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114話

 天を貫く巨塔を突き進むユカ達一行。

 道中、襲ってくるエンジェル達をくすぐり倒しながら順調に進んでいく。


「くすぐりしか効かないから、一戦が長引くから時間がかかるわね・・・」


「まぁ、それはしょうがないね。でもその分エンカウント率は低めに設定されてるから」


「確かに、言われてみればいつもより敵と出会わないわね」


 そんなことを話しながら進むうちに、中ボスが現れる35層に到着する。


「あれが35層のボス・・・。いままでの天使と何が違うの?」


 ミコがボスの姿を見て尋ねる。


「階級が違うの。あの子は大天使」


 その質問にニナが答える


「あー、詳しくは知らないけど、天使にも階級があるんだっけ」


「そうそう」


 ニナが説明している内に、大天使は周囲に6匹の雲を召喚する。


「あれは?」


「あれはティックラウドっていう雲の魔物」


「あれは普通の魔物だから普通の攻撃も通るよ」


「全部倒したら再召喚してくるからねー」


「面倒ね・・・」


 そうこう話している内に天使たちが動き始める。


「雲の奴は物理と水に高い耐性があるから、それ以外で攻めて。天使はニナが捕まえて」


「ここのはまだバリアないんだっけ?」


「ネットで見た攻略情報が間違ってなければ、ない筈よ」


「いまいち信憑性に欠けるなぁ・・・」


「まぁやってみればわかるでしょ」


【笛術:知恵を齎す笛の音】


 モモが笛を吹き、魔法攻撃力を上げる効果を発動する。


【忍術:火遁・業火】


 縮地で一気に接近したユカが、火遁で雲を2匹、一撃で倒す。


「火が通る敵は楽でいいわねぇ・・・」


 火に弱い雲の敵が一撃で倒れるのをしり目に呟く。

 忍者は火以外にも攻撃手段があるが、火遁が一番扱いやすいのでユカはよく使う。


「さってっと、私の相手は大天使ちゃんかぁ。どうやって捕まえるかな」


 ニナは雲をユカ達に回せて大天使の正面に立つ。


【死神技法:亡霊の手】


 ニナの術が発動すると魔法陣から漆黒の手が現れ捕らえようとするが、大天使は空を飛び回避する。


「やっぱ躱されるかぁ。どうしようかな。私はすぐに発動できる拘束スキル持ってないし」


 空を飛ぶ大天使を見据えながら、次の手を考える。


「いっそのこと、この手で直接捕まえるか?」


 ニナは自分の手をグーパーしながらそんなことを考える。そんなニナの思惑に応えるように、大天使が上空から急降下して接近してくる。


「いいね。そっちもやる気で嬉しいよ」


 ニナは大天使を見つめてタイミングを図る。


「今っ!」


 大天使が正面の間合いに入った瞬間、ニナが両手で掴もうとするが、大天使は空中で急旋回し、ニナの背後に回る。そしてニナの両手を掴もうと手を伸ばしてくる。


「ほわっ!?」


 驚いたニナは咄嗟に後ろの飛び、大天使にもたれ掛かる。そして脇を閉じて大天使の両腕を捕まえる。


「んなぁぁ!」


「きゃぁっ!?」


 そのまま二人とも態勢を崩し、地面に倒れこむ。


「よし、半分ぐらい偶然だけど確保ぉぉぉ!」


 地面に倒れた大天使が起き上がるより早く、ニナが大天使の上に覆いかぶさり、抱きつく。


「よし、これで動けないでしょ。私も動けないけど、こうして・・・」


 ニナは大天使の両手を足で挟み、両足を両腕で捕まえる。


【死神技法:擽手の導き】


 ニナが術を発動すると、大天使の足元に魔法陣が広がり、そこからピンク色の手が4つ伸びて来る。

 ピンク色の手はヌルヌルの粘液を纏っており、指が非常に細く長く、触手のようになっている。


「それ、思いっ切り笑っちゃえ」


 ニナが指示を出すと指が大天使の足に纏わりつき、足の裏をくすぐる。


「んふふふっ!やっ!これっ!だめぇっ!っ!~~~~っ!」


 大天使は我慢することも出来ず、大声で笑い悶える。


「あぁっはっはっはっはははは~~~っ!はぁっ!あはっ!はぁっ!んやぁぁっはっはっはっははっはっははははは!」


「くすぐったいでしょ~?私も自分で試した時、めっちゃくすぐったかったわ」


「やめっ!やっ!あぁぁっ!~~~~~っ!はぁぁっ!あはっ!あぁぁっはっはっははははははは!」


「てかこれ手っぽい形しているけど、ほぼ触手よね」


「はぁっ!はぁっ!はぁぁ~~~っはっはっはっはっはっははは!くすぐったぃぃぃっ!」


「天使ってホント足の裏よわよわだよねぇ」


「ひぃ~~っひっひひははひっ!きゃぁぁっはははははははははは!くすっ!あぁ~~っははははは!」


「AIってホント賢いね・・・。指示してないのにちゃんと土踏まずとか指の間とか、くすぐったいとこを重点的に責めてくれる」


「あぁっはっははは!はっ!~~っ!あっ!やっ!っ!っ!あぁぁ~~~~っ!はっ!ははははははははは!」


「すごい暴れるねぇ。でも逃がさないよ~?」


「やぁっ!あぁっはは!やへっ!ひぁっひひひ!ひゃぁぁ~~~っっははははははははは!」


「ほら、あと2割ぐらいだから、頑張って♪」


「んやぁぁ~~~っはっはっはっはっははははは!あはっ!あぁぁ~~っはっはっはっはははは!しにゅっ!~~~~っ!」


「体力0になったら気絶するから死なないよ~。ほらほら」


「やっ!あぁぁ~~っはっはっはっはははは!おにぃっ!っひひ!あくまぁぁぁぁっはっはっはっはっははははははは!」


「まぁ私ってジョブ死神だし。アクマみたいなもん、かな?」


「ひっ!はぁっ!あはっ!んぁぁっはっはっははははははは!あぁっははは!あぁぁぁ~~っはははははははは!」


 HPが0になるまでくすぐられ続けた大天使は気絶し、奥にある魔法陣が光る。


「ユカちゃん達も終わったね。おつー」


「ほぼになっち待ちだったけどね」


 一行は魔法陣を踏み、次のフロアへと進む。

暫くは対人型が続きそう


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