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47話

長くなりそうだったのでミコとモモの分だけ。

ニナは次話になると思います。多分。

 皆と別れ、単独行動で街を散策するミコ。黄緑色を基調とした、スカートが膝まであるワンピースに茶色のブーツ。赤い髪には黄色い花の髪飾りが前髪を留めている。ミコの普段着である。


(ももっちのスキル探しもしてあげたいけど、今日は自分のスキル探しにさせて貰おうかな)


 ミコも自分のスキルの少なさに密かに悩んでいた。なので自分のスキル探しに時間を使おうと決める。

 現状、ミコが習得しているスキルは、植物に実を成したり、植物を操ったりする技能が殆どである。それ以外は専用装備の製作スキルと、植物を生み出す元となる種の製作スキルぐらいである。

 既存の職業なら攻略サイトを見るなり団長達に聞けば分かるだろう。だがユカ達4人はユニークスキルなので、情報が一切無い。

 とは言え、ミコは現状でそれなりに戦えていたのでモモ程スキル習得に積極的では無かった。


(ん?あれは……)


 そんな事を考えながら街を歩いていると、ミコの視界に植物園という施設が現れる。


(植物園……。何かヒントとかあるかな)


 そう思い、ミコは植物園の中に入っていく。建物は一般的な植物園と違い、ドームの様な形状の建物で、植物はほぼ室内で管理されている。また、天井だけがガラスになっており壁は普通の建材で作られている。

 入り口の受付で入場料を支払い中に入ると、順路が定められている。順路に沿って通路を進んでいくと、片側の壁がガラスになり、そこでどのような植物がいるかが分かるようになっている。その近くに扉があり、そこに入ればその植物を楽しめる仕組みになっているようでる。


「植物でも、姿を見ればどういう事してくるのか何となく分かるんだねぇ……」


 ミコがガラス越しに見る植物は筆先の様な花(?)を触手のようにウネウネと蠢かせている。


「ふむ……。ちょっとだけならいいかな……」


 ミコはそう呟いて部屋の中へ入る。部屋の中には更に扉が3つあり、どういう事かとミコは頭を傾げる。しかし、全ての扉を一回開けて中を見て納得する。3つとも奥にいる植物は同じだったのである。

 つまり、3つの扉はくすぐられている姿を他の人に見られない為の個室という事である。ミコは納得すると、その内の一つに入っていく。

 ミコが入って扉を閉めると、扉に鍵が掛かる。そして先程部屋の外でガラス越しに見た触手の様な花が腕や足に絡み付いてくる。入って来るのはそういう目的の人だけだからか、動きは随分とゆっくりだった。


「んっ……ふふっ……!」


 一本がミコの頬の先端で撫で、そのまま耳へ移動しくすぐるように動く。そして何本もの花がミコを服の上からくすぐる。


「ふっ……ぅんっ……!」


 しかし形状が筆の様である為、流石に服の上からでは大した刺激にはならない。事実、ミコの意識は耳へ移っている。

 それを察してか、花は服の袖口から中へ侵入し始める。


「んふっ……!ふひっ……!ちょっ……素肌は……!」


 侵入する時、二の腕を花が撫で上げ、その刺激で花が服の中へ侵入している事に気付く。気付いたところでどうしようも出来ないが。


「んっふふふふ!やぁっ……!くすぐったい……んひっ!」


 花はミコの右脇を先端でなぞるように動き、じれったくもくすぐったい刺激を送る。そしてもう一本の花が左脇に押し付けるように密着し、そのまま回転させてぞわぞわするような刺激を与える。


「んひゃぃっ!ひゃははははははははっ!それっ!だめっへへへへへ!」


 意識が脇に向いてる間に4本の花が、ミコの内ももを撫でる。


「ひゃぅっ!っはははははははは!太ももは、だめっ!っはははははは!」


 服の中に入って来る花はまだ増える。上から2本、下から2本侵入し、それぞれお腹や体の側面を優しく撫でてくすぐってくる。


「ひぁっはははははははは!あはっ!はぁっ!はぁっ!はぁっははははは!」


 そのままミコは5分程くすぐられ続けると、満足したのか解放してくれる。ミコは地面に寝そべり、大きく呼吸して息を整える。


「はぁっ……はぁっ……!んぅっ……?」


 息を整えていると、ミコの前に製作レシピが解放されたという画面が現れる。


「なにっ……、これっ……。どういう……」


 試しに製作を行使すると、作れる植物の種が増えていた。それが、今まさにくすぐっていた花の種である。


「なるほどっ……、こうして増やしていけって事か……」


 つまり、種が無い植物にくすぐられれば、何故かその植物の種の製作方法を習得できる、という事である。


「これは……他の部屋にもいかないとダメかなぁ……」


 しかし時間的にも、体力的にも、行けて後一部屋である。ミコは部屋を出ると、廊下を歩き、ガラス越しの植物を一つ一つ見ていく。そして少し悩んだ末に、一つの部屋に決める。

 そこに居た植物は、人を丸呑みに出来そうなほど巨大な花だった。ぱっと見の姿はタマネギの様だが、先端から花弁が8つに分かれ、花弁の内側には細かいヒダの様なモノがびっしりと生えており、触手の如く蠢いている。


「あからさまにヤバそうだよね……。でも、これを操れるようになったら強くなれるかも……」


 そんな事を企みながら、ミコは部屋の中へ入っていく。部屋の中ではミコを歓迎するかのように花が花弁を大きく開いていた。

 ミコはゆっくりと、その花の元へと向かう。


「うわぁっ!?」


 ミコの両足が花弁の上に乗ると、花弁が急に動き出し、ミコの四肢に絡まり動けなくする。そしてスカートから花弁が侵入し、ミコのお腹や脇腹や腰等に巻き付き、花弁の内側を擦り付ける。


「んひぃっ!ひゃはっ!いきなりっ……!あはっ!あっはははははははは!」


 まるで、柔らかいブラシ等でゴシゴシされているような強いくすぐったさを感じるミコ。


「あはははははははっ!あはっ!やっははははははは!」


 さらに太ももにも花弁が巻き付き、そのまま上下に動き、太もも全体に花弁の内側を擦り付ける。


「ぃやっはははははは!だめっ!っはははははは!」


 花弁は太すぎる為、スカート以外からは服の中への侵入は難しい。なので、服の上から、両脇をくすぐり始める。


「んぁっははははははははは!脇、だめっ!やぁっははははははは!」


 服の上とはいえ、弱い部位なので十分なくすぐったさを感じる。


「あはははははっ!あはっ!だめだってぇっへへへへへへへへへ!」


 花も単調に動く訳では無い。


「ひゃぁっははははははははは!ははっ……!はぁっ……?んひぃっ!っははははははははは!」


 緩急をつけたり、時折止まったりして油断を誘い、刺激に慣れないようにする。


「やぁっははははははは!んひゅぅっ!ひゃぃっ!っはははははははは!」


 ミコはこのまま5分程度くすぐられた末に解放された。そして、無事に植物の種の製作方法を入手する。


 時は少し遡り、植物園をミコが訪れている時のモモ。

 モモは現実からの呼び出しをチャットで受けてログアウトしていた。


「それで、どうしたの?」


 香織の部屋来ていたのは、二つ下の妹の佳奈。姉と同じ黒色の髪はショートで切り揃えられており、桃色のパジャマを着て香織の部屋に訪ねて来た。

 因みに外部と連絡が取れるチャット機能は香織の部屋に置いてあるノートパソコンに搭載されており、これはどのゲームでも使用する事が出来る為、ここからどのゲームをプレイしているかがバレる事は無い。


「構って」


 佳奈はただ一言、そう言ってきた。

 彼女は流石姉妹と言うべきか、姉と同じ様な性格をしている。その為表情等からは感情が読み辛いが、産まれた時から付き添って来た香織は理解する事が出来る。


「そう言えば、最近全然構ってあげられなかったわね」


「そう。私のお姉ちゃん分が尽きかけている」


 そう恥ずかし気も無く言ってのける佳奈。そのまま香織に抱き付く。


(しかし、この子もいつまでこうするつもりなのかしら……)


 佳奈がこうした事をするのは昔からなので気にしていなかったが、佳奈ももう中3である。中学に入って思春期を迎えれば勝手に離れて自立するだろうと香織は思っていたが、一向にその兆候は見られない。


(むしろ最近は悪化してるような……?気のせいかしら)


 一方の佳奈は満足そうに頬を緩めている。

 そんな佳奈の様子を見て、香織は(まぁ良いか)と考えるのを止める。


「んっ……、佳奈……。少し、くすぐったい……」


 始めは好きにさせていたが、佳奈が抱き付きながら顔を擦り寄せたり、香織の体が小柄な事もあり抱き付いた佳奈の手が脇腹の辺りを触れたり離れたりして、僅かではあるがくすぐったさを香織は感じる。


「お姉ちゃん。そんなにくすぐったがりだったっけ?」


「昔の事はっ……、ふぅっ……、覚えてないけど……、んっ……、あんまり動かないで……」


 そう言って香織が静止を求めるが、佳奈は止まらない。


「んくっ……、ふふっ……!ねぇっ……、佳奈っ……!」


 だが佳奈は止まらない。どころか、更に動きを早くする。


「んふふっ……!ちょっと……!佳奈っ……!やめっ……!んふゅっ……!」


 再度の静止を聞かず、更に指を使って本格的に香織をくすぐり始める。


「ふふっ……!ふはっ……!くすぐったいって……!」


「お姉ちゃん、可愛い……」


 遂に香織は耐え切れなくなり、床に倒れる。


「んふふふふっ!や、めっ……!ふひゃっ!ふふふっ!」


 それでも、佳奈の手は止まらない。


「ふふっ!ははっ!やっ!っはははは!ねぇっ!やめっ!っふふふふふ!怒るよっ!」


 そこでようやく佳奈が正気に戻り、香織から離れる。


「お姉ちゃん……、ごめん。ちょっと、夢中になってた……」


 香織は大きく息を吸って呼吸を整える。

 その間、佳奈は何か怯えるような目で香織を見ている。


「怒ってる……?」


 恐る恐るといった表情で香織に訪ねる。


「……怒ってはいないわよ。ただ、次は止めてね」


 ようやく落ち着いてきた香織は体を起こす。


「……うん」


 佳奈はまだ少ししょんぼりしている。


「……しょうがないわね。一緒に寝てあげるから、そんな顔しないで」


「……うんっ!」


 香織の言葉を聞いて、パァっと笑顔を咲かせる佳奈。

 二人は今夜、同じベッドで眠りに落ちていく。

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