120話
時が経つのが早い・・・
「リベンジ!」
騎士達にくすぐられて港町に戻されたユカ達。再び王都を目指して出発する。
「やっぱ敵が連携を取ってくると手強いね」
改めて気を引き締めて、襲ってくる騎士を蹴散らしながら進むこと十数分。4人は特に強敵に会うこともなく無事に王都に到着する。
「いや、なんでよ」
「なんでって言われても・・・」
「気合入れてきたのに遭遇しないとか・・・」
「まぁ、こういうことって割とよくあるわよね」
4人は王都に入り、街を見る。
「最初の街よりも大きいわね」
「まぁ、あっちにはお城とかは無かったからね」
「とりあえず、大事なアイテム『賓客証書』を買いに行きましょ」
「なにそれ?」
「それを買って持っておくと、外にいる騎士達が中立、こっちから攻撃しない限り敵対しないようになるの」
「なんでそれを港町に置いてないの・・・」
「それはほら、ゲームだから」
4人は街を歩き、大きな屋敷のような商店に到着する。
「ここで買えるよ」
「そういえば、お値段ってどんな感じ?」
「結構安いわ」
「ならよかった」
4人は証書を購入して店を出る。
「で、こっからどうする?思ったより中途半端に時間余ったけど」
「自由行動でいいんじゃない?初めての街だし」
ニナの提案に誰も異を唱えなかったので、そのまま4人とも自由行動に移る。
一行が解散して数分後、ユカとニナは城の前にいた。
「なんで行き先が被るのよ・・・」
「いやー。やっぱ最初はご当地ならではの所に行くでしょ?考えることは同じだねぇ」
「あんまり嬉しくないわね・・・」
王都では、ここでしか受けられない限定クエストが存在している。そのクエスト名は「拷問訓練の協力者募集」という。
「じゃ、一緒にいこっか?」
「一緒に行ったところで個室よ」
ニナが小さく舌打ちをした後2人は城に入り、城に入ったところでプライベート空間に転送され、2人はバラバラになる。
クエストの内容はいたってシンプルで、軍の拷問官見習いの訓練相手になるというもの。
参加したプレイヤーは事前に合言葉を教えられ、それを10分の制限時間が過ぎるまで言わずに耐えられたらクリアとなり報酬がすべて貰える。だが耐えきれずに喋ってしまえば、その時点で拷問が終わるが報酬が減ってしまう。
城に入ったユカが2人のメイドに案内され、更衣室で専用の服に着替える。専用の服といっても特別なものではなく、白いシャツにデニムのショートパンツというくすぐられやすい格好にさせられただけで、くすぐりにくい服を着て楽勝にクリアさせられることを防ぐ目的らしい。
その後に案内された拷問部屋は窓もない小さな部屋で、部屋の中央に足を伸ばせるタイプの椅子が設置されている。
(あれに座らされるのね)
部屋の内装から全てを読み取ったユカに、メイドから合言葉が書かれた紙を受け取る。
(「アップルパイ」・・・。なんで食べ物なのかな。まぁ、なんでもいいか)
紙をメイドに返した後、ユカはメイドに促されるまま椅子に座り、体を拘束されていき、その間にもう一人のメイドが拷問官を呼びに行く。
両手を背もたれに、両足を伸ばした状態でベルトのような物で椅子に縛り付けられ、完全に拘束されるとメイドは一礼して退出する。
メイドが出て行って少しすると、黒いロングの髪の女の子が部屋に入ってくる。
「あっ、えっと・・・。よろしくお願いします」
「よろしく・・・?」
少し緊張気味な拷問官の女の子と挨拶を交わす。
「じゃあ、もう始まってますので・・・。早速、始めさせていただきますね。喋りたくなったら、いつでもどうぞ・・・」
そう言って椅子の後ろに回ると、人差し指で脇を突く。
「んっ!んぅっ!ふっ!んんっ!」
指が脇を突くたびに、体を震わせて反応するユカ。
「悪くない、かな。ひとまずココを重点的に・・・」
ユカの反応からくすぐりに強くない箇所と判断し、手を広げて、今度は10本すべての指で思いっ切りくすぐる。
「んにゃぁっ!?っはははははははは!あはっ!あっははは!はぁっ!」
見習いとは思えないほど指を器用に動かし、我慢できないくすぐったさをユカに与える。
「あっ!はっ!やぁぁっはっはははははははは!あはっ!はぁっ!あぁっはははははは!」
「ここ、くすぐり弱いですか?なら、もっと責めてあげますね」
ユカの耳に顔を近付け、耳元でそう囁く。
「あぁぁっはっはっはははははははは!くすぐったぃ!っ!はぁっ!はぁぁっははははは!」
「ん、くすぐったそうだけど、一番弱いとこじゃないかも」
そう呟くと、脇のくすぐりを一旦止めて、今度はシャツの裾を捲って脇腹のあたりをくすぐる。
「んっ!やぁぁぁっぁっぁっぁっはははははははは!あっ!はぁぁっ!あぁっははははははははは!」
「撫でたり、揉んだり、こちょこちょしたり・・・」
「あぁーーーっはっはっはっははははははは!はぁっ!はぁっ!あっははははははははは!」
「ん、脇と反応があんまり変わらない・・・。足かな」
そう呟いてくすぐりを止めると、今度は足の方に回り、裸足で身動きの取れない足の裏をくすぐり始める。
「あぁぁ~~~っはははははははは!はっ!はっ!はぁっ!だめぇっ!っ!あぁっはははははははは!」
「ここも変わらない・・・。全身それなりに弱いけど、特定の弱点とかないタイプかな」
「やぁぁ~~~~っはっはっはっはっははははははは!いっ!あぁっ!っははははははは!」
「このタイプはいままでやったこと無いから、難しい・・・」
移動がめんどくさくなったのか、休む暇を与えない方がいいと判断したのか、その後は時間切れまでずっと足の裏をくすぐられ続けたユカ。なんとか耐えきったが、終わった後も暫く椅子に座ったままだった。
「また今度来て。リベンジしたい」
拷問官の女の子は退出するユカにそう言った。
「あー・・・。気が向いたらね・・・」
ユカは何となくはぐらかした。
一方ニナ。
ニナもユカと同じような服に着替えさせられ、同じような部屋に案内されるが、ユカと違って中央に設置してあるのはベッドだった。
「あれ、女の子?珍しい」
ベッドにX字で拘束されて待つと、部屋にピンクの髪をツインテールに纏めた女の子の拷問官が入ってくる。拷問官はニナを見て、女の子だったのが意外なのか、少し驚いた顔をする。
「女の子をいじ・・・じゃなくて拷問できるなんて、今回はラッキーだね。それじゃ早速、失礼しますねー」
拷問官はニナの上にのしかかると、両手をワキワキさせて見せつける。
「もう始まっちゃってるから、始めちゃうねー。喋りたくなったらいつでもいいよ」
それだけ言うと、ニナの脇から脇腹まで、上半身のいたるところを両手でくすぐり始める。
「んやっ!はっ!んんっ!ふぅっ!んんっ!~~~~っ!」
「我慢なんてするだけ無駄なんだから、早く笑っちゃいなよ」
「んんぅ~~~っ!っふふふふふ!んっ!ーーーっ!」
「意外と耐える・・・。なら・・・」
拷問官はのしかかりつつ、体を倒して密着し、ニナの耳に顔を近付けると。
「ふーーーーーっ!」
「ふゅへぇぁっ!あっ!はぁっははははははははは!」
「はい笑った~!これでもう我慢なんてできないねぇ」
「ひきょっ!~~~~~っ!あはぁっ!はぁっははははははははは!」
「拷問にルールとかないもーん。そんなナマイキ言う人はこう!」
拷問官は片手でくすぐりつつ、もう片手でシャツを捲り上げる。そして露わになった素肌を直接くすぐる。
「んやぁぁっはっはっははははははははは!やっ!だめぇっへへへへへ!」
「野郎と違うから、上着はだけるだけで色気が違うね・・・。まぁ女の子同士だし問題ないよね。わざわざくすぐられに来るような子だし!」
「あぁぁ~~~っはははははははは!あはっ!はぁっ!はぁっ!はぁぁ~~~っはっはっはっはっはっははは!」
「ちょっと楽しくなってきた。簡単に口割らないでよ?」
「じょうとぅっ!~~~っ!んはぁっ!はっ!あぁぁっははははははははは!」
ニナはタイムアップまで全力でくすぐられ続けたが、何とか最後まで耐えきったが、 拘束を解かれて服を整えた後も10分ほど寝たままになった。
(次は2人がかりのやつもいいかな)
そんな事を考えながら次の予定を考える。
次は番外編になるかも?