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48話

ニナ編のネタが浮かばず、気付けば一ヶ月以上経ってしまった……。

 皆と別れ、中途半端な一時間を使って街を自由散策するニナ。

 ニナはいつもの金髪を今日はサイドテールにしている。服装はセーラー服に白のタイツ、その上から黒いマントを羽織っている。

 ニナの隣には水色のツインテールに水色のロリータドレスを着た少女、スライム娘のソフィナがくっつくように歩いている。


「んー……、そろそろ髪色変えてみようかなぁ……」


 ニナは自分の髪を触りながら呟く。


「材料集め……めんどくさいんだよなぁ……」


 髪の色を変える為のアイテム、『ヘアカラー』は錬金術で作る事が可能である。ギルドの敷地内にあるエリナのアトリエでは錬金術師のエリナが様々な商品を売っており、その中にはヘアカラーも含まれている。だが、材料を持ち込んで作って貰う方が安く済む。

 ヘアカラーを作る材料は、効果故需要が高く、また上級者がレベル上げに行かない中盤ぐらいの敵しか落とさない上にそこそこレアである為、購入しようと思えば結構な値段になるのだ。


「まぁ、お金ないし。他にやる事も無いし行ってみますか。一時間で出るとは思えないけど」


 材料は、適正レベル50~60程の植物系が落とす『キャリアオイル』、死霊系が落とす『魔力石』、ヘアカラーの色を決める『色素』の3つ。


「魔力石は在庫があったはず……。キャリアオイルは、無かったかな……。問題は色素よねぇ……」


 色素は色によって入手難易度が大きく変わる。その辺に生えてる花を採取すればいいだけの色もあれば、ボスを倒さなければならない色もある。


「銀の色素は……確か北方の遺跡の敵が落としたわね」


 ニナが欲しい色は銀色。北方にある遺跡のボスが落とすアイテムである。


「確か、明日北方に行くって行ってたよね……。ついでに手伝って貰えるか聞いてみよう」


 これで残るはキャリアオイルである。


「んー……、あの程度の植物系なら、一時間あれば多少は狩れる筈……。行ってみよっと」


 そう言ってニナはソフィナを連れて森の二層へ向かう。一層は既に攻略済みなので、森の入り口にある魔法陣で一気に二層目へ飛ぶ。


「ここへ来るのも随分と久々ねー」


 森は入り組んでいる上に、主に出現する虫系や植物系は基礎的な能力が低い代わりに、状態異常等の厄介な能力を持ってる事が多い。

 要するに森は中盤以降は効率が悪い。なので経験値稼ぎに行く人は余りいない。

 ニナとソフィナが森を歩く事数分、人の唇の様な形をした花を咲かせる『リップフラワー』が現れる。


「んー……相変わらずの見た目ねぇ」


 そう呟いてニナが鎌を構える前にリップフラワーが舌を伸ばして襲ってくる。


「っと、あぶなっ。今は時間無いから、捕まってあげる訳にはいかないのよねぇ」


 ニナは舌を避けると、そのまま鎌で切り裂いて倒す。


「うーん、落ちない……」


 そのまま進むと、紫色のトレント、『エルダートレント』が現れる。

 トレントの上位種ではあるが、トレントとの差異はHPと魔法が使える事ぐらいである。


「ふむ。ザコね。ソフィナちゃんを連れて来る必要も無かったかな?」


【死神技法:魂の葬炎】


 蒼い炎がエルダートレントを包み、一撃で葬る。


「お?落ちた……。ラッキー」


 ドロップ画面に目的のキャリアオイルの文字が現れる。これでニナは森に留まる理由は無くなった。


「思いの外早く終わったわね。残った時間で何しようかな」


 早めに寝るという選択肢は無い。


「街に戻って適当にブラブラするのも良いし……ソフィナちゃんと戯れるのも良いし……」


 そんなニナの視界にふよふよ漂う何かが映る。


「うん?あれは……」


 そこに居たのは蝶のような翅を持った手のひらサイズの女の子。つまり妖精である。


「これは……運が良いわね」


 妖精は本来、妖精の島という小島にしか生息しないが、稀に洞窟等を除いたフィールド上の何処かにランダムで出現する。

 ニナは早速、妖精の元へ駆け寄る。


「こんにちは、妖精さん」


「人間さん、こんにちは」


 妖精はニナに声を掛けられ、ニナの方を向くと笑顔で挨拶する。

 ランダムで出現する妖精は、こちらから襲わない限り襲ってくる事は無い。ただ、10分間くすぐらせてという要望を叶えてあげれば彼女達の特製アイテムを一つランダムで貰う事が出来る。

 妖精の名を冠するアイテムは、そのどれもが特に強くは無いが、特殊な能力が付与されており、強いかどうかは別として無二の性能を誇る。

 ニナは丁度、微妙な時間が余っていた為、妖精の希望を呑む。


「それじゃあ、始めるね」


 妖精を中心にエリアが形成される。ソフィナは端に寄って控える。

 そして無抵抗のニナをツタの様な植物が絡め捕って拘束する。妖精はある程度の植物を操る力を持つ。ツタや木の根を多少操る程度だが。


「んっ……!ふふっ……!」


 妖精は手始めに、小さい体を活かして服の中に入り込み、右の脇腹に小さな両手を這い回らせる。


「んひっ……!くっ……ふふっ……!やぁっ……!」


 妖精の小さな体によるくすぐりは、他では味わえない独特の感覚を齎す。しかし、一人しか居ないので大笑いする程の刺激にはならない。なので、妖精の島では常に10人前後が群れで行動して集団で襲ってくる。


「ふひっ……!ひっ……ははっ……!」


 1分程脇腹を集中的に責めると、次は太ももに移動する。


「んふっ……!はひっ……!やっ……はぁっ……!」


 妖精はツタを巧みに操り、右の内ももをタイツ越しに両手でくすぐると同時に、左の内ももには丁度翅が絶妙な距離で触れる様にする。


「ひぁっ……っはは!こそばいっ……!」


 反射的に太ももを閉じようとするニナ。だがツタはしっかりとニナの足に巻き付き、動かせない様にしている。


「ふっ……!ふふっ……!あはっ……!」


 妖精はニナの内ももに張り付き、全身を使ってニナを責める。


「んひぃっ……!ぃあっ……!はははっ……!やっ……だめっへへへっ……!」


 妖精の足が、腕が、手が動く度にニナは内ももからくすぐったさを感じ、体を震わせ、口からは笑い声が漏れる。


「んっふふふ……!あははっ……!ふふっ……!」


 やがて、妖精は太ももから離れると、ツタを操り始める。


「はぁっ……はぁっ……?」


 ツタは服の袖から中に侵入し、ニナの脇を撫でるようにくすぐる。


「ふひっ……!やぁっ……!っははは!んっ……!んひっ……!ふふっ……!」


 ツタの先端がニナの脇を不規則に撫でる度に、ニナはくすぐったそうに体を捩る。

 そして妖精は、ニナの顔に近づき、右耳に張り付く。


「ひゃぁぁっ!ふはっ……!やぁっ……!耳はぁっ……!」


 耳に張り付いて両手を動かすと、ニナは体を大きく震わせる。その反応を気に入ったか、妖精はそのまま小さな舌で耳を舐める。


「んひゃぁ……!ぁっはは!はぁっ……!ふひっ……!ひぁっはははは……!」


 脇をくすぐっていたツタは、脇だけでは飽き足らず、脇から脇腹までの体の側面を縦横無尽に這い回っていた。


「あはははっ……!んひひっ……!ふひゃぁっ……!はぁっはははは!」


 更に妖精はツタを増やし、太ももを再度くすぐる。


「あははっ……!はぁっ……!ふふっ……!ひゃぁっ!っはははは!」


 タイツ越しとは言え、その刺激はニナに確かなくすぐったさを与える。


「んひっ……!ふふっ……!ひぁ……!んっふふふふ!」


 妖精自身も、耳に張り付いたまま手は一時も休めず動かし続け、舌で耳を舐めつつ時折「こしょこしょ……」と囁き、ふーっと息を送る。


「ふぁっはははは!ははっ……!んひっ……!ひっ……!ふっ……!ふふっ……!んふふふっ!」


 ニナはこのまま約束の10分が過ぎるまでくすぐられ続け、終わった頃には立てなくなっていた。

 

「ありがとうございます。これは約束の品です」


 こうしてニナが貰ったアイテムは『妖精の髪飾り』という、桃色の菊の花の形をした髪飾りであった。

 肝心の効果は、装飾品としての能力値はほぼ無し。しかし魔法の威力が上がる代わりに、時々触られても居ないのにくすぐったさを感じるようになるという、強いのかどうか良く分からない特殊能力が付与されていた。

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