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39話

色違いイーブイが出ない……


めっちゃ書いた気がしたけどそうでもなかった。

来年までにもう一本書きたいな……

 アップデートの日から約一ヶ月、4月の中旬頃、この日は優香達の学校の始業式である。

 二年生になり、新しい教室の新しい席に座る優香。


(モモさんとみこは別のクラスになったわね……)


 その隣の教室。


「ももっち。そろそろ元気出しなよ……」


 天井を仰ぎ、絶望的な表情をした百瀬香織がそこに居た。


「優香さんの居ない高校生活だなんて……」


 なんとか立ち直らせようと奮戦する事となる美琴。

 間もなく始業式が始まり、全員が移動する。先生達の話を聞き、つつがなく終わり、教室へと戻る。

 そして教室で各委員を決めたりし、早めのHRが終わり、帰路に着く。


「あぁ、優香さん。会いたかったわ!」


 優香を見つけるなりすぐに傍まで走って寄って来る香織。


「おつかれゆかちー。早く帰ろう」


 美琴もその後に歩いて優香の元へ。そのまま3人並んで歩いて他愛ない話を交わしながら帰る。


「そう言えば、風紀委員長は優香さんのクラスの二条成実さんが引き継ぐそうね」


 会話の中で香織がふと思い出したように呟く。


「あぁ……、あの白騎士とか、色々好き勝手言われてる」


 二条成美。香織に次ぐ学力の持ち主で、学年トップ2。自分にも他人にも厳しい堅物であり、何より特筆すべきは容姿である。美少女ではあるが、俗にアルビノと呼ばれる特徴を持っており、肌も髪も真っ白である。その容姿と性格から一部の生徒達からは姫騎士だの白騎士だの白の番人等、色々な呼ばれ方をしている。


「一年の時点で前風紀委員長にかなり信頼されてたものね」


 一年の夏休み前の時点で、次期風紀委員長は彼女だろうと噂される程であったため、大して驚かない優香。


「ところで話は変わるけど、今日はどうする?」


 美琴が話の方向を変える。


「ニナさんと合流してから考える予定だけど、そろそろ次の狩場に移ってもいい頃かもって考えてるわ」


 あれからレベルを上げ、4人とももう少しで70代に届こうとしていた。


「それじゃ、また後で」


 香織は途中で二人と別れ、自宅へ。優香と美琴は寮の自室へ向かう。


(二条成美……。にじょう、なるみ……。頭文字を取るとニナ……。まさかね……)


 美琴は自室に戻る途中でそんな事を考えていた。

 ゲームにログインし、程なくして合流する何時もの4人。今回は全員パートナーを連れていない為、久々の4人である。


「じゃあ、今日の行先はここで良いわね」


 話し合い、本日の狩場を決める。行先は魔女の屋敷。入り口付近でも敵性60後半の敵が闊歩している最上級ダンジョンの一つである。何よりここは、人型の敵が多いのも特徴である。


「異論なーしっ!」


 ニナが元気よく返事する。

 そうして移動を始める4人。道中は問題なく、無事に魔女の屋敷に到着する。木造の如何にも屋敷といった屋敷に怯む事無く入る。


「中は結構綺麗なのね」


 モモが入り口周辺を見渡しそう呟く。


「ももっち、ホラーゲームにでてくるやられ役みたいだよ、セリフが」


 みこが苦笑いを浮かべてそう返す。何故なら既に4人の目の前に敵がいるからである。


「ファミリアが4人か……」


「豪勢なお出迎えね」


 ユカとニナがそんな事を言いながら武器を構える。

 魔女の使い魔、ファミリア。容姿は大元の魔女の趣味によって違うが、本質や強さは一定である。魔女の屋敷の中では最弱だが、それでも70近い適正レベルが必要な程強い。今回4人の前に現れたファミリアは18ぐらいのどことなく学生服っぽい服を着た容姿である。


「ここの敵は魔法メインだから、注意してね」


 ニナが全員に注意を促す。

 先に動いたのはファミリア達。


【魔術:影の虚像】


 ファミリア達が魔術を発動させると、全身真っ黒の人型の何かが一人に付き二人、計8体出現する。これで相手の数は4人から12人に増える。


「いきなり数が増えたけど……」


 嫌な予感を募らせるミコ。


「影のHPはそんな高くないわ」


 そう言ってユカが縮地で一気に距離を詰め、忍術を叩き込む。


【忍術:火風遁・火災旋風】


 ユカが最近新しく覚えた忍術、複数の属性の複合技である。炎を纏った小規模の竜巻がファミリア達を襲う。


「流石にファミリアのHPを全て削りきるのは出来ないか」


 影は全て倒せたが、ファミリア達は全員健在である。


「ユカちゃん、下がって!」


【死神技法:滅魂の焔】


 ニナが鎌を振るい、巨大な蒼い炎がファミリアを呑み込み、残ったHPを削り切る。


「こんなもんねぇ」


 そうして4人は入り口周辺をウロウロしてファミリア達を倒し、経験値を稼いでいく。そこへ、始めて見る魔物が現れる。

 見た目は10歳程度の少女。だがニナとユカはその少女が何なのかを知っていた。


「まずい、わねー……」


「ウィッチかぁ、そう言えばこの子は全域徘徊型だったわねぇ」


 ウィッチ、ファミリア達の使役する存在で、魔女の屋敷を徘徊する魔物。その適正レベルは80を超える。


「ゆかちー、あれ倒せるの?」


「多分、無理」


 しかし既にエリアが形成されている。ウィッチは多種多様な魔法を操るので、逃げるのは至難の業である。


「やるしかないわねぇ……。多分負けるけど」


 ニナがそう言って鎌を構え、3人もそれに続く。


【召喚術:ファミリア】


 さも当然の様にファミリアを6人召喚するウィッチ。顔を引き攣らせる4人。容姿が同じの為、入り口で出会ったファミリアと同じ召喚主だろう。


【忍術:火雷遁:爆雷】


 ユカが忍術を発動すると、雷が降り注ぎ、雷が落ちた場所が爆発する。ユカの忍術で現状叩き出せる最高火力である。しかしそれでもファミリア達を一撃で倒す事は叶わない。


「それっ!」


 ミコが種をばら撒く。


【魔術:ウィンドストーム】


 しかし、ウィッチの放った魔法が種を吹き飛ばしてしまう。


「えぇー……」


 自分の攻撃手段が封じられ、意気消沈するミコ。

 続いて攻撃しようとするニナに、ウィッチは手を翳す。


【魔術:服憑】


「ひゃぁっ!?」


 突然声を上げるニナ。


「ちょっ、何が……んひっ!ひゃめっ……!くひっ……!」


 体を抑え、くすぐったそうに身を捩る。


「服が……っ!あははっ!やめっ!あっははははははは!」


 ニナを襲うくすぐったさはウィッチが行使した魔術が原因である。【魔術:服憑】は対象の衣服を乗っ取り、触手服のような状態にしてしまう魔術である。解除方法は使用者のHPを一定以上減らす以外に無い。


「あっははははははははははは!やぁっはははははははははははははは!」


「ニナはもう駄目ね……」


 あれは復帰できないと救援を諦めるユカ。


「でも、どうする?」


 ミコが種と水を同時に発射できる特殊拳銃を取り出しつつユカに作戦を問う。


「各自全力を尽くせ」


「カッコよく言ってるけど、要するに無作戦だね」


 言い終わると同時に、ユカが縮地で距離を詰める。


【忍術:火遁・業火】


 ユカが忍術を使い、爆炎を生み、同時に後ろに下がる。それとほぼ同時にミコが銃を3連射、ウィッチの足元に撃つ。そこからフサフサの羽毛のような葉の生えた植物が生まれ、急成長する。それらは残ったファミリア達に絡みつき、服の中に入り込み、素肌をくすぐり始める。


「な、なにこれぇっへへへへへへへへへへ!?」


「や、やぁっはははははははははははははは!」


「あはっ!あっはははははははははは!!」


「たすけっ!ひゃっははははははははははははは!」


 ファミリア達の笑い声が響き渡り、残った少ないHPを減らしていく。


【魔術:コピードール】


 ウィッチが魔術を発動すると、ウィッチに瓜二つの少女が左右に展開された魔法陣から現れる。【魔術:コピードール】は自身の分身を生み出すウィッチの固有技である。HPはウィッチ自体の1割しか無いが、魔法無効という特徴がある。


「分身を先に潰した方が良いわね……」


【聖術:アングー】


 モモが聖術を発動させ、ユカの物理攻撃の威力を上昇させる。


【聖術:魔導陣】


 続けて聖術を発動させ、モモを中心に地面に大きな魔法陣が描かれる。この魔法陣の上で魔法を撃つと、その魔法の威力が上がる魔法である。


【忍術:火雷遁:爆雷】


 ユカが忍術を発動し、強化された高火力魔法を叩き込む。ウィッチには確かにダメージを与えたが、魔法が効かないコピードールには全くダメージが入っていない。


【魔術:テレポート】


 2体のコピードールがテレポートでモモの真後ろに瞬間移動する。


【魔術:魔の枷】


 そして魔術を発動し、モモの四肢を魔法陣が拘束する。


「えっ!?何、いつの間に!?」


 突然拘束されたモモは後ろを見て更に驚く。この魔の枷は対象の魔力が大きければ大きい程強力な拘束となる魔術で、術師が捕まれば独力での脱出はほぼ不可能である。

 コピードール達はモモに近づき、両手でモモの体をくすぐり始める。


「ふひっ……!いやっ……!やっ……めっ……!ふふっ……!」


 二人がかりで体をくすぐられるモモ。


「だっ……めぇっ……!ふふふっ!ふはっ!ふはっははははははは!」


 コピードールに感情は無く、ひと時も手を緩める事無くくすぐられ、笑い声が弾ける。


「ふはははははははははははっ!んん~~~~~~っ!ふはっ!っははははははははははははははは!」


 片方は優しくゆっくりくすぐり、もう片方が強く激しくくすぐる。そして不定期に役割を交代し、予想外の刺激を与える。


「やめっ……!てっ……!~~~~~っ!ふひゃぁっはははははははははははは!」


 ローブ越しとは言え、コピードール達のくすぐりの技術はかなり高く。耐えるのは至難の業である。


「だめぇっ……!ふっふふふふふ!やぁっはははははははははははははは!」


 くすぐられながら、視線をユカ達に移すと、今尚ウィッチと戦ってるユカとミコが見えた。


「モモさんも、あれは無理ね。救援に行く暇が…無いっ!」


 ウィッチの魔法陣から生まれた触手を躱し、火遁を叩き込むユカ。


「私の技警戒で動き回られてるなぁ……どうしよ」


 既に何発か撃ったが、そのすべてを避けられる。


「みこ、よろしくっ!」


 そう言ってユカが縮地で距離を詰める。そしてそれを待っていたとばかりにウィッチは膨大な触手を自身の周囲に召喚する。


【剣技:居合・絶空】


 ユカが腰の忍者刀を手にし、自身の周囲を切り払う剣技を発動する。

 今までユカは忍術メインで戦ってきたが、忍者は忍者刀による剣技も行使できる職業である。刀が小さい為、通常よりも威力は控えめだが。


「なっ……!?」


 全く予想していなかった事に、初めて驚きの声を漏らすウィッチ。その為、地面に着弾する種に反応が遅れる。

 先端が筆の様になっている蔓のような触手が、あっという間に生み出され、ウィッチを捕える。


「……っ!」


 すかさずウィッチはテレポートで脱出しようとするが、少し遅かった。すぐ目の前にいるユカがウィッチの脇腹をツンと突っつく。


「んひゃいっ!?」


 その瞬間、素っ頓狂な声を上げるウィッチ。その隙を逃さない触手がウィッチの耳を、首筋を、丸見えのへそを。肌が露出してる部分に群がり、優しく撫でる。


「んひぃっ!ふふっ!やめっ……!」


「やっとこっちのターンだね。さて、どう調理しようか……!」


「結構くすぐったがりなのね。ならこのまま脇腹を……」


 ミコが悪い顔をしてウィッチを睨み、ユカは引き続き脇腹を責める。


「ひゃんっ!ふふっ!ふひっ!やめっ!あはっ!」


 ユカが脇腹を突く度に体をびくりと震わせ、口から笑い声が漏れる。


「もしかして、脇腹弱いのかしら?なら、今度は揉むように……」


「そんなこと……っ!ひゃぁんっ!」


 ユカが脇腹を掴むと、見た目相応の少女の声を上げる。


「ビンゴ……」


「やめっ!っははははははははははははは!ひゃぁっははははははははははははは!」


 そのまま手を動かすと、体が大きく震え、笑い声が噴水の様に噴き出す。


「暴れないで……、みこ」


「はいよー、ゆかちー。それっ」


 返事をすると、ミコが指をぴっと動かし、それに合わせて蔓が蠢き、暴れられない様に入念に巻き付いていく。そしてそのまま服の中にも侵入を始める。


「だめぇっへへへへへへへへ!やだぁっはははははははははははははっははは!」


 そしてウィッチの体力が減った事により、ニナが解放され、そのままニナが鎌でコピードール達を倒す。そしてモモとニナがウィッチに近づいていく。


「さて、たくさんくすぐってくれたお礼をしないといけないねぇ……」


 悪役のような笑みを浮かべるニナ。


「そうね。悪戯が過ぎたわね」


 明らかに怒っていると分かる表情をするモモ。ニナは後ろに回り込んで脇に両手を添える。モモはミコに頼み、蔓で太ももから足を持ち上げて貰い、靴を脱がし始める。蔓はそのまま太ももを撫で始める。


「あ、じゃあ私は反対側をやるね」


 ミコがモモとは逆の足の靴を脱がす。ウィッチは、これから何をされるのかを十分に理解していた。HPはまだ6割も残っている。


「ひゃめっ!っははははははははははははは!ひゃめてぇっへへへへへへへへへへ!」


「さぁて、何を言っているのかさっぱり分からないわね」


「くすぐりの良さ、沢山伝えてあげるよ……!」


 そして四人と蔓による無慈悲なくすぐり責めが始められる。


「っ!っははははははははははははははは!むりっ!やぁっはははははははははははははは!あっははははははははははははは!ゆるしてぇっへへへへへへへへへへへへへへ!」


 こうなってはウィッチといえども、ただの少女と同じである。HPが全て無くなるまで無慈悲なくすぐりを受け続ける。


「あはっはははははははははははははははは!ひゃっははははははははははははは!」


 ユカが脇腹を揉み。


「むりむりっ!っははははははははははははは!やぁっはははははははははははははは!」


 ニナが両脇を両手でくすぐる。時に小刻みに指を別々に動かし、時に全ての指でワシャワシャと。


「あははははははははははははははははははっ!たすっ!っははははははははははははは!」


 ミコの蔓がおへそを這い回り、太ももを撫でる。これがゾクゾクとしたくすぐったさを与える。


「ひゃぁっははははははははははははは!あはっ!あっはははははははははは!」


 ミコとモモがそれぞれ、足の裏を10の指で思いっ切りくすぐる。


「やぁっはははははははははははははは!~~~~ひひっ!ひゃっははははははははははははは!」


 ウィッチはみるみるとHPを減らしていき、数分後には空となりその場に倒れる。

 そのままユカ達は謎の達成感を感じ、その日の狩りはお開きとなった。

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