番外編 クーシャ
次どんな事書こうかなと考えていたら、この子10話以上出てない事に気付きました……。
クーシャは多分、今後もこんな感じになると思います。
ギルド『アイリス』のギルドハウスに設けられた自室で、ユカの姉であるクーシャは本を書いていた。
クーシャがゲームを始めてから既に数ヶ月が経過し、クーシャは数多く存在する魔物や魔物娘を纏める図鑑作りにハマっていた。所謂『魔物図鑑』である。
既にあってもおかしくないような物ではあるが、意外にも未だに誰も作っていなかったりする。理由は簡単で、単純に数が非常に多いのでかなり根気と時間が必要になるからである。
「まずは序盤に出て来る魔物からよね」
図鑑に記載するのは種族名、個体名、耐性属性、弱点属性、生息地、そしてどういう攻撃をしてくるか等。
●ティキャット
・小型獣種
・耐性属性:無し 弱点属性:無し
・生息地:街周辺の平原
・小さい猫の様な魔物。様々な色の個体が居るが、強さは変わらない。恐らく殆どのプレイヤーが最初に倒したであろう魔物。素早く動いて接近し、飛び掛かって来る。そのまま肌が露出している部分や、服の隙間から中に侵入し、ペロペロと舐めたり手で軽く引っ掻いたり体を擦り付けたりしてくすぐってくる。
「初めて見た時は魔物だと思わなかったなぁ……」
以下回想。
一見するとただの小さい猫であるティキャットは、クーシャのように始めて見た時魔物と気付かない事も多い。
最序盤のクーシャ。平原でティキャットと遭遇し、エリアが形成されてから「えっ、この猫って魔物なの?」と驚いている隙を突かれて飛び掛かられ、かつてのユカと同じように太ももをペロペロとくすぐられる。
この頃のクーシャは膝までしかないワンピースを着ていた為、くすぐりに対する防御力は低い。
「きゃっ!……えっ?どこいっ……ひゃはっ!?ちょっ……そんなとこ……舐めなっ……いひっ!」
言葉が通じる訳も無く、舐め続ける。
「あはっ!やめっ!あははははははははっ!」
一心不乱に太ももを舐め続ける。
「あははははっ!やっ!結構……っ!減りが激しっ……!あはははっ!このっ!」
流石にHPが少なくなってきたので、ティキャットを放り投げてそのまま手にした剣で切り倒す。
回想終。
「あれでこのゲームの醍醐味を知った気分ねぇ。今思い返すと、まだこのゲームの1%も味わって無かったけど」
そのまま次の魔物を書き始める。
●スライム
・粘体種
・耐性属性:物理 弱点属性:全属性
・生息地:街周辺の平原 北東にある泉の洞窟
・ファンタジー系のゲームの定番ともいえる粘液の体を持つ魔物。某有名RPGでは最雑魚だが、このゲームのスライムは強い。総じて物理攻撃が効きにくく、時間経過でHPが回復していく自己再生能力を持つ。その代わり魔法に弱い種が多く、体の何処かにある核を破壊すれば一撃で倒せる。しかし、核の大きさは1センチ以下なので狙って破壊するのはかなり難しい。粘液の体を活かし、プレイヤーに飛びついて体の中に取り込み、些細な隙間からも服の中に侵入して体をくすぐってくる。
クーシャは色々な職業を試した末、侍が一番性に合っていると思い、侍を選択した。その為、初めてのスライム戦は当然の様に敗北で終わる。
「スライム強くない……?どうやったら倒せるの……」
刀を振るい、何度もスライムを斬るが満足にダメージを与えられず、やがて追い詰められ、スライムに取り込まれるクーシャ。スライムは着物の様な服のあらゆる隙間から中に侵入し、クーシャの素肌に撫でるような、舐めるような感触を与える。
「くひっ……!はっ……!ふっ……!んんっ……!」
ゆっくりとは言え、ほぼ全身をくすぐったさが襲い、口から笑い声が漏れる。
ちなみにこのゲームは一応健全なゲームなので、性的快感及び興奮は一定以上は発生しない様にされている。
「ふはっ……!あはっ!早くなって……!あははははっ!」
スライムの動きが段々と早くなる。
「だめっ!っははははははははははは!あはっ!あっはははははははは!」
ついに我慢が限界を迎える。
「あははははっ!むりっ!っはははははははははは!たすけっ!あははっ!っは!あっはははははははっはははははははは!」
スライムはクーシャの首から下を全て体内に取り込んでいる為、脱出は不可能。
「あはははははははっ!あはっ!はぁっ!はぁっははははははははは!」
クーシャはスライムによって初めての敗北を味わう事となる。
「物理耐性持ちのスライムが序盤に出て来るって結構酷いわね……」
スライムについて書き終え、次を書き始める。
●盗賊団のしたっぱ
・敵性NPC
・耐性属性:無し 弱点属性:無し
・生息地:街周辺の平原 盗賊団のアジト
・街周辺の平原では一人しか湧かない上に再度ポップするまで一時間かかるレア敵。敗北すると盗賊団の拷問部屋という特別なお仕置き部屋に行ける。戦闘能力は低いが、毒や麻痺になってしまう薬の入った瓶を投げて来る。倒すと稀にアジトの地図を落とす。これを使うと盗賊団のアジトという特殊ダンジョンにワープする。薬を浴びて毒と麻痺状態になると縄で両手を縛り、両手を使って色んな所をくすぐってくる。
クーシャが平原を散策している時の事。クーシャは如何にも盗賊と言った格好をしている女性を遠目から視認する。
「何だろう、あれ。盗賊……?」
好奇心に駆られるままクーシャは女性に近づく。ある程度近づき、女性がクーシャを視認するとエリアが形成される。
「えっ、敵?名前は……『盗賊団のしたっぱ』って、個人名は無いんだ……」
刀を抜き、戦闘態勢に入るクーシャ。するとしたっぱは黄緑色の液体の入った瓶を投げる。クーシャは予想外の攻撃に、反射的に刀で瓶を両断すると、当然の様に液体を頭から被ってしまう。
「うぇっぷ!?何、これ……味も匂いもしないけど……」
ただの嫌がらせかと思った所でクーシャの体に異変が生じる。
「体が痺れ……状態異常……?くひっ……!なにっ……!体がっ……!くすぐった……!」
麻痺によって体が痺れて動けなくなり、更に毒によって誰にも触られていないのにくすぐったい刺激がクーシャを襲う。したっぱはそんなクーシャにゆっくりと近づき、両手をワキワキと動かして見せる。
「いやっ……!まって……!今は、だめっ……!今……わひゅっ!」
当然聞き入れて貰えず、したっぱの両手がクーシャの両脇をくすぐる。
「いひっ!ひゃはっはははははは!だめっ!今、うごけなぁっははははははは!」
10本の指がクーシャの脇を離さず蠢く。麻痺で動けないクーシャにそれから逃れる術は無い。
「あははっ!やめっ!やぁっははははははははははは!」
毒の効果も健在である為、触られていない箇所もくすぐったさが襲い、何人にもくすぐられている様な感覚をクーシャは味わう。
「やぁっはははははは!あははっ!あっははははははははははは!」
HPが0になり、お仕置き部屋に転送されるクーシャ。
クーシャが目を覚ますと、洞窟を掘って作られた小部屋で両手両足を一本のロープで縛られ宙に吊るされ『ム』の字の様な体勢にされていた。服は着ていたが、服以外の靴等は脱がされていた。
「ここはどこ……?フィールドでやられても10分動けなくなるだけじゃ……」
自由な首を使って辺りを見渡すがドアがあるだけで誰も居ない。
どういう事だろうと疑問に思うと、ドアが開き、したっぱが3人現れる。
「今回の獲物は随分と可愛らしい女の子なのね」
「これは楽しめそうだわぁ」
「たくさんこちょこちょしてあげるわねぇ」
口々に感想を漏らし、一人が近づいてクーシャの露になった足の両裏を両手でくすぐり始める。
「はひっ……!ふっ……!んぅ……!」
動きがゆっくりだった為、なんとか耐えれるクーシャ。
「くっ……!はっ……!ふひゃぁっ!?」
クーシャは体勢的に足の方を見れないので分からなかったが、したっぱが右足をくすぐっていた手を止め、ブラシを取り出し、足の裏をゴシゴシとくすぐり始める。
「はひゃっ!っはははははは!だめっ!それっ!っはははははは!」
クーシャが笑いだすと、他の二人もクーシャに近づく。一人はクーシャの前に立ち、両脇を両手でくすぐる。もう一人はクーシャの下に潜り込み、スカートを捲り、へその周りを舐めながら脇腹を両手で揉みだす。
「あははははははははははははっ!それだめっ!っははははははは!ずるいっ!たえられなぁっははははははははははは!」
ここまでくれば、クーシャに耐える術は無い。ただ笑い悶え、10分が経過するのを待つのみ。
「あはははははっ!あはっ!はひっ!ひゃぁっははははははははははは!っはははははははは!もうやめぇっへへへへへへへ!」
クーシャは10分間、盗賊のしたっぱ3人におもちゃの様にくすぐられ続ける事となった。
「あはははっ!はぁっはははははははははははは!やぁっははははははははははは!」
回想を終え、クーシャは残りの部分を書き上げる。
「あぁ、楽しみだわ。これからもまだまだ楽しめるのだから」
そう呟いて書きかけの本を閉じる。
後一週間で夏の祭典が始まりますね……。非常に楽しみです。
徹夜は流石にしませんが始発で行く気です。