29話
ちょっと内容分かり辛いかもしれない……
階段を上り、ピラミッドの3層を目指す4人。
3層に到着し、通路を進んでいくと、通路が二手に分岐していた。近くに設置された看板には『半分に分かれ先に進め。従わなければお仕置き』と書かれていた。
じゃんけんでモモとニナが左に、ユカとミコが右の通路を進んでいく。右の通路を暫く進むと座椅子が8つ置かれており、近くの看板に『好きな場所に座り、両足を座椅子の前の壁に空いた穴に入れろ』と書かれていた。
二人は少し考えた後、ユカが左から二番目、ミコが一番右に座り、穴に両足を通す。両足を通した瞬間、ガシャンという音と共に穴が閉まり、二人は両足がまったく動かせなくなってしまう。
一方、左に進んだモモとニナは、暫くすると廊下が大きくなった場所に辿り着く。
「なに?ここ……」
「奥に扉があるけど、開かないね」
二人が辺りを見回していると何処からか声が響く。
『扉の方を向いて右手の壁を見ろ』
二人は言われた通り右の壁を見る。すると壁の一部が上に上がり、奥からガラス張りの壁が現れる。そしてガラスの向こうには壁から8人の裸足が突き出ていた。
「狂気を感じるわね……」
「開発者の本気を感じるね」
ニナとモモがほぼ正反対の感想を述べると、再び声が響く。
『8人の内二人がお前達の仲間、残りは我が生み出した幻影だ。見分けてみせよ』
言葉が終わると同時に半透明の手が一つの足に2つ、一人に計4つの手が現れ、くすぐり始める。
「これ、結構難題じゃない?仲間とはいえ素足なんて普段見ないし」
「右から二番目がユカさんね。間違いないわ」
モモがどれがユカなのかをすぐに言い当て、ニナが若干引く。
「あとはミコちゃんかぁ……」
二人がどれがミコかを考え始める。
一方、ユカとミコ。
「はひっ!くっくくくく!」
「ふふっ!ふはっ!っはははははは!」
足の裏だけとは言え、片足に2つ、計4つの手にくすぐられればその刺激は相当なものである。おまけにくすぐられている足は壁の向こうで、何処をくすぐられるか全く予想出来ないのも我慢する事が出来なかった要因の一つである。
「カリカリしなっ!あはっ!はっはははははは!だめっ!指はぁっははははははは!」
「ふひ……っ!やるなら……っ!もっと……っ!ふひゃっ!?っはははははは!いきなりっ!はげしぃっひひひひひひひひ!」
足は完全に固定されている為、二人にくすぐりから逃れる術は無い。ユカはむしろ楽しんでいるが。助かるには一刻も早く向こうの二人が正解するしかない。
「あっはははははははは!はぁっ!はひっ!はっ……ははっ……急に……撫で……はひっ!ひゃっははははははははははは!強くしなぁっははははははは!」
「ふっふふふふふ!段々っ……!強くっ……!ふふふっ!……?なんで止めぇっ!?っへへへへへへへへ!ずるっ!っはははははははははは!」
強くなったり弱くなったりと、壁の向こうで変化するくすぐりに二人はただ翻弄され笑う事しか出来ない。
戻ってモモとニナ。
「多分一番左だと思う」
くすぐられる8人の足の裏を観察していたニナが、そう結論を出す。
「根拠は?」
モモが理由を尋ねる。
「あの手、くすぐりを強めたり弱めたりしてるけど、その時の足の反応が一番本物の人間っぽかったから」
モモにはイマイチ違いが分からなかったが、他に手掛かりも無いしと一番左を選択する事にする。
ガラスの壁の下にボタンがあったので、右から二番目と一番左のボタンを押す。するとピンポーンと音が響き、扉が開く。
二人はそのまま扉の奥へと進んでいく。ミコとユカも、くすぐりから解放され、息を整えた後先に進む。
階段を上り、通路を進むが4人は合流する事無く次の広間に到着する。
そこは先程と同じような、通路がそのまま大きくなったような場所であったが、その大きさが一回り大きくなっている。
モモとニナの部屋には、奥の扉の前に台座があり、その左右にはボタンがあった。そして部屋の右端に丸い、人の腕程の大きさの穴が空いていた。
ユカとミコの部屋には台座等は存在しないが、代わりに壺やら剣やら盾やら様々な物が左右の壁に置いてあり、それぞれに数字が刻まれている。そして、左端の壁に同じく穴が空いていた。
4人が部屋に入り、暫くすると声が響く。
『4層へようこそ。よくぞここまで辿り着いた』
突然、4人が来た方向から大きな音が響き、何事かとそちらの方を向くと、部屋と同じ大きさの壁が落ちてきていた。しかも壁には大量の手が生えており、獲物を求めるようにウネウネと動いている。
『今現れた壁は、ゆっくりと動き、迫ってくる。捕まりたくなければ部屋の謎を早急に解く事だ。3層で回答した者達の部屋には台座とスイッチがあり、もう片方の部屋には様々な物が置いてある。壁に空いてある穴を使って情報を交換し、台座に記された物に刻まれた数字を、反対側の部屋の者が正しく伝え、8つ全てを正しく答えられれば壁は止まり、次の層への扉が開くだろう。因みに、台座の左右にあるスイッチは両方とも押せば壁が奥へと戻って行く。しかし、押せば押すほど壁の進行速度は早くなる上、スイッチを押している間は押している者はくすぐられる。よく考えて活用する様に』
言葉が終わると、ゴゴッという音と共に壁がゆっくりと動き出す。それと同時にユカとモモが壁に空いた穴に向かっていく。
「もしもーし、聞こえるー?」
「ユカさん、聞こえるわ。ニナ、最初は何?」
モモが穴から台座の前で待機しているニナに最初の物は何かを問う。
「剣だね、これは」
「ユカさん、剣だそうよ」
「剣?みこー!剣だってー!」
ミコはユカに言われた通りに剣を探す、が。
「剣ってどれー!?剣だけでも種類あるんだけどー!」
剣だけでも両手剣、カットラスの様な片手剣、短剣、細剣の4種類が飾ってある。
「モモさん、剣だけで4種類あるのよ、どれか分かる?」
「ニナ、剣だけで4種類あるのだけど、どれか分かるかしら?」
「この形は……何か、カットラスみたいな感じの剣?多分!」
ニナがモモに、モモがユカに、ユカがミコに情報を伝え、伝言ゲームの様に数字を伝えていく。そうして2つ目、3つ目と回答し、4つ目の物の数字を調べようとした所で問題が発生する。
「ゆかちー、そのダルマみたいな形の壺、もう壁の向こうなんだけど……」
正解が刻まれた物が、迫る壁の向こうにあるという。気付けば壁は既に部屋の半分程まで迫っていた。
「モモさん、言い辛いのだけれど、正解の物が壁の向こうにあるそうなの」
「……分かったわ、スイッチを押してくる」
モモがスイッチに向かっていく様子から何があったかを察したニナもスイッチに向かい、二人で同時にスイッチを押す。すると半透明の人間の手が、それぞれ4つ周囲に現れ、ニナとモモの脇と脇腹をくすぐり始める。
「くっ……!ふふっ……!このっ……!ふっ……ふふふっ……!」
「ふひっ……!くっくくく!くひっ!ひぁっははははははははははは!」
モモが必死に耐え、ニナが笑い悶えつつも手だけはスイッチから離さない。手達はそんな二人の手をスイッチから離せと言わんばかりにくすぐってくる。
「ふっ……!くっふふふふ!ふっ……!ひひっ……!ふ……ふっ……!」
モモを責める手は、指が一本一本的確に脇を捉え、ローブの生地越しに肌を撫でる。10本全ての動きを不規則に動かし、止まる事無く撫で、くすぐりに慣らさせない。勿論脇腹を揉む手も、激しくしたり優しくしたりと緩急をつけて責める。
「くひっ……!ひははははははははははっ!ははっ!はぁっははははははは!」
ニナをくすぐる手は、既にニナのマントの中に侵入し、黒を基調としたワンピースの所々に装甲が設けられた鎧をも透けて、ニナの素肌を直接くすぐっている。手はニナの両脇を、指を不規則に動かしくすぐり、脇腹は10本の指を巧みに使って絶え間なく突っつく刺激を与える。
モモよりも激しいくすぐりに大声で笑い悶えるニナ。しかし、その手は決してスイッチから離さない。
「ふふっ……!ふっふふ……!ふっ……ひひっ……!」
「くくっ!はっははははは!はっ!ひっ!はひひひっ!ひゃはははははははははっ!」
ある程度経過すると壁が最奥まで戻る。それを確認するとモモが元の位置に戻る。
「くふっ……!ふふっ……!つよっ……!はっ……ひっ……!」
「ひぁっははははははははは!はひっ!はっはははははははははは!」
壁の進行速度はスイッチを押すたびに段々と早くなる。
「おおっ……いひっ……!だっ、めっ……ぇっ……!ふっ……ひっ……!ふっふふ……!」
「ひははははははははははっ!!はぁっははははははははははは!」
壁が迫る度にボタンを押す二人。そして押す度に増える手。
結果、突破するまで計6回ボタンを押す事になった。
開いた扉を進み、階段を上って通路を進むと最初と同じような広さの広間に辿り着き、4人は合流する。広間の奥には祭壇の様な場所があり、そこには獅子の様な胴体から女性の上半身が生えた様な魔物娘、『スフィンクス』が4人を待ち構えていた。