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125話

めちゃくちゃ更新が遅くなりました。

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

 学校で悪霊退治のクエストを受けたユカとニナ。

 3階まで終えて4階へと辿り着く。


「この階は音楽室と図書室だったわね」


「ユカちゃんはどっち行きたい?」


「・・・どっちでもいいわね」


「私もどっちでもいいんだよねー」


 2人はじゃんけんをして、ユカが図書室に、ニナが音楽室に行くことになる。


 図書室へ到着したユカ。

 廊下から窓越しに室内を観察するが、目立った異変は無い。


「誰かいたり、変な生き物がいたりはしてないわね・・・。お札を貼る場所はどこかしら」


 図書室の中は背の高い本棚により死角が多く、廊下の窓からはお札を貼る光っている場所も見つけられなかった。


「あまり気は乗らないけど、中に入って臨機応変に対応するしかなさそうね」


 意を決してユカが図書室の中に入った瞬間、図書室の扉が勝手に閉まり、ユカは中に閉じ込められてしまう。


「これは・・・」


 そして本棚から10冊ほどの本が出てきて、空中に浮かびながらユカの方へとじわじわ近づいてくる。


「捕まったらヤバそうね。ま、私は縮地があるから平気だけど」


 本の動きは遅いが狭い通路を塞ぐような動きをしており、普通のプレイヤーであれば苦戦していたかもしれないが、ユカには瞬間移動技の縮地があるため、難なく包囲網を突破する。


「あった。本棚の陰に隠れてたわね」


 そしてお札を貼りつける光る場所を見つけ出し、お札を貼る。すると、本が力を失ったように床に落ちて動かなくなる。


「・・・これ、片付けた方がいいのかしら」


 ユカは床に散らばった本を片付けてから音楽室の方へ向かうことにする。


 一方、音楽室のニナ。


「パッと見は何もないけど・・・」


 廊下から窓を覗き、室内の様子を探るが怪しい様子はない。


「まぁ入ってみれば分かるでしょ」


 やられてもユカが助けに来るから平気だと考えているニナは、そのまま無策で中に入る。


「うぉぅっ!?」


 ニナが中に入った瞬間、突然ピアノが勝手に鳴り始める。突然のことにとても驚くニナ。


「びっくりしたぁ・・・」


 ニナのことはお構いなしに、クラシックな音楽が演奏される。

 そしてニナの周りに半透明の女の子達が7人現れ、2人1組でペアを組んで社交ダンスのようなダンスを始める。


「え、何、これ」


 そして余った1人がニナの前に立ち、手を差し伸べる。


「踊れってこと?私ダンスとか全く経験ないけど・・・。これ拒否ったらくすぐられるパターンだよね」


 ニナはさっき3階でくすぐられたばかりだったこともあり、女の子の霊の手を取る。


「お?体が勝手に動く」


 幽霊の女の子の手を取ったニナの体は勝手に動き、他のペアのようにダンスを踊る。


「システムが勝手に動かしてくれてるのかな。・・・ひゃぁっ!?」


 異変は唐突に起こった。ダンスを踊っているニナは突然、体をくすぐられているような感覚に襲われる。


「あひっ!ま、まってぇっ!~~~っ!からだっ、止まんなぃっ!」


 まるで見えない手に体中をくすぐられているようだが、それでもニナの体は勝手に動き、ダンスを踊り続ける。


「だめ、耐えれなぁぃっひっひっひひひ!あぁっはっはっはははははは!」


 ロクに耐えることもできず、大きな笑い声を部屋に響かせるニナ。


「あぁぁ~~~~っはっはっはっはっはっはははははは!これ、とめてぇっへっへへへへへ!」


 ニナと踊っている女の子の霊は、ニマニマしながらも笑い声をあげるニナと踊り続けている。


「あはっ!あぁっはっはははははは!やぁ~~~~っ!あひっ!」


 普通なら立つことすらままならないであろうくすぐったさに襲われながらも、勝手に動くニナの体は何事も無いように踊り続けている。


「はっ!はっ!はぁっはっはははははははは!きつっ!ひゃぁっはっはっはははははは!」


 5分ほど経つと音楽が終わり、ニナもダンスとくすぐりから解放される。


「はぁー・・・っ!はぁー・・・っ!」


 解放されると同時にその場に倒れこんだニナは大きく深呼吸をして息を整える。


 3分ぐらいの時間をかけて回復したニナは立ち上がってお札を貼りに行こうとすると、またピアノが音楽を奏で始める。


「え、や、まって!終わりじゃないの!?」


 再び幽霊の女の子たちが現れて踊り始め、ニナの前にも女の子の霊が再び手を差し伸べる。


「やー・・・、もう満足したっていうか、今はいっかなぁって」


 ニナは女の子の霊を避けてお札を貼りに行こうとする。が、女の子の霊はそんなニナの動きを先読みしたようにニナの前に動き、ニナの手を捕まえて握る。


「ちょっ、なんで。もう動けな・・・ひゃぁんっ!」


 女の子の霊に手を握られた瞬間に体の自由を奪われ、ニナは再びダンスとくすぐりに襲われる。


「ひゃめぇっへっへへへへへ!へぁっ!あっ!あぁっはっはっははははははは!」


 休憩を挟んだとはいえ、疲弊していた体ではまともに抵抗もできず、大きな声で笑うニナ。


「あぁっはっはっははははははは!あはっ!はぁぁっはっはっはっはははははははは!も、やめっ!」


「何、あれ・・・」


 そこへ図書室の片付けまで終えたユカが音楽室の前まで到着し、中の様子を見て怪訝な顔をする。


「ユカちゃっ!入っちゃだめぇっへっへへへへへ!まって、まってぇっ!~~~~っはっはっはははははははは!」


「・・・?よく分かんないけど、中に入ったらマズそうね」


 そのままニナが笑いながら踊る光景を見つつ待っていると、また音楽が終わって女の子の霊たちが消える。


「はぁー・・・っ!ユカちゃんー・・・、今のうちー・・・」


「なるほど、そういうこと」


 ルールを把握したユカは中に入ると、音楽が鳴る始める前に急いで音楽室の奥まで走り、お札を貼る。


「これでもう平気でしょう。・・・大丈夫?」


「さすがの私も、踊りながらくすぐられるのは、初めての経験だった・・・」


「そりゃそうでしょう・・・」


 ニナが回復するまで待った後、2人は最後の場所である屋上へ向かう。

ようやく転職先が決まったけど、新しいことを覚えるのって大変・・・

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