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112話

 モモが新スキルを習得しに行っている間、暇を持て余したユカは何をしようかと考えていると、モモから新スキルの習得が一人だと難しいので手伝ってほしい、とダイレクトメッセージが届き、ユカは手伝いに行く。


「それで、私は何をすればいいの?」


 ユカはギルドハウスにあるモモの自室で、二人きりでいる。


「えっと、これを私の体に塗って欲しいの」


 そう言ってモモは新スキルの習得に必要な桃色の液体が入った瓶をユカに手渡す。


「あー、なるほど。そういうことね・・・」


 そこまで聞いてユカは理解した。モモはNPCが相手でもユカ以外にくすぐられるのを嫌っているので、自分に頼んできたのだと。


(わざわざパートナーをしまうほどなのね・・・)


 本来モモの自室にはモモのパートナーがいるはずだが、わざわざ外出させているようだ。


「分かった・・・。それじゃ、やるね」


 ユカはモモから瓶を受け取って、液体を少量を手に取る。


(これ、ほぼローションでは?)


 瓶に入った桃色の液体はどろりとしており、かなりヌルヌルしている。


「それで、これを塗ればいいのよね?結構な量があるけど・・・」


「体に塗って、塗った箇所をくすぐっていれば数十秒で肌から体にに吸収されていくって聞いたわ」


「これが、数十秒で・・・?」


 ユカは手のひらにある桃色の液体を見ながら呟く。それは洗い落とすのにも苦労しそうなほどの粘度で、数十秒程度で吸収されるとは想像もつかなかった。


「まぁ、ファンタジー万歳ってところかな・・・」


 ユカは考えることをやめた。


「さて、それじゃあ塗っていくね」


 ユカは座布団の上で女の子座りをして待っているモモの後ろに回り込むと、桃色の液体を両手になじませる。


「えっと、聞く限り素肌に塗らないとダメなのよね?」


「そう聞いてるわ」


「・・・どのあたりがいいとか、ある?あんまりくすぐったくない所の方がいいよね?」


 ユカはモモを気遣ってそう聞く。


「どこでも、ユカさんの好きなとこを好きなようにしていいわ」


 一方モモは、相手がユカなら何をされてもいいので、そう返す。


「そ、そう?それじゃあ・・・」


 ユカはおそるおそるといった手つきで、素肌が露出している箇所であまりくすぐったくなさそうなおなかのあたりに手を伸ばしてゆっくりと撫でまわす。


「んっ・・・、んくっ・・・!ふふっ・・・!はぁ・・・、んっ・・・」


 ユカが弧を描くように手のひらでモモのお腹を撫でまわし、モモは優しいくすぐったさに体を震わせ口から笑い声が漏れ出る。


(反応のせいか、身内だからか、何か変な気分になってくる・・・)


「ふっ・・・、んっ・・・。くふっ・・・!ふっ・・・。はぁっ・・・!」


 30秒ほど撫で続けると、ようやく最初に手に取った分がモモの体に消えていった。


「ようやく消えたね・・・。結構時間かかりそうだなぁ」


 ユカは残りの量を確認して呟く。最初に取った分はほんの少しで、まだ9割以上残っている。


「えっと、ユカ、さん・・・」


 自分を呼ぶ声にモモの方へ瓶からモモの方へ意識を向ける。


「その、もっと激しくても大丈夫、だから・・・」


 頬を赤らめながらユカにそう告げるモモ。


「・・・」


 それを聞いたユカは、何かが切れる音を聞いた気がした。


【忍術:分身の術】


 ユカが術を行使すると、モモの左右と正面に1人づつ、計3人のユカの分身が出現する。


「え?」


 唐突に1人から4人に増えるユカを見て驚くモモをよそに、左右のユカがモモのブーツと靴下を手際よく脱がし、真後ろにいるユカ本体が分身たちの手に桃色の液体をたっぷり乗せていく。


「・・・・・・」


 それを無言のまま、どこか期待したような目で見つめるモモ。


「それじゃ、いくね?」


 後ろの本体ユカがそっと囁くと、4人の手が一斉にモモの体に群がる。


「ーーーっ!あっ!はぁっはははははははははは!」


 先ほどとの比にならないほどの大声で笑い悶えるモモ。

 左右の分身が両足をくすぐり、正面の分身が両脇に指を這わせ、真後ろの本体が脇腹をくすぐる。


「はぁっ!んっ!はぁぁっ!あぁぁっははははははははははははは!やっ!あぁっははははははははは!」


 ふと、ユカ達が一斉にくすぐるのをやめる。


「はぁっ!はぁっ!はぁ・・・?はぁ・・・」


「・・・やめてほしい?」


 後ろから本体ユカがそっと囁く。


「・・・ユカさんの好きなように、続けて」


「うん、分かった」


 その言葉と同時に4人の手がくすぐりを再開する。


「ふひゃっ!あっ!あっはっはっははははははははははははは!」


 左右の分身達は強い意志で逃げようとしないモモの両足の裏を、10の指で容赦なくくすぐる。反射的に動かそうとする体を必死に抑えているため、頻繁にビクビク動き、足の指を閉じたり開いたりする反応がユカの嗜虐心を刺激する。


「あはっ!はぁっ!~~~~~っ!はっ!はっ!あぁっはははははははははははは!」


 モモの両手は邪魔にならないように真上に上げ、万歳の姿勢をとっていたが、激しいくすぐりに耐えきれず、前のめりに倒れ、四つん這いのような姿勢になる。


「はぁっはっはっはっはははははは!はぁぁっ!やっ!あっ!あぁっははははははは!」


 それでもくすぐる手をやめず、正面の分身はこちょこちょ囁きながら笑顔で両脇をくすぐる指を蠢かす。


「ふっ!ひっ!あっ!はぁぁっははははははははは!はぁっ!あぁっははははははははははははは!」


 真後ろにいた本体ユカは四つん這いになったモモに上から覆いかぶさるようにして、抱きしめるように腰に手を回し、脇腹を捉えた両手が揉んだり指をうごめかしたりしてくすぐったさを与える。


「あはっ!はっ!あぁっははははははははははは!はぁぁっ!はぁっ!あぁっははははははははは!」


 手に取る量も先程の倍以上になり、そこに分身が加わったこともあり、液体の量は一気に減り、3分ほどですべてを使いきった。


「はぁっ・・・!はぁっ・・・!はぁっ・・・、はぁ・・・」


「えっと・・・、ごめん。ちょっと、やりすぎた・・・」


 すべて終わった後、モモはその場にたおれて息を整えていた。


「いえ・・・、その・・・、悪くなかった・・・」


 部屋の中はそのままログアウトするまで気まずい空気が漂い続けた。

全話書き終えてから数日後ぐらいにコロナにかかってました。

約3年のコロナ無敗記録がついに破られてしまった・・・。

熱は大したこと無かったけど、咳と鼻水で寝苦しかったのが一番ヤバかったです。

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