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13話

 現実世界。橘優香。東京のとある高校に通う彼女は、学校の学生寮で暮らしている。部屋は寮の端にある個人部屋で、隣の部屋には幼馴染の『藍浦美琴』が暮らしている。

 橘優香がファンタジースマイルオンラインでギルド戦とジャック戦を終えた翌日。学校。授業終わり。廊下。


(やっと授業終わった……。早く帰ってダイブしよう)


 早歩きで廊下を歩く、誰もが振り向くような美少女。ロングの黒髪をたなびかせ、160センチ程の身長で端正な顔立ちな彼女。教室の中やすれ違う生徒達から視線を集めながら廊下を進んでいく。

 そんな彼女を走って追いかけて、肩を叩いて捕まえる女の子。優香は振り返り、藍浦美琴である事を確認して溜息を吐く。


「何?みこ。私は早く帰りたいんだけど……」


「人の顔みて溜息は傷つくぞー?どうせ帰る場所は同じなんだしさー。それより、帰りにカフェ寄ろうよー。久々にー」


 顔を手で隠し、わざとらしく傷ついたフリをするも、すぐに笑顔を見せて優香を誘う美琴。150センチの身長にショートボブの茶髪。顔は優香に負けず劣らずの美少女である。


「いや、私は……。そうね、たまには付き合ってあげる」


 そのまま学校を出て美琴がカフェまで優香を連れていく。カフェに着くと、空いてる、人の少ないエリアの席を取って、飲み物を飲み始める二人。


「思えば、こういう事するのも久々ね」


「この前までゆかちーバイトしてたし、バイト辞めたかと思えば、授業終わったらすぐに帰っちゃうようになったし、休日も部屋から出て来ない日が多いしねぇ」


 ジト目で美琴がそう言い放つと優香は「うっ」と言葉を詰まらせる。そして、断った方が良かったかと後悔し始める。

 因みに優香は美琴を「みこ」と呼び、美琴は優香を「ゆかちー」と呼ぶ。


「色々あるのよ、私にも……」


「ふーん……。ところで、どんなゲーム買ったの?」


 「あぁそれは……」と言いかけた所で墓穴を掘った事に気付き、美琴を睨む優香。


「何年ゆかちーの幼馴染やってると思ってるのよ。まぁ、部屋にいるのにノックしたりメッセージ送ったりしても反応無いから、ちょっと考えればVRゲームやってるって分かるって」


 もう少し頻度下げたりしておけばよかったと後悔する優香。


「後、やってるソフトって多分これでしょ?」


 そう言って、美琴はカバンの中からファンタジースマイルオンラインのパッケージを出して優香に見せる。

 優香は完全に絶句していた。


「ゆかちーがバイト始めた時期が、このソフトの発売日とほぼ同じだし。それにゆかちー、私がふざけてくすぐったりすると、口では嫌がるんだけど、体は本気で嫌がっていなかったしねー」


 優香の顔は既に真っ赤になっていた。


「変態……」


「誉め言葉として受け取っておこう!」


 だがここで優香に一つの疑問が残る。何故みこはソフトを買ってあるのだろうかと。


「という訳でー。私も今日から始めてみるから、案内とかよろしく!」


 優香は一瞬、彼女が何を言っているのか理解できていなかった。一分程の時間を要し、ようやく彼女のセリフの意味を理解する。


「……はっ!?本気で言ってる!?」


「おぉう、随分と時間かかったね……。まぁ男嫌いのゆかちーがやってる奴だし、ゲームの中でのゆかちーの事も知りたいし」


 そんな二人の元に、黒いロングの髪の店員さんが近づいてくる。


「お客さん、そういう会話は、もう少し声を抑えておいた方が良いですよ?」


 美琴は素直に「はーい」と答えたが、ユカはその声に、どこか聞き覚えがあった。


「まぁ、もうすぐ閉店するから、もう他のお客さんは居ないけどね」


「あれ、もう閉店時間なんですか?」


 気付けば他のお客さんは全員既にいなくなっていた。


「えぇ、今日はこれから貸し切りにするからね」


「貸し切り。なら仕方ないか、私達もそろそろ出ようか?」


 そう言って荷物を纏める美琴。


「あの、その前に……。すみません。ひょっとして、エルザさんですか……?」


 何の事?という顔をする美琴。


「やっぱり、その声はユカちゃんか……。ボイスチャットで聞いた声と同じだからもしやとは思っていたけど。リアルで会うのは初めてね」


「え、何?何の話?」


「えっと、ゲームの知り合い?」


 簡単にエルザの事を紹介する優香。


「まぁ、大体そんなところね。本名は真砂恵那っていうわ。ここの店長をやってるの」


「そういえば、もうすぐ貸し切りにするんだから早く出た方が良いんじゃ?」


「あぁ、それなら大丈夫よ。貸し切りにする理由って、オフ会する為だから」


 そこまで言いかけた所で、店の扉が勢いよく開かれる。


「魔法少女が一番乗りー!じゃなかった!?およ?誰?」


 人物の特定が容易なセリフと共に、優香達とは違った制服を着た、セミロングの黒髪に元気一杯の笑顔の少女が飛び込んでくる。


「莉奈。いつもいつも、もう少し落ち着いて行動できないの?それと、こっちはユカちゃんで、こっちはその友達」


「おぉぉぉ!まさかのサプライズゲスト!流石の私も驚いたよ!」


 駆け寄って手を取り、握手をしてブンブン振り回す少女。


「私はイリーナ。魔法少女で本名は汐咲莉奈。よっろしくー!」


 決めポーズを決める莉奈。リアルでも性格に大した差は無いようだ。


「オフ会って事は、団長達もみんな来るんですか?」


「そだよー。半年に一回か二回くらい、こうして集まってるの」


「特に団長と副団長は、会ったらきっと驚くわよ……」


 すると、店の扉が開いて、茶髪のショートカットの女性が眠そうな顔をして入ってくる。


「相変わらず莉奈は来るのが早いね……。知らない人もいるし……」


「こっちはユカちゃんだから知ってる人だよ?」


「んん?ユカちゃんが来るって言ってたっけ……?徹夜明けだから記憶が……」


~説明中略~


「成程。そんな偶然もあるものなのね。世の中って狭いわ」


 納得すると席に座って自己紹介を始める。


「私はルルナのリアル……。本名は音琴咲弥。今は週刊誌で『ハプニング!』っていう漫画を描いてる漫画家よ」


 真っ先に反応を示したのは美琴だった。


「えぇっ!?あの漫画の作者なんですかっ!?」


「だからあの漫画。くすぐりシーンが多かったのね……。なんか納得」


 週刊誌によくある、お色気枠のような漫画で人気も高く、アニメ化もしていたりする。


「出版社の忘年会とか行くと、大体初対面の人には驚かれるのよね。男だと思ってましたってよく言われるし」


 だろうなと、二人は心の中で突っ込んだ所で、扉が開き、二人の女性が入ってくる。


「あれ?知らない人もいます」


「本当なの」


 一人は実に分かりやすい口調であった。


「こっちはユカちゃん、こっちはその友達」


 これまでの事を説明する。


「私は谷ヶ崎晴菜よ、ゲームではリオって名乗ってるわ」


「猫宮涼花。リオ……晴菜と一緒に大学教授やってるの」


(ネアさんってあの口調。素であれだったのね……)


 そこまで話すと店の前に黒い車が止まり、サングラスをかけた女性が二人、降りてきて店に入ってくる。


「やっほー。みんなもう集まってるー。ん?誰?」


「案の定、私達が最後ね……」


ー説明中略ー


「そんな偶然あるとは、本当、世界って狭いわね……」


「生ユカちゃん……。ねぇ。触っていい?」


「自重するの」


 二人がサングラスを外したところで、美琴が絶句する。


「私が副団長フィア。本名は花咲響。歌手をやってるわ」


「団長リリィ。本名は和泉璃々。モデルやってます!」


 璃々は美琴の方に向き。


「ねぇ、貴女も可愛いわねぇ……。触っていい?」


「自重するの」


 当の美琴は絶賛思考停止中。美琴は響のファンで、CD等も良く買っており、璃々の事もファッション誌で知っている。


「さて、お待たせ。飲み物よ」


 エルザが飲み物を全員分用意して自身も席に座る。美琴は再起動が完了した。


「あ、あの。私も今日このゲーム。始めてみようかと思うんですが……」


 璃々が何かを狙った顔になったのは、恐らく気のせい。


「ねぇ、さっきも言ったけど本気で言ってるの……?」


「可愛い女の子は大歓迎だよ!!」


 自重しない璃々。


「まぁもうソフトも買っちゃったし。やらなきゃ損だよ?」


 何か納得していない顔をする優香。


「そういえば、どの職業かは決めたの?結構重要よ?」


 「決めてない!」とどや顔で決める美琴。


「召喚術師が最強でお勧めだよ!」


「召喚術師で最強目指せるの貴女ぐらいよ」


「まぁ、色々試して選んで行けばいいんじゃない?」


 ユカの言う通りにしようと話は纏まり、そのまま他愛も無い話をする。次のアップデートの話や、昨日のジャック戦の後、璃々がジャックを召喚できるようにした事、そんな話をしながら時間は過ぎて行った。



 その日の夜。ゲームの中。街の中心部にある、ゲーム開始時に誰もが最初に降り立つ場所。ユカはそこでお菓子をつまみながら美琴を待っていた。

 待つこと暫く、不意に光が集まり、一人の女の子がそこに姿を現す。真っ赤な髪色に現実と変わらないショートボブの髪型。現実よりも幼めに作られた顔に150ほどの身長の女の子。設定された名前は『ミコ』


「もうちょっと名前捻れなかったの……?」


「おぉ?誰?……ゆかちーか。いや、ゆかちーも人の事言えないじゃん……。というか、何その忍者服」


 自分の体をじっくり観察し始めるミコ。


「これがフルダイブ型VRゲームかぁ……。自分の体が自分じゃなくなってるのが、なんか不思議な感じ……。ところで、どこで職業って変えられるの?今無職になってるけど」


「私は最初チュートリアルで変えたけど、普通に考えるなら教会かな」


 そもまま二人は教会に向かう。


「うーん、色々あって悩むねぇ……。そいえば、ゆかちーは何にしたの?」


「んー……。今度、ギルドハウスで教える……。どこに目や耳があるか分からないし……」


 ミコは疑問を抱きつつも、深く突っ込まないことにした。


「騎士にしようかな。槍使ってみたい」


 そのままミコは騎士を選択し、職業を変更する。


(そういえば、忍者屋敷のインパクトで忘れてたけど、ここの懺悔ってどんな事するんだろう……。このゲームの教会が信仰している神様がイリスだから……。そう言う事だよね……?)


 そして二人はそのまま実戦の為、街を出て平原で魔物を探す。


「ゆかちー、あの浮いてるカボチャは?」


「アレはダメ、返り討ちコース確定だから……」


 そうして探す事暫く、平原でプルプルしていた水色の粘液の塊、おなじみスライムを発見する。


「スライム。RPGの序盤で出てくるおなじみの奴だね。こいつなら楽勝!突撃!」


 そう叫んで槍を構え、スライムに突撃するミコ。ふと、ユカは団長から聞いた事を思い出す。


『そいえば、平原にいるスライムだけど。忍者が物理系の職なら挑まない方が良いよ。物理耐性が高い上に自動再生まであるから。このゲームのスライム系は正直強いよ』


 ミコはそのまま槍をスライムに突き刺す。が、あまり効いておらず、傷が再生を始める。


「あれ、ゆかちー。全然効いて無い上になんか回復してない?」


 ミコがそうユカに確認するために振りかえる。その瞬間を狙い、スライムがミコに飛び掛かる。


「はぇっ!?」


 不意を突かれたミコは当然反応する事が出来ず、そのままスライムにのしかかられる。


「ちょっ、うまく動けない……。はーなーせー!」


 当然離す訳がない。スライムはそのままプルプルと振動してミコの上半身をくすぐり始める。


「ふひっ、やめっ、震えなっ、ふふふっ、くすぐったい……」


 ミコは目線でユカに助けを求めるが、ユカは露骨に目をそらす。


「ちょっ、ゆかちーっ、たすっ、ふひひっ、やめっ、ひゃんっ!あはっ、揉むのはだめっ!あはははははははっ!くすぐったい!」


 振動だけじゃ飽き足らず、粘液の体を巧みに動かして、振動しながら揉むような動きに変わるスライム。


「ゆかちーっ!たすけっ、ひゃははははははは!くすぐったいって!やぁっはははははははは!」


 どうにか逃れようと抵抗するミコ。だが、粘液の体にガッチリと捕まえられている為、無駄に終わる。


「やめへっ!あっははははははははははははは!たすけてっ!ゆかちーっ!」


 そろそろミコのHPが尽きそうなので、ユカは忍者刀を抜いてスライムに突き刺す。スライムは驚いたように動き、ミコから離れる。


【忍術:火遁】


 離れたところで、スライムの体に手を当てて、火遁で焼却する。スライムは物理耐性は高いが、属性耐性は貧弱である。

 ミコはぐったりとして横たわりながら、大きく呼吸をしている。少ししてようやく落ち着いたミコがユカに怒る。


「ゆかちー、どうしてすぐ助けてくれなかったのさー……」


「いや、どういうゲームか身をもって知った方が良いかなって……」


 落ち着きを取り戻したところで立ち上がり、槍を持ち直して次を探す。


「というか、なんでスライムがあんなに強いのさ……」


「粘液の体だから物理耐性が高いって聞いた事あるよ?」


 そんな二人の元に、ユカが初めて戦った猫の様な、ティキャットが現れる。


「何、この猫っぽい奴。敵?」


 ミコと猫が対峙するとエリアが形成されていく。


「せいやっ!」


 ミコが槍を大きく振り上げて、そのまま振り下ろすが、猫は躱して、そのまま地面に突き刺さった槍に乗り、ミコに飛び掛かる。


「へぇっ!?」


 予想外の事に驚いたミコは、反射的に槍を手放して尻餅をついてしまう。猫はそのまま、胸元から服の中に侵入し、ミコの素肌を直接刺激する。


「ちょっ、服の中に入らないで!や、んふふ、くすぐったいよ!ひゃんっ!動かないでよ!やめっ、ひゃはははははは!お腹舐めないで!」


 一見するとペットが飼い主にじゃれているような光景。


「ふひひひひひひひ!ゆかちーっ、たすけっ、ひゃははははははは!」


「いや、そいつを服の中から出さないと私も攻撃できないし……」


 なんとか服の中から追い出そうと試みるミコ。だが、素早く服の中を走り回る猫を中々捉える事が出来ず、時々素肌を舐められるくすぐったさもあり捕まえる事が出来ない。


「あっはははははははは!やぁっはははっはははははは!はひっ、このっ、やぁっ!」


 ようやく尻尾を捕まえてぶん投げるミコ。すかさずクナイを投げて仕留めるユカ。


「はぁ……はぁ……くすぐったかった……」


 その場にぐったりと座り込むミコ。

 そんな二人に近づく人影が二つ……。ユカはその二人を睨む。


(なんか、デジャブを感じる……。あの時はエルザさんに助けて貰ったけど、今は6人ともインしてないし。紫電で倒せるかな……)


「なーにー?あなた達」


「君達を襲いに来」


【忍術:雷遁・紫電】


 セリフを言い切る前に術を発動させるユカ。瞬間、男達が居た空間に紫色の巨大な雷が降り注ぎ、爆発音にも似た雷鳴が轟き、ダウンマーカーが二つ点灯する。

 ミコはあまりの威力の高さに絶句していた。ユカはMPポーションを飲む。


「……え。何、今の……。私達よりレベル高い人が消し飛んだけど……」


「皆に手伝ってもらって習得した上級技。消費が激しいからそんな連発出来ないけど……」


 そのまま平原で何体か魔物を倒して街に戻り、ギルドハウスで入団を済ませ、ハウス内の喫茶店で反省会を開く。


「取り敢えず、みこ。攻撃されたら槍を手放す癖は直した方が良いよ?」


「つい驚いちゃうんだよねぇ……。まぁ何とか頑張ってみるよ」


 そのままユカはミコと一旦別れ、教会に向かう。そのままシスターに話しかけ懺悔を選択する。


「それでは、こちらの服に着替えて、隣の部屋に来てください」


 そのままシスターは部屋から出ていく。渡された服は半袖半ズボン一式のみで、生地も薄い。ユカは装備しているアイテムを全てアイテムボックスに仕舞って、服を着る。因みにこのゲームで装備アイテムを全て外すと下着姿になり、下着を脱ぐことは出来ない。

 ユカが隣の部屋に行くと、両端からシスターに抑えられ、十字架に磔にされる。ちなみに手足は柔らかい布で縛られている為、痛みはない。


「それでは懺悔を始めます。私達の手で苦しみを与え、罪を清算するのです」


 シスターは計5人、10歳程の幼いシスターも居れば、眼鏡をかけた如何にもお姉さんといった佇まいの子もいる。全員が、手に羽帚を持っていた。

 眼鏡のシスターが合図を送ると、全員が羽帚でユカの体をくすぐり始める。


「ん……くっふふふふ……やぁっ……足ばっか……」


 何故か足の裏や太もも等、下半身のみを責めるシスター達。


「くひっ、ふふふふっ……はひっ……んんん~~~っ!」


 時に優しく撫でたり、小刻みに動かしたり、先っぽで足の裏を円を描くように撫でたり、指の隙間に入れて激しく動かしたり、全員で内ももを責めたり、多彩な刺激でユカを翻弄する。


「やっふふふふふふ……ふひひひひ……ひゃぁんっ!そこはっ、やっ、ぞくぞくする……」


 一人が羽箒を置いてメイクブラシを持ち、ユカの両耳をくすぐり始める。


「んん~~~~~っ!!くひひひひっ!ひゃはっ!んふふふふふ!」


 段々と耐え切れなくなるユカ。すると眼鏡のシスターが後ろに回り込み、ユカの脇腹を直接くすぐり始める。


「ひゃはっ!やめっ!ひゃはははっははははは!!」


 いよいよ耐え切れなくなるユカ。四肢は動かない為、首を左右に振って無駄な抵抗をする。


「あっははははははははは!やめへへへへはははははははは!」


 最年少の一番小さなシスターが右の太ももを直接手でくすぐり始める。眼鏡のシスターは片手を脇腹から脇まで移動させる。残りの二人は依然羽箒を持ったまま足の裏を責める。


「ひゃっはははははははははははははは!だめへへへへへ!くすぐったいっ!」


 耳をくすぐっていたシスターが、片方をメイクブラシから羽帚に戻し、耳の中を出し入れするようにくすぐり始める。


「あっははははははははははははははは!!ぞわぞわするっ!くすぐったいのっ!やぁっはははははははは!!ひゃはははははははははははははは!!!」


 そのままユカは10分程くすぐられ続けた……。

 その頃、ミコは街を歩いて、ユカと街を歩きながら見つけた気になる店の前に来ていた。その店の看板にはフィッシュセラピーと書かれていた。


(これってあれだよね、ドクターフィッシュ。前々からちょっと体験してみたかったんだよね。折角だし入ってみよう)


 ミコは店の中に入り、受付を済ませる。


「それでは、こちらの施術用の服に着替え、こちらの扉から入室して下さい」


 案内役の女性はそう言うと部屋から出て行った。

 部屋に置いてあった施術用の服は、ビキニタイプの水着だった。


(服じゃねーじゃん!)


 等と心の中でツッコミながら、ミコは水着を一旦アイテムボックスに入れて選択し、着替える。水着は下着扱いの為、アイテムボックスを経由しないと着替える事が出来ないのだ。

 着替えたら、言われた通りに扉をくぐり、隣の部屋に入る。


「それでは、こちらの座椅子に座ってください」


 案内役の女性の足元に置かれた座椅子に、ミコは言われた通りに座る。すると、ミコの両手両足が拘束され、動けなくなる。


「あの?なんで縛って……」

「それでは、施術を開始しますね」


 そう言って女性はミコの肩ぐらいまで水が張られた風呂の中に、座椅子に拘束されたミコを入れる。

 ミコが風呂の中に入った瞬間、大量の魚が我先にとミコの体に群がり始める。


「ちょっと、まって、私動けないからぁぁぁぁぁぁっはははははははははははは!!」


 大量の魚に群がれ、体中をくすぐられるミコ。一匹一匹は大した事無いが、こうも数が多いと耐えられるものではない。


「出して、出してぇぇぇぇぇぇっへへへへへへへへ!!あぁっははははははははははははははははははは!!」


「気持ちいいでしょう?当店のドクターフィッシュは垢の一つも逃さず除去してくれますよ」


 拘束されている為、逃げる事も抵抗する事も出来ないミコ。


「くしゅぐったいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃへへへへへへへ!!あっははははははははははははははははははは!!もういいいいいっ!もういいからぁぁぁぁぁぁっはははははははははははははははは!!だしてぇぇぇぇぇっへへへへへへへ!!」


 そのまま5分くすぐられ続け、ようやく解放されたミコ。ユカにへたり込み、放心状態になる。


(何だろ……あんなに止めて欲しかったのに……嫌だったのに……またされたいって思ってる自分いる……。ゆかちーがハマった理由が何となく分かった気がする……)


 そのまま落ち着くまで10分かかった後、本気でこのゲームをやろうと決心する。

くすぐり+シスター=十字架磔拘束という安直な考え。

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