表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/159

番外編 ニナ2

29話のギミックの話です。

 4月のある日。ニナはユカを誘ってピラミッドに来ていた。目的は、敗北イベントを堪能する為である。

 尚、ミコとモモは用事がある為不在である。


「最後のは、やらなくてもいいよね。最初のも……まぁ良いかな。全部やる時間も無いしねぇ。取り敢えず4層からでいいかな?後は時間次第で」


「そうね。4層と3層の二つが出来ればいいかな」


 そう話を纏め、ピラミッドに突入する二人。一度クリアしてる事もあり、一層二層を難なく突破する。

 そして3層目、取り敢えず4層目を先にやろうという事で3層目も手早くクリアし、ようやく4層目に辿り着く。

 この層は後ろから迫り来る手が生えた壁に捕まる前に物に刻まれた数字を入力するという場所である。

 以前は4人で協力し突破したが、今回の目的は別である。


「改めて見なくても、凄い光景ね……」


 ユカが迫る壁に生えた手を見て若干引く。ニナは隣の部屋にいる為、今捕まっても誰に見られる心配もない。

 そうして二人はわざと壁に捕まりに行く。


「くくっ……!ふひっ……!あはっ……!」


 ユカはある程度まで壁に近づくと、振り返って背中から壁に生えた手に捕まる。


「はっ……!はひっ……!んんっ……!くふっ……!」


 手はユカの両手両足を掴み、服の上から両脇と脇腹をか細い指でくすぐり始める。


「くひっ……!んふっ!ふはっ!んっふふふふ!」


 手はまだ有り余っているが、まだ全ては動かない。まるで焦らすようにゆっくりと動く。


「くひゅぅっ!ふひゃっはははは!あはっ!ははっ……!ふひひっ!」


 手の内二本がユカの内ももをスパッツの上から優しく撫でる。


「ふひゃっ!あはっ!ふぁっはははははは!」


 突然、何本もの手がユカの体の側面に群がる。その為、脇から脇腹までほぼ全てがくすぐられ、我慢できない刺激が一気に襲い掛かる。


「あははははっ!やぁっ!あはっ!っはははははは!はひっ!ひゃぁっははははははは!なにしてっ!?あはははははは!」


 手が器用にユカのブーツを脱がす。そして靴下越しに、片足二本の、計4つの手が足の裏を責め始める。


「ひゃぁっははははははははは!ははっ!あっははははははは!だめっっへへへへ!っははははははは!」


 二本の内一本は爪を立て、土踏まずを重点的に。もう一本は指を蠢かし、足の指とその周りを責める。


「ふひゃっははははははははっ!これっ!はひっ!いつまで続くのっ!っははははははははは!ひゃぁっははははははははは!」


 唯一、お腹周りだけは手が届かずくすぐられていない。その分背中にはおびただしい数の指が這い回っているが。


「くひゃっはははははははははは!ふひひひひひひっ!ひぁっははははははははははは!」


 一方、ニナ。

 ニナはユカと違い、始まって速攻で捕まりに行った。しかもダイブする様に行った為、壁の方を向いて捕まっている。


「あははっ!あっははははははははは!」


 その行動を讃えてか、手も初めから全力でくすぐっている。


「ふひゃぁっはははははははははっははは!あははははははははは!はぁっはははははははは!」


 四肢を掴み、靴を脱がし、足先から耳まで余すところ無くくすぐる。


「ひゃぁっははははははははは!ふはははははははっ!ひゃはっ!っははははははは!」


 耳、首筋、脇、脇腹、お腹、太もも、足裏。多くの人がくすぐったいと感じる部位は全て指が這いずり回る。


「んひひひひひひひっ!ひぁっははははははははははは!あははっ!あっははははは!」


 突然、ここで手に変化が起きる。


「あはははははっ!?なにっ!?にゅれっへへへへへ!」


 ニナはユカより早く捕まり、前から捕まれに行った事もあり、ユカより早くHPが空になる。二人共知らなかった事だが、お仕置きで先に力尽きると追加で更にくすぐったくなるような仕掛けが施されている。

 ここは、手から何故かヌルヌルする液体が分泌される仕掛けである。


「ひゃっははははははははは!あぁっはははははははははは!はひゃぁっははははははははははは!」


 服の上とはいえ、液体は服に染み付き、素肌に到達し、確かな効果を齎す。


「ふはっはははははははは!はぁっははははは!あははははははっ!ひゃっははははははっはははははは!」


 因みに服は濡れても一定時間経過すれば自動で乾く。


「んひゃぁっはははははははははは!あはははははっ!はひゃっははははははははは!」


 ユカが力尽きるまでハードモードでくすぐられ続けるニナ。

 その後、ギルドハウスの自室にリスポーンし、少し休憩を取ってからユカと合流する。


「いやー楽しんだわー」


「そう。次は3層ね。内容からして足メインになりそうだけど……」


 そうして二人は移動し、約一時間かけてピラミッドに戻って来る。


「それじゃ、あんまり時間も無いし行ってみよー」


 そう意気込み、ピラミッドに入る。

 そして数十分で3層へ辿り着く。一方が足裏をくすぐられ続け、もう一方が幻影が混じった足を見てどれが本物の仲間かを見抜くギミックであるこの層。

 ニナはどれがくすぐられているユカかをすぐに判別したが、今回の目的は失敗する事である為、わざと幻影の偽物を選択する。

 選択すると、ブブーという音と共にニナに魔法が掛けられる。


「およっ?何も起こら……んひっ!?」


 何も起こらずニナは一瞬怪訝な表情をするが、次の瞬間には足を襲う刺激に笑みを浮かべる。


「くふふっ!これっ、感覚リンクかっ!ふひゃぁっ!」


 感覚リンク。一部の限られた魔物とトラップで登場する仕掛けの事で、一人が感じてるくすぐったさを他のもう一人にも感じさせる効果である。


「あはははははっ!見えないのきつっ!っはははははは!」


「ふひひひひひっ!ひぁっははははははははは!これっ、やばっ!」


 この仕掛けによってニナは誰にも触れられていないのにユカと同じくすぐったさを感じる。


「あははっ!はぁっ!はぁっ!はぁっははははははははは!はひっ!」


「んふふふふふっ!ふぇっ!?何っ!?」


 そしてニナの方に変化が訪れる。

 突如ニナの周辺に半透明の手が6本現れる。内2本がニナの両手首を掴み、上に挙げて万歳の姿勢にする。そして残った4本の内2本が両脇に、残りの2本が脇腹を掴み、その指を動かす。


「ふぁっ!?っはははははははははは!何っ!?脇と、脇腹、誰がぁっはははははははははは!」


「ひゃぁっははははははははは!ふひっ!ひぁっははははははははは!」


 手がニナをくすぐれば、当然リンクしているユカにも刺激は伝わる。


「あはっ!はっ!はぁっははははははははは!あっはははははは!」


「んぁっははははははははは!はひっ!んくっ!……っ!ぷはっ!っはははははははははは!」


 約10分間、二人はくすぐられ続けギルドハウスの自室にリスポーンする。

 その後合流するが、夜も遅いので今日はここまでという話になり、ログアウトした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ