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番外編 クーシャ2

リアルで書ける時間が中々確保出来ず(←言い訳)、気付けば一か月以上たってたすみません……


取り敢えず何か書かなきゃとなった結果短めの番外編になりました。

次は本編に戻ります。

ユカちゃん書きたい。

 ユカの姉(ユカは姉がゲームをやっている事は知らない)であるクーシャは、今日もゲームにログインし、書きかけの魔物図鑑を開き、執筆する。


「今日は、森の魔物を書こうかしら」


●センティピード

・魔虫種

・耐性属性:無し 弱点属性:火

・生息地:森の入り口付近

・ただ単純に巨大化したムカデ。恐らく二番目に弱いが、捕まればムカデの名に違わぬ多くの足で体中をくすぐってくる。足は人間の爪ぐらいの硬さで細く柔らかい毛が大量に生えている。最も、動きはそれほど早くない上に耐久面に関しては最弱筆頭なので、余程の事が無い限りは捕まらないだろう。


「これに捕まるのは正直ちょっと嫌だったわねぇ……」


 クーシャは最初にこの魔物と出会った時、ユカと同じように一撃で切り伏せていた。しかし魔物図鑑を書こうとしたとき、流石に一度はくすぐられてどのようにくすぐってくるのか知っておかねばならなかった為、やむなくくすぐられに行った。

 森へ行き、ムカデと出会い、そしてわざと捕まる。クーシャに背中からのしかかったムカデは、たくさんの足を使って服の上からクーシャをくすぐる。


「くひっ!はぁっ!っふふ!これっ!結構っ!ふひゅっ!くすぐったっ!はひゃっ!」


 脇から脇腹までを足でカリカリと引っ掻くような刺激を与えられ、口から笑い声が漏れる。


「ふひひっ!ひはっ!ひゃぁっ!?」


 ムカデが足でクーシャの両手を掴み、そのまま体を持ち上げ、クーシャを押し倒しているような態勢からムカデに抱えられているような態勢になる。そのままムカデの余っている下半部を折り曲げ、クーシャを体で挟むようにする。


「あはっ!むりっ!あははははははははははっ!ひゃっはははははははははははは!」


 そうなれば脱出は困難となり、さらに挟んできた部分の足がクーシャのお腹をくすぐり始める。


「あははははははっ!はれっ!?靴どこいっ!たぁっはははははははははははは!」


 くすぐられて笑い悶えている内に、器用に足を動かして靴を脱がし、靴下越しに足の裏を無数の足がカリカリと引っ掻く。


「ひゃっはははははははははははは!きつっ!っははははははははははははは!やぁっははははははははははは!」


 幸いな事にくすぐりによって与えられるダメージは防御無視の固定ダメージの為、レベル差が大きくとも永遠にくすぐられる事は無い為、5分程度くすぐられる程度で済んだ。

 最も、その後お仕置き部屋にワープされるが。


●マジカルバタフライ

・魔虫種

・耐性属性:魔法 弱点属性:物理

・生息地:森全域

・見た目は10センチ程の大きさの蝶で、羽の色や模様は定期的に変化する。森の全域で遭遇できるが、出現率が低いレアモンスターである。常に10匹以上の群れで行動し、森を彷徨っている。常に魔法によるバリアの様なモノを展開しており、ソレによって魔法が非常に効きにくくなっている。プレイヤーを発見すると、全部が一斉に接近して、包み込むように周囲を漂い鱗粉をまき散らす。包囲が完了すると幻惑魔法を駆使して様々な方法でくすぐる。幻惑に何故実態があるのかは不明(実体を持つ幻惑魔法は他に確認されていない)。暫くくすぐられると、蝶自身も体に殺到し、汗を口吻と呼ばれる蝶の口で吸ったり舐めたりしてくる。


 初遭遇時のクーシャ。


「綺麗……。蝶の群れ?」


 様々な色に変わりながら飛んでくる蝶の群れは、特性を知らなければ綺麗で幻想的な光景であり、大半の人間は警戒心を抱かないだろう。クーシャも例に漏れず、一切警戒せず好奇心の赴くまま近づく。


「ん?エリアが形成されてる……?魔物?」


 すぐ傍まで接近したところでエリアが形成されている事に気付くクーシャ。だが既に手遅れで、蝶はクーシャの周囲を取り囲む様に舞い、幻惑魔法を発動する。


「……え?……ふぇっ!?」


 蝶の特性を知らないクーシャからしてみれば、自分の周りを蝶が舞っていたら突然10本の手に囲まれているという、余りにも突拍子も無い状況で理解が出来ないのも当然である。そして当然だが相手が理解するまで待ってくれる筈もない。


「えっ、なにっ、ちょっ、くすっ、ぐっ……、ふっ……、ふふっ……!」


 手はクーシャの両手を掴むと万歳の姿勢にし、二本の手が首を優しく撫で、二本の手が両耳を弄る。耐えられなくは無いが、若干の気持ち良さのあるくすぐったさに力が抜け、時折口から声が漏れる。


「んふっ……!なんかっ……、マッサージされてるみたい……。くふっ……、んんっ……、あっ……、結構いいかも……」


 蝶の目的は汗の摂取である為、当然そのまま続けられる筈がない。残っている4本の腕の内、2本が着物の袖から中に侵入し、両脇を直接くすぐり、2本が脇腹を揉むようにくすぐる。


「くひゃぁっ!?っははははははははははははは!いきなりっ、ずるいっ!っははははははははは!」


 マッサージされているような心地よさに油断している状態で急にくすぐられた為、我慢する事も出来ずに大声で笑いだす。勿論首と耳をくすぐっている手は止まらない。


「あははははっ!やぁっはははははは!……はぁっ、はぁっ?」


 唐突にくすぐっていた手が止まり、クーシャは息を整えつつも警戒する。すると手は着物を脱がし始める。


「えっ、ちょっ、やめっ……。脱がさないで」


 ある程度肌が露出すると服を脱がす手は止まり、くすぐりが再開される。


「何の意味が……」


 クーシャが疑問を抱いていると、蝶が体に近づき、口吻と呼ばれる蝶のストローの様な口がクーシャの肌に触れる。


「えっ、何?ふひっ!?えっ?ひゃぁっ!?」


 体中を吸われるような、舐められるような刺激を断続的に与えられるクーシャ。体を左右に捩って抵抗するが、全く意味をなさない。


「くひひっ!やめっ!ひゃはっ!ふひひっ!だめっ!あはっ!」


 クーシャとマジカルバタフライの初遭遇は、このまま一方的にくすぐられて終わった。

 その一週間後、リベンジ。もとい再びくすぐられる事を目指して森に通っていたクーシャは一週間かけて森を彷徨い再会を果たす。


「見つけた」


 発見して速攻で接近し、両手を広げて蝶を受け入れるクーシャ。

 蝶はクーシャの周りを漂い、鱗粉を撒き散らす。


(きっとこの鱗粉に幻惑効果があるのよね……。実態があるって事は、実は幻惑じゃなくて鱗粉で作られた、とか?……それが出来る量じゃないか)


 そんな事を考えながら待っているとクーシャの周囲に、正確には足元に大量のミミズの様なモノが現れる。ソレはミミズでは無いが、長さ10センチで直径が1センチ程の大きさで、ミミズの様に動き、クーシャに群がってくる。


「うわっ、なにこれ。……ミミズみたいだけどパッと見紐みたいだからそこまで気持ち悪くは無いかな。……わわっ、足上ってくる。どういう仕組み……。あぁ、幻惑だったわね」


 因みに本日のクーシャは着物ではなくセーラー服を着ている。このゲームの防具は素材で性能が決まる為、同じ布で作れば性能は変わらない。今までは『侍と言ったら着物だよね』という理由で着物を着ていたが、動き辛いというのと『学生服に刀もアリじゃない?』という理由でセーラー服を選んだ。

 足から大量の紐のようなミミズのような触手がクーシャの体を上り、太ももに到達し始めると、体にくすぐったさを感じる。


「んっ……くふっ……ちょっと、くすぐったい……。これが体中を這い回るのか……」


 どこか期待した目でソレを見守る。そして上半身へと到達すると、真っ直ぐ上を目指して進んでいた触手たちがバラバラに動き始め、クーシャの体を縦横無尽に這い回る。


「ふふふっ!ふぁっ!っははは!やばっ、結構つよぃひっ!?」


 突然目の前まで蝶が突っ込んで来た為、反射的に避けようとして尻餅をつく。そうする事によって、足の裏も触手たちが攻撃可能になり、早速の様に靴下の中に潜り始める。


「あははははっ!くすぐったいっ!あはっ!あっははははははははは!」


 仰向けに倒れ、体を抑えて大声で笑うクーシャ。そして触手の数匹が協力して動き、服を捲り上げる。


「ふふふふふっ!あはははははっ!やぁっはははははははは!」


 そして蝶が集まり、露となった肌から食事を始める。触手の動きに加え、舐められるような吸われるようなくすぐったさにクーシャは笑い悶える。


「あひっ!ひぁっはははははははははははははははは!やめっへへへへへへへへへ!っはははははは!」


 そのまま体力が空になるまでくすぐられ、その後お仕置き部屋でも10分間くすぐられる事になるクーシャ。

 その時の経験を元に、マジカルバタフライの項目を書き記す。


「……ん、もうこんな時間か。寝ないと……」


 本を閉じ、ログアウトしてクーシャは眠りに落ちる。

因みに私は虫が苦手なので、虫系に関しては今後もガバガバになると思います。

蝶は近くで見なきゃカワイイ。

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