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番外編 惑星探査ゲーム1-1

一番悩んだのはタイトル名

 ある休日の昼過ぎ。ニナに誘われ、新しく購入したゲームをプレイするユカ、ミコ、ニナの3人。


『-まもなく、大気圏に突入します。衝撃に備えてください-』


 ユカ達の耳に大人っぽい印象を受ける女性の声が聞こえる。

 ニナがやろうと誘ったゲームのタイトルは「ティックプラネット」というSFゲーム。当然ながらくすぐられることがある。


『-パラシュートの展開を確認。まもなく着陸します-』


 何かにぶつかったような音と衝撃がすると、ユカ達の前にある扉が開く。


「うぅぁ~~~」


 扉から出たユカは大きくからだを伸ばす。


「ゲームとはいえ、大気圏突入を体験するとは思わなかったよ~」


 ミコがユカの元に近寄る。


「なかなか貴重な体験だったね。技術の進歩ってすごい」


 最後にニナが合流する。


「近寄られても宇宙服だから誰が誰だが分からないのよ」


 ユカが冷静にツッコむ。


『-全員の無事を確認しました。その惑星の大気の成分は地球と殆ど同じであることが判明しているので、宇宙服を脱いでも大丈夫です-』


 宇宙服に内蔵されたスピーカーから女性の声が指示を出す。


「あ、脱いでいいんだ」


 指示通りに宇宙服を脱ぎ、3人はゲーム開始前にキャラメイクで作った自分の姿になる。

 ユカは白い上着に黒いコート、デニムのショートパンツを着用した、動きやすい服装。

 ミコは私服に近い、黒のワンピースを着ている。

 ニナは紺色のセーラー服上下にタイツを着用している。


『-今回は初の惑星有人調査に立候補いただき、ありがとうございます。今回オペレーターを務めさせていただく、リンと言います。よろしくお願いいたします-』


「惑星調査?」


「みこ、ストーリーとか読んでないわね?」


「うん」


「ざっくり説明すると、住めなくなった地球に代わって移住できる惑星を人類が捜索してて。で、その候補として選ばれたこの惑星に、私達が人類の住める星か調査に来たってとこ」


『-着陸ポットに護身用の銃火器がありますので、忘れずにお持ちください-』


 ユカ達は言われた通り、ポットに格納されていたボルトアクション式のスナイパーライフルを手に取る。


「M24かな、これ」


「銃はさっぱりだから聞かれても分からないわよ」


 3人が銃を取ると、少し離れた場所から信号弾が撃ち上がる。


『-今信号弾が撃ち上がった場所に、事前に建築しておいた拠点がありますので、そちらに向かってください-』


「事前に建築・・・。私たちが最初の着陸者じゃないんだ」


『-いえ、あなた方が初の着陸者です。建築はロボットを使用して行いました-』


「あぁ、なるほど」


『-拠点には麻酔銃を装備した護衛ロボットが待機しているはずなので、安心してご使用ください-』


「私達が持ってる銃は実弾っぽいけど、ロボットは麻酔銃なんだ」


『-万が一ロボットが暴走した際、調査団の皆様の脅威にならないよう、麻酔銃を持たせることになりました-』


「実弾で撃ち合うのはやりたくないねぇ」


 歩いて向かうこと数分、3人は拠点に到着する。


「ここが拠点。いかにもSFって感じの家だね」


 拠点はSF感の強い3階建ての大きな家。


「・・・変ね」


 最初にユカが異変に気付く。


「どうしたのゆかちー?」


「ロボットがいない」


「そういえば、護衛ロボットがいるって話だったね」


「建物の裏にいるんじゃない?今いる場所から見えてないだけで」


 拠点の周りをぐるっと一周したが、ロボットは1体もいなかった。


「リンちゃん、ロボットがいないんだけど」


『-妙ですね。担当者に問い合わせますので、少々お待ちください-』


「中にいるんじゃない?」


 ミコが何も考えずに拠点の中に入る。


「あ、ほらいたじゃ」


 ミコがそこまで言いかけたところで、乾いた発砲音が響く。


「ミコちゃん!?」


「撃たれた?」


 ユカとニナは体を隠しながら家の中を確認する。

 そこには麻酔銃で撃たれてスヤスヤ眠っているミコと、奥にやたらと動きがぎこちないロボットがいた。


「なに、あのロボット。やたら動きが不気味なんだけど」


『-何かありましたか?-』


「あ、リンちゃん。仲間が1人、ロボットに撃たれて眠ってるよ」


『-ロボットに?-』


「うん。動きがすごくぎこちなくて不気味なんだけど。撃っていい?いいよね?」


『-構いません。調査団の皆様の安全が第一ですので。頭部にCPUがあるはずなので、頭を狙ってください-』


「おけ。銃は慣れてないけど、この距離なら外さないでしょ」


 ニナは体を隠しながら銃を構え、頭を的確に撃ち抜き、ロボットの頭は半壊する。が、動きは止まることなく、ニナに向けて麻酔銃で反撃してくる。


「あぶなっ!リンちゃん!?頭撃ち抜いたけど止まらないよ!?」


 咄嗟に壁に体を隠して躱すニナ。


『-CPUを損傷してもなお動いているんですか!?・・・では、胸部に燃料タンクがあるはずなので、そちらを狙ってみてください-』


「今度こそ止まってよ!」


 発砲音が響き、ニナの撃った銃弾がロボットの胸部を撃ち抜く。するとロボットは燃え、煙を吹き出しながら小刻みに震える。


「やった?」


「どうかな。まだ動いてはいるけど・・・」


 ジュゥゥと水が焼けるような音がし始めると、ロボットはガクンと崩れ落ち、動かなくなる。


「止まった・・・?」


 ニナとユカが銃を構えながら恐る恐る近付き、銃口で突っついて動かないことを確認する。


「大丈夫、そうね。何だったのかしら」


「この部屋には他のロボットはいなさそうだけど、他の部屋にも潜んでるかもしれないわね」


 眠っているミコを放って、拠点内を一通り見て回る2人。だが幸いにも、ロボットは最初の1体だけだった。


「さて、ひとまず拠点内は安全っぽいけど、このロボットの残骸どうしよう」


「なんか、茶色の液体?みたいなのが染み出てきてちょっと、触りたくないわね・・・」


『-茶色の液体、ですか?受領した資料を見た限りでは、そんな物体は使用してない筈ですが・・・-』


「うーん。たぶん燃料がなんか、変色したいんじゃない?」


「とりあえず、掃除道具がさっきあったから、それで拠点の外に放棄しちゃっていいかな?」


『-できれば回収して解析したいところですが・・・。拠点内に保管しておいて再び動き出してしまったら危険なので、それで構いません-』


「じゃあ私がロボット捨てて来るから、ニナはみこを起こしといて」


「りょーかい。さて、じゃあ起こしますかー」


 ニナはユカが掃除道具を持ってロボットの掃除をしに行ったのを確認すると、眠っているミコを仰向けににして、お腹の上に乗る。


「ま、起こす方法って言ったらこれだよねぇ」


 両手をワキワキ動かすと、眠っているミコの両脇を両手でくすぐり始める。


「んんっ・・・、んっ・・・、んっふふふ・・・!」


 眠りながらもくすぐったそうにするミコ。


「んふっ・・・!ふっ・・・!ふふっ・・・!」


「なんか、普通の笑い声とか出さないからえろいな」


「んぅっ・・・!んっふふふふ!んっ・・・うぇ・・・?」


「あ、起きた」


 ミコがくすぐったさに目を覚ますが、ニナはくすぐる手を止めない。


「えっ、なにっ、してぇっへへへへへ!やめっ!あっはははははは!」


「なにって、麻酔銃で撃たれて寝ちゃったから起こしてるんだよ?」


「ならぁっ!も、おきてるっ!やめぇっへっへっへへへへへへ!」


「もうちょっとだけ、ね?」


「なぁぁっはっはははははははは!ねっ、じゃなぁっはっははははははは!」


「起きたんなら、こっちの掃除を手伝ってくれる?」


 ロボットの残骸を掃除していたユカが呆れ顔で助け船を出して、ニナはしぶしぶくすぐる手を止めてミコから離れる。


「はぁ・・・、はぁ・・・。ゆかちーありが」


「起きたなら掃除手伝って。ロボットが結構重いから」


「ゆかちーが冷たい・・・」


 復活したミコとニナも掃除に加わり、3人は拠点の掃除を終える。

学マスにハマってて書く時間ががが

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