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21話

クリスマス遅れました!


サンタ娘は近い内にメイン回書く予定。

 研究所での敗北の数日後、優香達が学校に行っている間にメンテナンスがあり、数ヶ月ぶりの大型アップデートが実装された。

 優香達はそれぞれ家に帰ると早速の様にログインする。そして庭園内のカフェに集まって談笑する。


「という訳で、アップデート纏めよろしくゆかちー」


「はいはい、分かってるわよ」


●アップデート

・新職業『武道家』『話術師』『魔法戦士』実装。

・クリスマスイベント開始。

 クリスマスイベント限定モンスター。『ゆきだるガール』『プレゼントボックス』『プレゼントミミック』『クスグリマスツリー』『ゆりあじゅー』『サンタ娘』『ブラックサンタ娘』実装。

 サンタ娘とブラックサンタ娘は特定の条件を満たすとパートナーとして連れて行く事が可能になります。

 ブラックサンタ娘は複数人での挑戦を前提とした難易度になっています。

・新マップ『邪教会』実装。

 適正レベル20~60の中級者向け


「公式サイトに書かれていたのはこんなもんね」


 分かった顔で頷くミコ。


「団長達が確かブラックサンタ娘を倒しに行ってる筈だけど、私たちはどうする?」


「新マップは何時でも行けるし、弱い限定モンスター倒しに行ってみる?」


 そんな感じで移動を開始する。

 一方、団長達。尚、フィアは仕事で本日不在。


「進化した魔法少女の力、受けて見よー!!」


【降星術:メテオ】


 イリーナがメテオを4つ同時に発動し、空から隕石が4つ降り注ぐ。

 その爆心地に居るのは、黒のサンタ服を身に纏った金髪の少女、『ブラックサンタ娘』


「うへ、あんまりダメージ通らないなぁ……」


「追撃、行きます!」


【陰陽術:火金刀】


 エルザが術を発動すると、手にした札が燃え上がり、炎を纏った金の刀が出現する。その刀をブラックサンタ娘にむかって投げつける。


「皆おまたせー」


 リリィが準備を終え、戦線に戻る。背後にはアリス、イリス、アラディア、ローレライの4人が控えていた。

 それと同時に、ブラックサンタ娘は指を鳴らしてプレゼントミミックを6体呼び出す。


「取り巻きは3体以下で再召喚っぽいの。めんどくさいの」


 高い所から戦況を観測しているネア。次元倉庫で呼び出した4足歩行の戦車の様なロボットの上に立ち、双眼鏡で逐一把握、報告をする。


「ふふふっ」


 ブラックサンタ娘が動き出し、術を行使する。


【妖術:雪浮手】


 ブラックサンタ娘の周囲の雪が宙に浮かび、集まり、20個の人の手の形になる。それと同時にプレゼントミミックの蓋が吹っ飛び、箱の中から大量の触手が顔を出す。


「ネアさん、あれに捕まりたいです」


「今度にするの。対地攻撃システム起動なの」


 リオが衝動を抑え、コックピットのタッチパネルを操作してロボットを動かす。ロボットの後方の蓋が開き、そこから10個のミサイルが飛びあがり、ブラックサンタ娘とその周囲を焼き払う。

 未だ爆煙が立ち込める中、アリスが剣を片手に突撃する。それと同時にイリスとアラディアも術を行使する。


【聖術:ホーリーシャワー】

【魔術:ダークフレア】


 空から光がシャワーの様に降り注ぎ、爆炎の中を攻撃し、アラディアの手から生まれた闇の炎が追撃する。爆炎が過ぎ去った後にはブラックサンタ娘だけが立っていた。


【剣術:雷光閃】


 そこにアリスが最速の剣による突き攻撃を繰り出し、ブラックサンタ娘はそれを紙一重で回避する。すぐに次の攻撃に移ろうとするアリスだが、足元に魔法陣が広がるのを見て後ろに飛んで回避する。


【妖術:闇の使い】


 次の瞬間、魔法陣から真っ黒な触手が何本も生えアリスを捕えようとするが、既に距離をとっていたアリスには届かなかった。


「何か、思ったよりだいぶ強いね」


 僅かに空いた隙を使い、プレゼントミミックを再召喚し、雪の手を再形成する。

 そこへイリーナが突撃し、後方から弓を使ってルルナが援護する。


【弓術:イグニッションアロー】


 爆炎を纏った矢は、真っ直ぐブラックサンタ娘に向かっていくが、プレゼントミミックの一体が庇い、阻止する。


【降星術:リトルミーティア】


 イリーナが術を行使すると、イリーナの周りに沢山の小さな光が生まれ、イリーナが手を翳すと同時に全てがブラックサンタ娘に向かって飛んで行く。その光の正体はミーティアと同じ威力を秘めた小さな光の流星群である。

 ブラックサンタ娘はそれを察知したのか、横に大きく飛び、これらを回避する。その数瞬後、ブラックサンタ娘が居た場所にはクレーターが生まれていた。


「無詠唱であの威力って、やっぱ火力高いねぇ……」


「次、行くわ」


『五行相乗、炎よ、龍となって呑み込め』

【陰陽術:火炎・龍王】


 エルザの術が発動し、札から巨大な炎が生まれると、龍の姿となり、ブラックサンタ娘を呑み込もうとする。

 あまりにも巨大な炎の龍は、流石に回避しきれず、呑み込まれる。


「やったか!?」


「なんで団長はすぐフラグ立てるかなぁ……。あの程度で倒せるわけないでしょ」


 炎が収まると、ブラックサンタ娘はそこに立っていた。


「ライちゃん、『救済のゴスペル』をお願い」


「へーい!一曲いきまっせー!」


 ノリノリな人魚姫が歌を奏で始める。召喚術で呼び出した魔物には、それぞれ個々にレベルが存在し、レベルが上がると召喚体のステータスが上がったり、使用可能なスキルが増えたりする。救済のゴスペルはローレライのレベルマックスで覚える最終スキルで、その効果は味方全員の全ステータスの上昇とHPの自動回復である。


「ステラ!私達もいくよ!」


 イリーナとステラが一緒に前に出る。


『天を彩る星々よ、我等の魔力を捧げます』

『宙を照らす星々よ、我等の願いを捧げます』


 一部のパートナーは、プレイヤーと協力する事によって行使できる専用スキルが存在する。その中でもステラの協力スキルはかなり別格だった。ただし、その代償として二人で長い詠唱を唱えなければならないという欠点もある。


『我等の歌に呼応し』

『我等の想いに共鳴し』


 当然、ブラックサンタ娘は詠唱を阻止しようと二人に手を向かわせる。しかし、それら全てはアリスの剣術によって破壊される。


『降り注ぎ給え、終焉を告げる星々よ』

『降り注ぎ給え、絶望を屠る星々よ』


【降星術:共鳴・クライマックスフィナーレ】


 詠唱が終わり、術が形を成す。空からビル程の大きさの流星が幾つも生まれ、超広範囲を圧倒的な破壊力で埋め尽くす。


「うわぁ……すご……」


 リリィが素直な感想を漏らす。イリスとアラディアの全力を合わせてもここまで強力な攻撃は不可能である。


「リスクも大きいけどねぇ……。MP半分以上持ってかれたし……」


 魔術師として魔力特化で鍛えてきたイリーナのMPでさえ、一撃で半分以上消費する程燃費が激しい術である。

 流石のブラックサンタ娘もこれには耐えられず、爆心地に倒れていた。


「倒しちゃったかぁ、くすぐりたかったけど……。まぁそれは後でソロでやった時に取っておこう」


 因みにこの時はブラックサンタ娘のHPを一気に消し飛ばした為分からなかったが、ブラックサンタ娘はHPが一定値を下回る度に使用スキルが変化するタイプのボスであった。

 そのまま6人は各々解散していく。

 戻ってユカ一行。


「ここがクリスマスイベント限定マップのクリスマスタウンかぁ……。まんまな名前だね」


 クリスマスイベント限定マップのクリスマスタウンに来ていた。常に雪が降り、赤茶色のレンガの道と家が連なるマップになっている。全滅した場合はレンガの家の中に閉じ込められ、敗北したキャラにくすぐられる。


「流石に人が多いわねぇ……」


 ユカの言う通り、実装初日という事もあってかあちらこちらに戦闘エリアが見えた。


「んー……どうする?戻って違うところ行く?」


「奥に行けば人も少なくなるんじゃないかしら?」


 マップは円形状の街で、中心部にマップの出入り口がある。そして、マップの最北端にブラックサンタ娘が出現するエリアが存在する。


「取り敢えず、外周の方まで行ってみますか。人の少ない所見つけたらそこで狩るってことで」


 そんな感じで3人は移動を開始する。


「時々モンスターうろついてるけど、戦闘エリアが多すぎてねぇ……」


「何、あの、人が5人ぐらい入りそうな程巨大な雪だるまは……」


「あれが多分ゆきだるガールじゃない?」


 モモが指差した先には人が5人は入る程巨大な雪だるまがぴょんぴょん跳ねながら移動していた。

 そのまま移動する事10数分。3人は周りを見渡しても人の居ない場所を見つける。


「このあたりなら人が少なそうね」


 その場を拠点にして周囲を散策する。因みに家の中にも入る事が可能で、中に湧く事もある為、部屋の中にも入っていく。


「結構作りこまれているのね……」


 モモが家具などを物色して呟く。


「このクローゼットの中にある服、持っていけるのかな」


 そう言ってミコがクローゼットを開けて中の服を取り出すが、かなり露出が多く際どい服しか無かったのでそっと戻してクローゼットを閉じた。


「こっちの部屋には何かあるかな……」


 ユカがそう言って扉を開くと、部屋の中心にある机の上に、白い箱に赤のリボンでラッピングしてある、一般的なイメージの強いプレゼントボックスが置かれていた。


「これ、あからさまに罠よね……」


 そう呟いたユカの元にモモが寄ってくる。


「罠だと思うけど……。そう言えば、プレゼントボックスとプレゼントミミックっていたわね。そう考えるとプレゼントボックスは罠じゃないのかしら?」


「でも、あの書き方だとモンスター扱いよね」


 考え込む二人の元にミコが合流する。


「何してるの?プレゼントじゃん。空けてみようよ」


 何も考えないミコがプレゼントに駆け寄り、箱を開けようとする。二人は黙って見ている。


「なーにが入っていーるかなー」


 歌いながらリボンを解いていくミコ。そしてリボンを解き終え、箱を空ける。するとリボンが動き出し、ミコの両手両足を縛る。


「ぇ、なにこれ」


 困惑するミコ。


「やっぱり罠だったわね」


 冷静に分析するモモ。

 箱から宙に浮いた筆が一本現れると、ミコの丸出しの脇を撫でる。


「ふっ……んっ……やめて……」


 芋虫のように体を動かし逃れようとする。


「よく見たらあれ、『最高級の筆』じゃない?5回使ったら壊れるクセに一本5万Gもする」


「ふっ!……くくっ!……いいからっ!……たすっ!んっ……!」


 すぐ助ける気の無い二人が観察してるとユカが一つの事に気付く。筆アイテムの最上位のアイテムである『最高級の筆』は5回使用すると壊れる上に、店舗での購入以外の入手手段は今まで無かった。


「ところで、これ何処を攻撃すればいいのかしら?」


「ふふっ……!ふはっ!ははっ!」


 暫し笑い声だけが響く。


「箱?筆?リボン?3択だけど……」


「リボンは拘束攻撃っぽいわね」


「じゃあ箱かな」


 そう言ってユカが箱を切り裂く。

 するとリボンが解け、筆がユカにポトリと落ちて消える。それと同時にユカの目の前にドロップウィンドウが出る。


「箱が本体なのね」


「筆が貰えた。ドロップおいしいなぁ」


「私の扱い酷くない……?」


 そのまま家を後にして外に出る。外に出て探索すると、跳ねて移動する雪だるまが現れる。


「ゆきだるま、どうやって倒すか……」


「普通に攻撃するんじゃダメなの?」


「貴女がやってみればいいじゃない」


「分かった!」


 モモが冗談半分でそう言うと、ミコが槍を構えて突撃する。


「え」


 驚いて思考停止するユカ。


「てや!」


 槍は雪だるまに刺さるが、手ごたえが無い。


「ん?これ、中は空洞っぽい?」


「空洞?じゃあ、本体か核みたいなのが何処かにあるって事かしら?」


 そんな事を考えていると雪だるまがぴょんと飛び、ユカの真上に落ちる。


「こっち!?」


 全く警戒していなかったユカはそのまま雪だるまに押し潰される。


「ちょ、ゆかちー!大丈夫!?」


 ミコが慌てて振り向く。雪だるまの中から叩く音が聞こえるので無事なのが伺える。


「大丈夫、なのかしら?」


「うーん。どこを攻撃すればいいんだろう……」


 ミコとモモが雪だるまを見上げて色々と考え始める。一方、雪だるまの中。


「雪って思ったより硬いのねぇ、壊れそうにないし……火遁で溶かそうかな」


 ユカはそう思い、術を使おうとする。次の瞬間。


「へ?」


 周りの雪が突如盛り上がり、女性の形になる。その数は6。

 ユカが困惑してると、ユカの真後ろに居た一体がユカに抱き付く。


「冷たっ!」


 他の5体もユカに群がっていく。


「ちょ、離して……え?」


 ユカの両手が掴まれるが、掴んだ手は女性ではなく雪から直接生えた手だった。身動きが自由に取れなくなったユカの体を女性たちがくすぐり始める。


「離し……くっふふふ!あはっ!あっはははははははは!!」


 服の上から全身をくすぐられ、ユカは笑いだす。


「くすぐったいっ!ふふっ!あははっ!んっふふふふ!だめっ!っはははははははははは!!」


 戻って雪だるまの外。


「やっぱ、頭?」


「普通に考えれば頭よね」


 モモとミコが作戦会議を終え、頭に狙いを絞る。

 一方、中。


「やめっ!っははははははは!!多いっ!っふふふ!あっははははははははははははは!!」


 指がユカの体を這い回り、不規則に動きを変え、ユカを責める。


「固いわね……」


「固いね……。私の槍じゃ届かないし、聖術じゃ壊れないし、どうしようか?」


 外では二人が色々と試していた。


「あっはははははははははは!!やぁっはははははははは!!ふっふふふふふふふ!っははははははっははははははは!!」


 靴を脱がされ、靴下越しに足を4体が重点的にくすぐられるユカ。


「はにゃしてっ!っはははははははは!!うごけっ!ふふっ!あっはははははははは!!」


 くすぐられている内にどんどんとHPを減らしていくユカ。


「あはっ!っはははははははっははははは!!そろそろっ!んひっ!体力ヤバいしっ!」


 HPが1割を切った所で縄抜けで拘束を抜ける。


【忍術:火遁・業火】


 間髪入れず術を発動し、業火で雪だるまを内部から焼き払う。

 雪だるまは瞬く間に溶けて無くなった。


「あ、ゆかちー。おかえりー」


「やっぱ火に弱いのね」


「はぁ……はぁ……回復お願い……」


 モモが聖術でユカを回復する。それとほぼ同時に新たなモンスターが姿を現す。


「何、あれ。バカップル?」


 ミコが指差した先には、恋人繋ぎでくっつく二人の女の子が歩いて3人に向かって来ていた。


「あれがゆりあじゅー?……ていうか、あれってモンスターなの?」


「でも、戦闘エリアが出来てるわよ?」


 等と思っていると、ユカとモモは術の発動を感知する。ミコは物理職で術に慣れていない為、感知できない。


【妖術:チェインセンス】


 二人が空いてる手を合わせると、紫色の光の珠が生まれ、それが弾丸の様に飛んで行き、モモに当たる。


「くっ!?」


「モモさん大丈夫!?」


 避ける事が出来ず直撃するが、モモは特に異変を感じない。


「ええ、大丈夫だけど……何されたのかしら……」


 するとモンスターの片方が、もう片方を突然くすぐりだす。くすぐられる方はそれを喜々として受け入れる。


「え、何してるのあれ。仲間割れ?じゃれあってるの?」


「分からないけど……。モモさん?どうしたの?」


 ミコとユカは困惑した表情でそれを見ていたが、モモは突然体を抑え、へたり込む。


「ふふっ……何……誰も……居ないのに……」


 くすぐられている方が、くすぐっている方の首に両手を掛ける。するとくすぐっている方の指の動きが早くなり、ガラ空きとなった脇を目一杯くすぐる。


「くっ……ふふっ……脇が……くすぐったい……ふはっ!」


「これって、くすぐられている子と感覚を共有している感じ……?そんな術聞いた事無いけど……新実装されたのかな……」


 徐々に指の動きを早くし、刺激を強くする。


「ふふふふっ!ふはっ!ははははははははっ!」


「だけどさ、そしたらくすぐってる方攻撃したらモモにもダメージいくんじゃ?」


「それもそうね、どうしましょうか……」


 そんな事を話し合っている内に、手が脇から脇腹の方に移動する。


「はぁ……はぁ……はふっ!くっ!ふふふふっ!やめっ!っふふふふふ!!」


「くすぐってる方をくすぐってみる?」


「そしたらもう片方が襲って来ないかな?」


「ふっふふふふふ!!はやくっ!っはははははははは!!……はぁ、……はぁ?」


 突如、刺激が止む。だが、二人は未だにくすぐり合っていた。


「効果時間が切れた?」


「かも……休むから後お願い……」


 そのままユカとミコで容易に撃破する。


「効果時間切れれば弱いわね」


「ドロップアイテム……なにこれ?クッキー?」


 ミコはドロップ画面を見て首を傾げる。


「そういえば、私もさっき手紙を手に入れたわね」


「私も……ミルクを手に入れたわ……」


 3人は顔を見合わせ、入れる家を探す。

 一方、団長リリィ。


「やめへへへへへへへへっ!!あっはははははははははは!!はにゃしてぇぇぇっへへへっへへへへへへ!!」


「こいつがクスグリマスツリー。まぁ大体予想通りの見た目だねぇ」


 いつもの天使が、クリスマスツリーの姿の魔物にくすぐられていた。クリスマスツリーの体から木の手が幾つも生え、オーナメントの代わりに様々なくすぐりグッズで捕えた物をくすぐる魔物である。


「しゅじんさまっ!たすけっ!っははははははははっはははははは!!」


「後はサンタ娘だけど……この広いマップにランダム湧きだからなぁ……探すのめんどくさそう……」


 クスグリマスツリーが天使の素足をブラシや羽やハケで撫で回す。


「やめっ!っはははっははははははははは!!あしよわっ!あっはははははははははっはははははは!!」


「ただ倒すだけじゃパートナーにならなかったらしいし、何か条件があるのかなぁ」


 恍惚とした表情で天使を見つめるリリィ。

 戻ってユカ達。

 煙突のある家に入り、机の上にクッキーとミルクと手紙を置く。


「私でいいの?みんなの素材なのに……」


「私は興味無いから。ユカさんが役に立てて」


「私も良いかなぁ……」


 二人が部屋から出ていき、ユカがベッドに寝る。3人で部屋で待ってみたが何も起きなかった為、一人でベッドに寝ないとダメなのではと考えた結果の行動である。

 ユカがベッドに入り、待つ事約1分。暖炉の方から物音がし、何者かが入って来る。


(きた……?)


 ちなみに手紙には自由に文字を書けたため、ユカは正直に『サンタさんが欲しい』と書いた。因みに本来は手紙には欲しい物を書くわけではない。

 クッキーとミルクを食べる音がし、それが終わると手紙を開ける音がする。すると、人影がベッドに近づく。


「ふふ……私が欲しいなんて……正直な子ね……」


 そう声が響くと布団の中に入り込んで来て、ユカの体に手を這わせる。


「んっ……ふふっ……んん……」


「ふふっ、起きてるんでしょう?サンタはプレゼントをあげなきゃだからね……貴方のモノになってあげる……」


 ユカの目の前にウィンドウが現れ、サンタ娘がパートナーになったと表示された。

年明けるまでがクリスマスだから(言い訳

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