番外編 回想アイテム:ユカ
無限に時間が欲しい
ユカとニナが夜の学校のクエストをクリアした数日後。
「珍しく1人で暇になっちゃったわね」
1人で暇を持て余したユカは、ギルドハウスの自室に移動すると、学校のクエストのクリア報酬で貰った、イベント回想用のアイテムを使う。
「一応お札も懐に入るのね。使うつもりないけど」
校庭から夜の校舎を見上げて何処に行こうか思考を巡らせる。
尚、ユカはいつもの忍者服ではなく、以前と同じブレザータイプの制服を着ている。
「さて、どこに行こうかな」
少し考えて、ユカは1階保健室に向かう。
「ニナが何事もなく戻ってきたところだけど、どんなことがあったんだろう」
大して遠くなく、学校の構造もまだ覚えているので、すぐに保健室まで辿り着く。
「誰も何もいないわね」
部屋に入って中を見渡し、誰もいないことを確認すると、カーテンが閉まっている3つのベッドに目を向ける。
「まぁ、これよね。あからさまだし。多分どれか1つがアタリで、ニナは一発でアタリを引いたのね」
ニナがどれを選んだのか少し考えた後、アタリだったとしてもスルーすればいいや、という結論になり、ユカは右から順に開けていくことに決めた。
「よっと。うわっ!」
カーテンを開けた瞬間、飛び出してきた何者かに腕を掴まれ、ベッドに引きずり込まれる。
ベッドに寝かされると、そのまま布団をかけられると、布団が少し膨らむ。
「何・・・?ひゃんっ!」
思っていたのと若干異なる展開に心の中で首を傾げていると、突然全身を強烈なくすぐったさが襲ってくる。
「ふひっ!くっ!やっ!あぁぁっはっはっははははははは!」
不意打ちに近い出来事に、ユカはあまり耐えられず大きな笑い声を部屋に響かせる。
「あぁっはっはっははははは!なにっ!?なにがっ!?っはははははは!」
布団の中で何かに体を押さえつけられて身動きが取れないユカを容赦なくくすぐる。
「あぁ~~~っはっはっはっはははははは!やめ、やぁっはっはっはっはははは!」
布団の中で何者かがユカの体をくすぐっていることは分かるが、どれだけ暴れても布団が張り付いているかのようで、捲れることもなく正体を確認できない。
「あぁーーーはぁっはっはっはっはっははははははは!はぁーっ!はぁーっ!はぁーっはっはっはははは!」
一つだけ分かるのは、ゲームの仕様上、くすぐっているのは女の子ということだけ。
「あっははははははは!やぁっ!あはっ!んぁっはっはっはっははは!」
布団の中の何者か。十中八九、霊ではあるが。は、手を緩めることなくユカの体をくすぐり続ける。
「ぅあぁっはっはっはっはっはははははは!はぁっ!あっ!はぁぁあっはっははははは!」
服の上から脇腹を揉んだり。
「はぁぁっはっはっはははははは!あは!あはっ!あぁっはっはっはははは!」
腕を押さえつけられてガラ空きになった脇を、裾から侵入した手が指を這いまわし。
「あぁっはっ!~~~~~~~~っ!!やっ!あっはっはっはっははははは!」
無防備に素肌が晒さられている太ももや、靴だけ脱がされた足の裏を何十本もの指が蠢く。
「あぁっはっはははは!あはっ!はぁっ!やぁぁっはっはっははははは!」
(そろそろいい、かな)
くすぐられること数分、ユカは縄抜けを行使して布団から脱出する。
「じゃあね」
そしてすぐに保健室から脱出する。
「はぁ、あ~~、思ったより激しかった・・・」
廊下に出て座り込み、1分ほど休憩すると次の場所へ向かう。
「そんなに時間あるわけじゃないし、後1ヵ所にしておこうかな」
次で最後と決めたユカが向かったのは、2階美術室。
「前はニナがいたからスルーしたけど、あのキャンバス気になる」
ゴール地点となるお札を貼る場所の最短ルートに置かれている罠にしか見えないキャンバス。
「まずはあそこを目指そう」
ユカが美術室に入った瞬間、数本の筆が浮かび上がり、ユカに向かってくる。
「んぅっ・・・!んふっ!ふぅっ・・・!」
耳や首筋を狙ってくすぐってくる、宙に浮かぶ筆。
「んっふふふふ・・・!ここ、ね・・・」
キャンバスの手前まで辿り着くユカ。
「何、この絵・・・?」
キャンバスには、だれかをくすぐるような指の動きを見せる、腕が異様に長い手が描かれていた。手は虚空から伸びてきているように見え、不気味な印象を受ける。
「ろくろ首ならぬろくろ腕って感じ?・・・ん?えっ!?」
絵を見ていると、絵の中の腕が動き出し、絵から出てきた。
「あ、これマズっ」
逃げることも出来ず・・・元から逃げる気は無かったが・・・腕に捕まったユカはそのままキャンバスに押さえつけられるように拘束される。
身動きのできなくなったユカに宙に浮く筆と、絵から飛び出してきた腕が、容赦なく襲い掛かる。
「んひゃっ!んぅっ・・・!んっふふふふふ!」
最初は何とか我慢するユカだったが。
「あはっ!あっ!むりっ!~~~~っはぁっはっはっはっははははは!」
すぐに耐えきれなくなり、大きな笑い声を部屋に響かせる。
「はぁぁっはっははははは!あぁっはっはっはっはっはははは!やっ!あっ!」
腕がユカの上着を捲り上げ、露わになったおへそを筆が撫でまわし。
「やぁぁ~~~っ!っはっはっはっはっははは!あぁっはっはっははははははは!」
脇腹を掴んだ腕がそのまま揉むような刺激を与え。
「あっはははははははははは!あはっ!やぁぁっはっはっはははははははは!」
袖から侵入した何本もの筆が無防備に晒されている腋の下を撫でまわし。
「ひゃぁぁっはっはっはっははははは!あぁ~~~~っはっはっはっはは!」
いつの間にか靴と靴下を脱がされ、素肌が露わになっている足の裏を刷毛や羽箒を持った腕が優しく撫でる。
「あぁぁぁっはっはっはっはっはははははは!あはっ!おなかいたぃっひっひっひひひひひ!」
10本以上は集まった筆が太ももをこしょこしょとくすぐる。
「ひゃっはははははははっはっはっはっははは!くすぐったぃっひひひひ!」
耳や首筋にも筆は優しく這い回り、ユカは全身をくすぐられる。
「ひゃぁぁ~~~っはっはっはっははははははは!やぁっ!やぁぁっはっはっはははははは!」
大量の筆やら腕やらにくすぐられているユカは体力をどんどん減らしていく。
「あぁぁっはっはっはっははははははは!あはっ!はぁっはっはっははははは!」
体力を空になるまでくすぐられたユカは、ギルドハウスの自室に戻っていた。
「はぁーーーっ!はぁーーーっ!はぁーーー・・・」
そのままベッドに寝転ぶと、心地よい疲労感から寝落ちてしまう。
最近腰と肩と頭が痛い