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40話

年越し間に合いませんでした(

冬コミ楽しかったです。

 4人全員のレベルが70を超え、そろそろ装備を入れ替えたいと思ったミコの提案で、今日は久々に採掘場に来ていた。


「今回の目的は『ミスリル鉱石』の採取だから、大分奥まで潜らないといけないから注意してね」


 ミスリル鉱石。

 ファンタジーゲームの定番鉱石の一種で、このゲームにも登場している。装備制限70以上の武器の素材に必要になり、魔法武器を作る際には更に高レベル武器作成の素材にもなる。


「結構深くまで潜るのね。これなら、目的地の手前の休憩所で今日は終わりかしら」


 採掘場を始め、広大なダンジョンは一定間隔で休憩所と呼ばれる魔物が一切湧かない場所がある。時間が足りないプレイヤーはここでログアウトして、数日かけてダンジョンを攻略する。


「そういえば、ここの序盤に居たゴーストって、霊園のゴーストより弱かったよね」


「同じ魔物でも場所によって強さが変わる場合もあるのよ」


 目的地を確認し終えると、4人は歩き出す。

 序盤に出て来る魔物は相手にならず、一撃で倒して進んでいく。


「流石にこの辺はもう余裕ねー」


 余裕の態度で進んでいくミコの頭上から赤いスライムが降ってくる。


「でじゃびゅっ!?」


 以前も同じような体験をしたミコは何が起こったかを即座に把握した。またミコは頭上からスライムメスが降ってきたのだ。そしてスライムはミコが対応するより早く包み込んでくすぐり始める。


「はひっ……!んっ……!ふひゅっ……!んっ……ひっ……!やぁっ……!」


 特徴的なくすぐり攻撃に抵抗する事も出来ず悶えるミコ。


「ミコさん、変な声出さないでください」


(既視感が……)


「スライムメスか、この子のくすぐりいいよねぇ~」


 助ける気が無い3人。


「はっ……んぅっ……!ひゃぁぁ~~っ……!たすけっ……!ひぅっ……!」


「いや、二度も同じ手に引っ掛かる方が悪い」


 そのまま1分ぐらい放置したあと助け、回復してから先へと進む。

 そのまま進み続け、適正レベルが上がる次のエリアに辿り着く。


「こっからちょっと敵が強くなるわよ」


「まぁ、それでも私達のレベルならまだ余裕でしょ」


 ここは大した問題も無く、次のエリアに進む。


「まだ余裕ね」


 一撃とはいかなくなったが、それでも余裕で葬って進んでいく4人。

 そして4人の前に次のエリアの門番の様に立ち塞ぐ中ボスの『アダン・アラクネ』

 アラクネ種としては一番小さいが、その分スピードに長けており、比較的温厚である。その為、アラクネ種の中で一番人気が高い。


「この子、温厚って聞いたけど、戦わないでスルーしたり出来ないの?」


「無理ね」


 速攻で否定したユカの言葉通り、相手は既に戦闘態勢に入っており、エリアも形成されている。


「アラクネ種かぁ、そういえば私はまだ戦った事無かったわねぇ」


 ニナも鎌を構える。

 4人が戦闘態勢に入ると、アダンは10匹の子蜘蛛を呼び出す。その子蜘蛛は一番先頭にいるユカに向かって突撃する。


「このサイズ、服の中に潜り込まれたら厄介ね……」


 ユカが迎撃態勢に入るのを確認すると、ニナが鎌を振り上げて突撃する。


【死神技法:蒼炎舞】


 ニナがスキルを発動すると、鎌が蒼い炎を纏う。そのまま体ごと回転させ振り回す。


【忍術:火遁・業火】


 ユカが忍術を発動し、爆炎が子蜘蛛を纏めて焼き払う。


「小さいと厄介ねぇ」


 さて、とユカがアダンの方を向くと、ニナが糸でぐるぐる巻きにされていた。


「えぇー……」


 どういう事かとモモとミコの方を向く。


「えっと、になっちが鎌を振るって攻撃したんだけど、倒しきれなくて、そしたら相手の方が飛びあがって、になっちの背後に着地したらになっちがぐるぐる巻きになっていたって感じ?」


「否定する程間違ってないわ。ニナ、自力で抜け出せないの?」


 モモがニナにそう聞く。


「うーん、炎で焼ければダメージ覚悟で抜け出せる気がするけど……ひゃっ!?」


 ニナがもぞもぞと動いて抜け出せないか試していると、突然声を上げる。


「ふひっ……!なにっ……!?何がっ……!ひゃぅっ!」


 何事かとユカ達がよく観察してみると、糸がうっすらと紫色に光り、動いてる事が分かる。


「になっち、その糸動いてない?」


「そういえばアラクネ種の糸には魔力で動く物もあるって聞いた事があるわね」


 因みにその糸で作られた手袋は魔力を通す事で指先を触手の様に蠢かせる事が出来る人気商品だったりする。制作に時間が掛かるのが難点だが。


「ふひゅっ……!ひゅっふふふふ……!だめぇっ……!くっふふふ……!」


 糸がもぞもぞと動き、ニナが笑い声を漏らしながら芋虫のようにのたうち回る。


「になっちはもう無理かなぁ」


 ミコは銃を構え、素早く3発撃つ。しかしアダンは素早く動き、回避する。


「動きが早いなぁ……」


「その代わり、蜘蛛の巣は張らないのね」


「くひひひっ!ひゃぅっ!これっ……!段々つよく……!はひゃっ!ふっふふふふふ!」


 ユカが忍術を行使しようと手を翳すと、アダンは飛び跳ねて狙いをずらし、ユカに一気に飛び掛かる。


「っ!?」


 ユカが反応して回避するより早く、アダンが蜘蛛の下半身でユカを押し倒す。そして子蜘蛛を20匹呼び出し、ミコとモモにけしかける。


「離しっ……!ひゃぁんっ!」


 ユカが手を向け、忍術を行使しようとするが、蜘蛛の脚がユカの脇腹を引っ掻き回してくすぐって阻止する。


「くっ……!くくくっ……!だめ……!」


 蜘蛛の脚と人間の手を駆使してユカの両手を糸で万歳の姿勢で地面に固定すると、笑みを浮かべて両脇を手でくすぐり、体の側面を脚で引っ掻くようにくすぐる。


「くひっ!つよっ!ひゃぁっ!っはっはははははははははは!」


 唯一自由な足をバタバタと動かすが、全く意味をなさない。


「ひゃはっ!っははははははははははは!くすぐったいっ!あははははははははははは!」


 温厚な性格だからか、そんなに強くはしない。そこが人気の理由の一つでもある。


「くっ……!ふふふふっ!ふぁっははははははは!んんん~~~~っ!ぷはっはははははは!」


 綺麗な人の指が、ユカの脇を縦横無尽に蠢き撫で回す。


「ひゃははははははっ!はひっ!ふっふふふふ!っははははは!」


 それがユカに耐えがたい刺激を与え、口から笑い声が噴き出る。


「あっはははははははは!はっ、はっ、はひっ!ひゃぁっはははははは!」


 蜘蛛の脚もユカの体の側面に引っ掻くような刺激を与える。


「はぁっはははははははは!はぁっ、んっふふふふふ!ふはっはははははははは!」


 微妙に引っ掻くタイミングをずらしたりする等、刺激に慣れないように工夫もする。


「はぁっ!はひっ!ひぁっはははははははははは!あはっ!あっはははははは!」


 そしてようやく、ミコとモモが子蜘蛛を退治し、ニナも救出して、ユカの救出に向かう。


「やぁっ!」


【死神技法:魂の葬炎】


 ニナの放った蒼い炎がアダンを怯ませる。そして手早く糸を斬り、ユカを救出する。


「どうにか立て直したね……」


 ミコがそう呟き、アダンの方を向くと、何処からか取り出した白旗を振っていた。気付けばエリアも消えて行っている。


「敵か降参する事なんてあるんだね」


 ミコが銃を仕舞いながらユカとニナに聞く。


「比較的温厚な魔物娘はね。ある程度くすぐったら満足するみたい」


 4人はそのまま先を進み、小部屋のような場所に到着する。


「休憩所に着いたわね。もう遅いし、この辺にしておきましょう」


 既に夜も更けており、学生は寝ないと不味い時間になっていた。


「そうね。また明日にしましょう」


 次のエリアを抜ければミスリル鉱石が採取できるエリアに到達できるが、それはまた明日という約束を交わし、4人はログアウトする。

冬コミで遂に買ってしまいました……

ペンタブとペイントソフト!


人に見せられるレベルまで上達したらサークル参加したいなぁ……

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