦を狙うわよ」


 それぞれがバフ技を行使したのを確認したユカは、そう言うと縮地で一気に距離を詰める。狙いは大きな両手槍を持った前衛の女性。


「またっ!?」


 消えたと思えば目の前まで接近される縮地。女性は反射的に両手槍で最短距離を薙ぎ払うように振るう。ユカはそれを上に飛んで回避する。


「貰った!」


 宙を浮いたユカを、前衛の男が剣で狙う。だが、その剣はユカに届く前に鎌で大きく弾かれる。


「ぐっ!このっ……」


 男はすぐに体勢を整え、鎌を構えるニナを正面に捉える。


「貴方の相手は私だよー。死神が、迎えに来たわ」


 ニナは調子に乗った笑顔で言う。ユカは少し距離を取った場所で安全に着地する。


「何よ、この青い人……」


 後衛の魔術師の女性は、モモの呼び出した魔人を正面に見据えて嫌な顔をしていた。前衛の戦いに魔法で援護しようとした所を魔人に横から殴りかかられて今に至る。


「後ろの魔術師は私が抑えてるから、貴女は更に後ろの聖術師の方を何とかしておきなさい」


 モモは笛を奏でながらミコに聖術師の相手をしろと促す。


「まぁ、消去法だけどそうなるよねー。聖術師なら何とかなるかな」


 ミコはそう言うと、地面に一発だけ弾丸を打ち込む。すると、その地点にバネの様な茎を持つ草が生える。


「じゃあ行って来るねー」


 ミコはその上に乗ると、草がジャンプ台の様に動き、ミコの体を敵後衛の所まで一気に運ぶ。


「人が飛んで来たぁ!?」


 4人パーティーの一番後方にいた聖術師の男は、前線を飛んで超えてきたミコに驚き戸惑う。


「さて、足止めぐらい出来ないとねぇ」


【聖術:ホーリーエッジ】


 驚いたのも束の間、すぐに聖術を発動しミコに攻撃する。それは着地の瞬間を狙われたもので回避も防御も出来なかったが、モモの曲と事前に掛けておいたスキルのおかげで大したダメージにはならない。

 ミコはすぐに動き出し、聖術師の周囲に向けて片手に残った9発を全て発砲する。


【聖術:ホーリーシールド】


【豊穣:プラントケージ】


 聖術師は咄嗟に、自分の真正面に光の盾を展開する。だが、銃の狙いは聖術師本人ではなく周囲の地面である為、全くの無意味だった。むしろ、その後何が起こるのかの把握に時間が掛かり、対応が遅れる。

 着弾地点から急成長した植物は、どんどんその背丈を伸ばしていき、あっという間に聖術師の背を越え、頭上の高い位置で一つに結ばれる。ミコが作り出したのは、植物の檻だった。


「植物に閉じ込められる気分はどう?……本来はここからくすぐり用の植物を伸ばすんだけど、今回はルール違反になっちゃうからね。長くは持たないだろうけど、時間は稼げるでしょ」


 ミコはリロードを済ませると、出て来た時用の植物を生み出し始める。

 一方、前衛。ニナ対戦士、ユカ対騎士の戦いが繰り広げられていた。


『すべてを呑み込むは紅の焔』

【秘匿忍術:火遁・烈火葬焔】


 渦巻く焔は、両手槍を構えた騎士の女性を容易く呑み込む。


「熱いし……、避けれないし……、ダメージ大きいし……どうなってるの……」


 騎士の女性は何とか耐え切ったものの、かなりの深手を負う。騎士ではあるが盾を捨てた攻撃特化である彼女は、ある程度被ダメージを減らす事は出来ても防御スキルは殆ど行使できない。


「耐えるか……今ので決められると思ったんだけど……」


 対してユカも、耐え切られた事に驚きを露わにする。攻撃と回避に特化した忍者は、それ故に防御は紙装甲と言われるほど低い。つまり、直撃を食らえば十分に逆転はあり得る。


「手加減なんて、していられないよね。最大火力で押し切るわ」


 そう言って、巨大な正面手裏剣を構える。


【秘術忍法:鳳仙花】


 手裏剣が強く光り輝き、途端に弾ける。すると、ユカの手に握られていた巨大な手裏剣は二つに分身していた。


「何で増えるの!?」


 騎士の女性は突然二つに増えた武器に驚愕し、これ以上攻撃されるとマズイと思い攻勢に出る。


【槍術:雷鳴突き】


 両手槍による高速の突き攻撃は、的確にユカの体を捉える。だが、槍の先端が突き刺したのはユカの体ではなく忍者服を着た丸太だった。


【忍術:空蝉】


 槍がユカの体に届く寸前。空蝉の術の発動して攻撃を防ぎ、騎士の背後に移動する。


「丸……太……?」


 騎士の女性は状況を理解出来ずにいた。だが、攻撃を何らかの手段で防がれたのは理解していた。

 正面は丸太。視界に敵は見えない。なら考え得るのは背後。ほぼ反射的にそこまで考え、振り返る。だが、視界に移ったのは二つの巨大な手裏剣だった。


「ぐぅっ……!」


 片方は槍で何とか弾く。だが、二つ同時に対処する事は流石に出来ず、もう片方に斬られる。


「強すぎでしょう……何よあれ……」


 手裏剣は弾かれても尚、空中を意思を持っているかの如く自在に飛び回る。


(もうMPが尽きそうね……何とか次で決めないと……)


 対するユカも、余裕がある様に思えるがそうでもない。最上級の忍術に加え、二つに増やした手裏剣の操作。MPの消耗は相当な量であり、残り1割程度しか残っていない。ユカが自力でMPを回復する手段は、薬を飲むしか無いが、1対1の対人戦でそんな事をする余裕は勿論無い。リリィの様な使役系は別だが。つまりMPを切らせば、相当運が良くない限り敗北する事になる。


【忍術:操刃・塵桜】


 手裏剣の動きが一層早くなり、回避も防御も出来ない一撃が騎士の女性を襲う。


「何なのよ……もう……」


 そう言い残し、騎士の女性はHPを全損し倒れる。


「疲れた……。でもMP回復したらどこかの援護に行かないと……」


 ユカは懐からMP回復薬を取り出し一気に飲み干す。


「……これ、マズイのだけどうにかならないのかしら」


 このゲームに登場する薬の類は大体味がマズイ。口直し用の小瓶に入ったジュースと一緒に飲むのが一般的な程にマズイ。愚痴を零しつつもMPをある程度回復させたユカはそのままミコの方へ向かう。

 その頃のニナ。


「そぉれっ!」


【死神技法:蒼炎舞】


 蒼い炎を纏った鎌が剣士に向けて振るわれるが、盾によって防がれ、お返しとばかりに剣で攻撃されるも、ニナは飛び退いて躱す。


「長期戦になると不利そうだし、全力で行きますか」


【死神技法:レクイエム・リーパー】


 ニナの鎌を纏う炎が、蒼から白へと色を変える。この状態で鎌を振るえば、その軌跡に合わせて白い炎が斬撃の様に飛ぶ。


「一気にいくよっ!」


 ニナは一気に駆け出し、横薙ぎに鎌を振るう。


「返り討ちにしてやる……!」


 剣士は盾と剣を構え、白い炎の斬撃を盾で防ぐ。


【剣技:アクセルブレイド】


 盾で防ぎきると、反撃とばかりに速攻の剣技がニナに向けて放たれ、剣先がニナの左肩に突き刺さりダメージを受ける。


【死神技法:滅却の焔】


 だがニナもやられっぱなしでは無い。手を伸ばせば届く程縮まった距離で術を行使し、蒼い炎の爆発を巻き起こす。

 至近距離からの爆発。それは容易く回避出来るものでは無く、剣士は直撃を食らい数メートル後退する。


「やっぱダメージ覚悟じゃないと直撃を当てられないなぁ……。どうしようかな」


 ニナのHPは今の一撃で1割程削れ、残りは約9割。対して相手は残り約8割。ややニナが有利である。


「詠唱する余裕があればいいんだけど……無理よねぇ」


 ニナは最近、強力な上級の術も習得していた。だが、それを行使する為の詠唱を行う隙が無い。


【剣技:神速突き】


 ニナが攻めあぐねていると、剣士の方が動く。上級のオリジナルスキルを除けば最速の剣技を繰り出してくる。


「なっ!?」


 だが、その剣はもう少しでニナに届くという所でピタリと止まる。剣士の体に植物が絡み付き、攻撃を妨害したのだ。


【死神技法:冥府の炎】


 そしてその隙を見逃すニナではない。詠唱無しではトップクラスの威力を持つ術を行使する。発動した術によって呼び出された地獄の炎は爆発的に膨れ上がり、剣士を呑み込む。そのダメージは凄まじく、剣士のHPは残り半分を切った。

 因みに植物の領域によって生み出された植物は不燃性なので燃えたりしない。


「サンキュー、ミコちゃん!」


【死神技法:死鎌斬】


 ニナは畳みかける様に、鎌の連撃技を繰り出す。


「くっ、このっ!」


 剣士は最初の勢いこそ削がれたものの、何とか剣と盾で防ぎきってみせる。


「これで決めてやる!」


【修羅の剣】


 一気に劣勢に追い込まれた剣士は、とっておきの一撃を繰り出す。それは、リリィの妹のギルドでのみ使われている上級の剣技で、その威力は単体攻撃ではあるものの、魔術師だった頃のイリーナの詠唱アリの上級魔術に匹敵する。

 それはまさに起死回生を狙った一撃だった。直撃を食らえば、4人の中で最も防御力が高いニナといえど耐え切れる保証はない。

 その剣がニナに向けて振るわれた時。


【豊穣:イビルプラント】


 剣士の足元の植物が突然、紫色に変色し、急成長して剣士を包み込む。


「がっ!?なっ!?」


 剣士はまともな言葉を残す事も無く植物に埋め尽くされる。


「になっち、今のうちー」


 少し離れた場所から、ミコがそう言う。


「タイミングが天才っ!」


 ニナはすぐにトドメの術を行使する。


『冥府の裁きは、炎によって齎される』

【死神技法:裁きの炎】


 先程の冥府の炎よりも小さいが、秘めた力はより強大な地獄の炎が、剣士を埋められている植物ごと焼き尽くす。

 回避も防御も不可能な一撃は、HPの残りを全て消し去る。炎が収まり植物の灰の中からダウンした剣士が現れる。


「助かったよーミコちゃん」


「間に合ってよかったよ」


 ミコは植物で聖術師を足止めしていたが、そこに騎士を倒したユカが加わり、忍術と手裏剣で直接戦闘に不向きな聖術師を一方的にボコボコにして、ミコはニナの救援に向かい、今に至る。


「後は魔術師の人だけだね」


 一方の対魔術師戦。

 最初はモモの魔人が物理で攻撃し、詠唱の暇を与えず、放たれる魔術は全て魔人が身を挺して防ぎ、その度にミコが魔人のHPを後方で回復する。この戦法で延々と時間を稼いでいた。

 だが、そこにミコの相手だった聖術師をボコボコにし終えたユカが合流し、魔人の援護下の接近戦で一方的に攻撃する。


『その身に刻め、白金の刃』

【秘匿忍術:風遁・烈風陣】


 ユカが言葉を紡ぎ術が形を成すと、魔術師の周囲に暴風が生まれ、風の刃となって魔術師を攻撃する。

 それはHPの低い魔術師が耐え切れるものではなく、HPを全て減らしダウンする。


「しゅうりょー!」


 リリィの気の抜けた合図によって、4試合目がユカ達の勝利で終わる。


「何とか、勝ったわね……」


「ゆかちー、何とかっていうか、割と余裕のある勝ちだよ?私達一人もやられてないし」


 4人は自分達が負けたら3敗で負け確になってしまうプレッシャーから解放された反動からか気が抜けたように控室に戻って行った。


「お姉ちゃん。やっぱユニーク4人で固めるのは卑怯だよ……」


 リーシャがリリィを睨む様に言う。


「ユニーク持ちはダメって言われなかったし」


「いや、普通4人全員揃えて来るとは思わないじゃん。簡単に見つかるもんじゃ無いんだよ!?」


 無意味な言い合いを始める二人の元に、ユカ達に敗北した4人がやって来る。


「リーシャ団長、あの子達何なんです……?」


 ユカ達4人がユニークジョブであるというのはアイリス以外だと運営陣しか知り得ない事なので当然の疑問である。


「……ユニークジョブよ。全部で10種類あるわ」


 4人は当然驚き、何処で習得出来るのかと問い詰めるが、リーシャは「教えられる訳無いでしょ」と当然の様に答える。


「そう言えば、私ユカちゃんの忍者以外の習得条件聞いてなかったわね」


「ん。まぁ、あの4人のは既に習得済みだから言っても大丈夫か。参考になるだろうし」


 リーシャはそう言うと4人の習得条件を語る。


「忍者服着てた子のは、まんまだけど忍者。条件は忍者屋敷を誰もよりも早く50回クリアする」


 忍者屋敷はクリアするの自体が簡単ではない上に、時間も掛かる。故に、約2ヶ月も籠っていたユカが条件を満たした。


「鎌を振るってた子のは、死神。条件は誰よりも早くハテノ霊園に出没する特殊魔物娘の死神に100回捕まる事」


 死神は移動速度は遅いが、捕まればHPが満タンだろうとお仕置き部屋に強制転移させる、倒す事の出来ない特殊な敵。ハテノ霊園まで距離もあり、100回も捕まる物好きはニナぐらいである。


「植物を生んでいた子は、豊穣者。……ハーヴェスターって名前だったかな?まぁどっちでもいいや。条件は街に隠れているアヤカってNPCが出す高難易度クエストを誰よりも早くクリアする事」


 リリィも詳細を聞いていなかった為知らなかったが、ミコはこの条件をクリアしていない。ミコはレアな敵が落とすレアアイテムで行ける盗賊団のアジトで、ランダムに選ばれたNPCの中にアヤカが混じっており、そのまま流れで撃破して転職アイテムをゲットした。運営も予想していなかったであろうレアケースである。


「笛を吹いていた子は、魔人使い。全身真っ青な人は彼女が生み出した魔人よ。少し前に軽く話題になっていた砂漠の蜃気楼神殿のクエストの報酬よ」


 ただでさえ見つけるのが困難な場所を特定し、その奥には神性持ちの敵とボスが待ち構えている。総じて難易度はかなり高い。ボスのHPを全て減らさなくても良いのはせめてもの慈悲だろう。


「……改めて言葉にすると、本当によく揃えられたわね」


「凄いでしょう。しかもあの4人、別にユニークジョブだから今回だけ仮で組んだパーティーって訳じゃ無いのよ」


「リアルラックが凄いわね……」


 そんな事を話している内に休憩時間は終わり、最後の試合の選手が会場へ入場する。

ツイッターの自画像を初期画像から変えたいけど画力が無いジレンマ

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