32話
短め。
ニナのリアルの設定どうしようか未だに迷ってる自分がいる……。
あれから約1ヶ月、3月になりユカ達はもうすぐ春休みに入ろうとしていた。4人ともレベルが50を超えた。因みに4人の成長速度は遅い方だったりする。
大型アップデートまで後数日という今日、ニナの見つけたクエストの最後のアイテムを手伝いに行く4人。
「それで、何処で何をすればいいのかしら?」
モモがニナに聞く。
「うんと、大陸の北西の方の海辺に行って、『魔力の真珠』の入手ね」
「確か、『ティックシェル』って魔物が落とすアイテムね。魔法系の武具の素材になるわ」
ニナとユカが説明する。海辺には他にも『キャンサー』や『アルゲン』等が生息している。
「そこって確か、ちっちゃいアザラシが居るんだよね!?」
ミコが以前そんな事を聞いた事があるとやる気に満ち溢れる。
「うん、30センチぐらいのが集団で集って来るよ」
ニナが正しい情報を使える。因みに倒すと食材アイテムになる。
ミコが「早く行こう」と今にも飛び出しそうになりつつも、準備を怠らず4人は出発する。
街の東から、店で借りた馬車に乗り、森を迂回して北西に進む事暫く、4人はトラブルも無く海辺へ到着する。
「うーみー!」
「みこ、海水浴にはまだ早いよ?」
現在3月。まだまだ気温は低い。
「さて、目当ての魔物は何処かなー」
ニナが魔物を探し砂浜を進み始め、3人もそれに付いて行く。途中、巨大なワカメの塊の様な魔物のアルゲンが襲ってくるが、問題なく返り討ちにする。
「いない……」
「いないわね」
中々見つからず、しびれを切らしたニナが手分けして探そうと言いだす。
襲われれば笑い声が聞こえるから助けに行きやすいと言い切られ、半ば強引に4人は手分けして魔物を探す。
「でたー、キャンサー。めっちゃ可愛いわやっぱ」
ニナは単独行動を開始して1分程で魔物と遭遇していた。蟹の胴体に女性の上半身が生えた様な見た目の魔物娘、キャンサー。赤い髪のショートツインテールを揺らし、ニナを見据える。
「リリィさんが放し飼いにしてあるのをギルドハウスで見たけど、可愛いわぁ」
表情も固く、基本的に無表情なキャンサー。しかし、ハサミをガシガシ動かして鳴らしている事から獲物を前に興奮しているようである。
エリアも形成され、真っ先に動いたのはニナ。キャンサーに向かって走り出し、一気に距離を詰め、キャンサーの女体部分に手を伸ばす。しかし、その手が届くより先にキャンサーのハサミが的確にニナの両腕を捕え、そのまま地面に押し倒し、蟹の部分で足の上にのしかかって自由を奪う。
「……思ってたのと違う」
予想外ではあるが、望んでもいた状況なのでワクワクした表情でキャンサーを見つめる。キャンサーはそんなニナのマントを剥ぎ取り、下に着ていたセーラー服を手で破る。すると蟹の口の部分から泡が噴き出し始める。それを手ですくい上げ、ゆっくりとニナに近づける。
「くすぐり洗浄、始めるね」
その呟きと同時に泡まみれの手を剥き出しになったお腹に這わせ、そのままわしゃわしゃと洗うように動かす。
「くひっ!ひゃはっ!ひぁっはははははははははは!はげしっ!ひゃっははははははははは!」
泡が滑りを良くし、10本の指が別々に動き、ニナに強烈なくすぐったさを与える。
因みにユカ以外は知らなかった事だが、エリア内の音は外に一切聞こえない。つまり笑い声を聞いて助けに来る確率はほぼ0である。
「ひゃっはははははは!はっははははははははははは!つよいっ!ひぁっはははははは!……はぁっ……はぁっ!」
突如手を止めるキャンサー。何故かと思いニナがキャンサーの方を見ると、新しい泡を手ですくっていた。そして次はここだと言わんばかりに脇に手を近づける。
「あぁ……すごくいい……」
どこか恍惚とした表情でそれを見つめるニナ。
「ひっ……!ぁっ……!ひゃっははははははははは!」
ついに脇に手が到着し、一切の汚れも残さないかの如く指を動かし、ニナをくすぐる。
「ひひひひっ!ひぁはははははははっ!ひゃぁっはははははははははははははははは!!」
そのまま腕を、脇から脇腹までを往復する様に動かし、くすぐる。
「ひっはははははっははははは!はひっ!ひっひひひひひひひ!」
HPが1割を切り、流石に危機感を感じるニナ。すると、見計らったようにクナイがキャンサーのハサミを的確に射る。だがカキンという音と共にクナイは地面に落ちる。
「かったいなぁ……」
キャンサーがくすぐる手を止め、クナイが飛んできた方向、ユカを見据える。
「しかし、どうしたものかなぁ」
ユカが様子を窺っていると、ニナがキャンサーに気付かれない様に起き上がる。キャンサーはユカを警戒している為それに気づいていない。
【死神技法:亡者の手】
ニナがキャンサーに向けて手を翳し、スキルを発動すると真っ黒な人の手が現れ、キャンサーの両手を掴む。
【死神技法:黄泉の使徒】
続けて発動したスキルにより生まれた大量の黒い触手がキャンサーの蟹に絡み付き、動きを封じる。
「っ!?」
キャンサーは必死に足掻くが、拘束から逃れる事は出来ない。
そんなキャンサーの背後に回り、手をワキワキと動かすニナ。前からゆっくりと近づくユカ。
「ふへへ……お楽しみターイム」
ニナが両脇に両手を這わせ、指を縦横無尽に動かし、くすぐる。
「くっ……!ひっ……!ふひっ……!やめっ……!」
必死に耐えるキャンサーにユカが黒い笑みを浮かべて近づく。
赤色のオフショルビキニの上着を着たキャンサーの人間部分。当然くすぐりに対する抵抗力は脆弱。
「はやく笑っちゃえ~」
「くひっ……!いやっ……!もうっ……止めっ……!はひっ……!」
そして遂にユカの手がキャンサーのお腹に触れ、両手でおへその周りを優しく撫でる。
「っふふ……!やっ……!くふっ……!」
【忍術:分身の術】
ユカが忍術を発動し、二体の分身を作り出す。分身はキャンサーの左右に陣取り、脇腹を揉んだり、爪で引っ掻くようにくすぐる。
「ふひっ……!だめっ!ふふふっ!っはははははは!ふはっはははははは!」
遂に我慢が限界を迎え、普段の寡黙な姿からは想像できない程笑い声が噴き出る。
「いやー、可愛いわー。もっと笑い声聞かせて……」
ニナが動きを更に早くする。
「ふっふふふふ!っははははは!んっふふふ!ふっははははは!いやっ!ふっふふふはっははははははは!」
その後キャンサーはHPが0になり、ダウンするまで2人(分身含め4人)にくすぐられ続けた。