番外編ユカ2
度重なる休日出勤で時間が取れず、一か月たってしまった・・・
ある休日の夜。ミコは翌日朝早くに用事があるため早めに寝ており、モモは家族と食事に出かけており、ニナは詳しくは語らなかったが用事があると言っていた。
要するにユカは一人暇を持て余していた。
一人で素材集め等に出かけることも考えたが、最近くすぐられていなかったのでニナが送り付けてきた一人用のゲームを起動して遊ぶことにする。
「これ、かな?」
ニナが送り付けてきたゲームは10本以上あり、半分以上は一人用である。
ユカはその内の1本を選ぶ。タイトルは「Tickle MiniGame Set」
内容はタイトルのまんまで、様々なくすぐりミニゲームが入っている個人製作の同人ゲームである。一応、18歳の年齢制限はかかっていない。
ユカは頭にゲーム機を装着し、ゲームを起動する。
「あっちのゲームとは違うキャラだから、若干違和感あるわね」
ユカは事前にキャラメイクは済ませておいた。背や体型は現実のユカと殆ど変わらず、髪の色は水色に、服はくすぐられやすいようにノースリーブの上着に、どんな態勢でくすぐられてもいいようにデニムのショートパンツを履き、靴は脱がされやすいように裸足にサンダルである。
「どれにしよっかな。ファンタジーな生き物に襲われるのは新鮮味がないし・・・」
リビングの様な空間になっているロビーで、ユカはソファに座りながらどのミニゲームをやろうか悩む。
「んー、とりあえずこれにしよっかな。あんまり悩んでても時間がもったいないし」
ユカは「研究所からの脱出」というミニゲームを選択する。
ゲーム内容はタイトル通りで、くすぐりマシーンや女性研究員から逃げつつ研究所から脱出すればいい。ミニゲームなのでアイテムの数も少なく、鍵のような脱出に必須なアイテムもない。
クリアすればキャラメイクの種類を増やしたりミニゲームを解放したりできるコインを得られる。
「こういう始まり方なのね」
ゲームを開始すると、独房のような場所に転送される。部屋の隅にある机の上に大きな紙が置かれている。
「説明書かな?まぁミニゲーム一個一個にチュートリアルあったらちょっとだるいし、このくらいでいいのかな」
アイテムは捕まった時に脱出できる「使い捨てスタンガン」と、一時的に敵の動きを止める「スタングレネード」の2つだけで、紙にはその使い方と効果の説明が記載されていた。
「これはお試しってことかな。一応持っていこう」
紙が置かれていた机の引き出しを開けると、スタンガンとグレネードが1つづつ入っていたので、それを持って部屋から出る。
「出口は一つ・・・。まぁ、流石にスタート地点を張っていることはないでしょう」
部屋をでて、細長い廊下の端にある階段を上ると、さらに道が3つに分かれた小部屋に出る。
「ここからが本番ってことね。さて、敵はどこにいるかな」
ユカの今回の目的はゲームを真面目にやることではなく、ただくすぐられたいだけなので、クリアする気はない。
「機械でもいいけど、研究員の方がいいわね。どこかにいないかな」
あたりを見渡しても何もいないので、適当な道を進む。
少し進むと、曲がり角の先を歩く2人組の研究員の後ろ姿を見つける。
「研究員って集団行動するんだ・・・」
2人の内1人はユカよりも背が高く、黒いショートカットヘアーに眼鏡をかけており、お姉さんといった雰囲気を出している。
もう一人はユカよりも背が低く、茶色の長い髪を右側のサイドテールで纏めており、隣の人との身長差からか幼い印象を受ける。
「よし、行こう」
ユカは2人の元へ走り出す。
「あら?」
「うん?」
大きな足音から2人はすぐにユカの存在に気付き、一瞬驚いた表情をするが、すぐに笑みを浮かべる。そして懐からスプレー缶のような物を取り出す。
「うわっぷ!?」
まっすぐ走って向かってくるユカに向けて噴射する。
「なに、こ、れぇ・・・」
スプレーを顔に直に受けたユカは、体に力が入らなくなり、その場にへたり込む。
「安心して。鎮圧用の脱力スプレーだから、毒性とかはないわ」
「毒はないけどぉ・・・。暫くは体をまともに動かせないから、覚悟してね?」
2人は動けなくなったユカを近くの小部屋に連れ込むと、部屋に鍵を掛けて誰も入ってこれないようにする。そして手と足に手錠をかける。
「さて、これで心置きなく楽しめるね」
「いっぱいくすぐってあげるね」
ユカをI字の態勢にして寝転がせてると、2人はユカの両隣に座り、両手で脇と脇腹をくすぐり始める。
「んひゅぃっ!はっ!あぁっははははははははは!」
「いい笑い声」
「自分から捕まりに来たもんね」
「やっ!あっ!はぁっ!はぁっ!はぁぁぁっはははははははははは!」
2人は20本の指を巧みに動かし、ユカをくすぐる。
「はっ!はっ!あぁっはははははははははははは!ははっ!やぁぁっはっはっはははははは!」
「私達のテクニックはどう?くすぐったいでしょ?」
「脱力スプレーで体に力が入らないから、余計くすぐったいよね?」
「ひゃぁぁっははははははははは!はぁっ!あぁっはははははは!や、めっ!んやぁっははははははは!」
スプレーの効果で体に力が入らないため、くすぐったさを耐えることができず、ただ送られてくるくすぐったさに笑い悶えることしかできないユカ。
「やぁぁぁっはははははははははははは!はぁっ!はぁっんっ!や、あぁぁっはっはっはっはははははは!」
「そろそろ手のくすぐったさだけじゃ飽きてくるでしょ?」
「そろそろ、あれ使う?」
そう言うと、お姉さんの方がユカから離れ、部屋の隅に置いてある円柱状の形をしている機械を持ってくる。
「はぁっ・・・!はぁっ・・・!」
ユカは大きく呼吸をしながらそれを見ていることしかできない。
機械の蓋が外されると、中にはシリコンブラシがびっしりと生えていた。
「どう?簡単な物だけど、くすぐったそうでしょ?」
ユカの頭の上まで移動していた小さい方の研究員が耳元で囁く。
「普段は拘束具と一緒に使うんだけど・・・。今回はこっちの方が楽しめそうよね」
シリコンブラシがユカの方を向くように装置を設置してスイッチを入れると、シリコンブラシが回転して動くが、ユカの足とは距離があるので、届きそうにない。
「このサンダルは邪魔よね?脱がしちゃうよ」
お姉さんの方がユカのサンダルを脱がすと、手錠で拘束された足首を小脇に抱え、ゆっくりと装置に近づけていく。
「ふふっ、もうすぐで足の裏がめちゃくちゃになっちゃうね?」
ゆっくりと焦らすように装置へと足を近づけていく。
「こちょこちょ~~!」
「んやぁっ!あっははははははははは!やはは!あぁぁっはははははははは!」
ユカの意識が完全に足の方に向いていると、小さい方が素早く手を伸ばし、ユカの脇の下を両手でくすぐる。
「私のこと忘れちゃやだなぁ~。お仕置きのこちょこちょだよー」
「あぁっはっはっはっはははははははは!だめっ!やっ!っ!あっははははははは!」
「それじゃあこっちも、えい」
脇をくすぐられて悶えていると、お姉さんの方がユカの足を一気に装置へ押し付ける。
「ひゃぁぁぁ~~っ!!あはっ!やっ!やぁぁぁぁっはははははははははははははは!」
ゆっくりと回転するシリコンブラシがユカの足裏に強いくすぐったさを与え、ユカの笑い声が一層大きくなる。
「一番ゆっくりの速度でこれは期待できるね」
「動けない体がぴくぴく動いててかわいい・・・。もっとくすぐってあげるね」
「やぁぁぁっ!はぁっ!はぁっ!はぁぁっはっはっはっはっははははははは!」
お姉さんの方がユカの足を一旦装置から離し、それに合わせるように小さい方もくすぐる手を止める。
「さすがにこれ以上早くすると痛くなっちゃうかもしれないから・・・、これを使わないとね」
そう言ってブラシに、どこからか取り出したローションを満遍なく塗りまくる。
「はぁぁっ・・・!はぁ・・・!はぁ・・・!も、やめ・・・!」
「そうだねぇ、もう結構くすぐってるし・・・。あと少し、本気でくすぐったらやめてあげる」
小さい方が邪悪な笑みを浮かべて答え、お姉さんの方がブラシの回転速度を最大まで上げる。
「それじゃ、いくよ?」
「えいっ」
小さい方が脇の下へのくすぐりを再開し、お姉さんの方がユカの足を小脇に抱えると、先程と同じようにユカの足の裏をブラシに押し付ける。ただ、先程と違い、ブラシはローションまみれになっている。
「~~~~~~~~~~~~っ!!やっ!あっ!あぁぁぁっはははははははははははははは!」
「あはっ!すごい声・・・」
「そんなにくすぐったい?」
「やめやぁぁぁぁぁっははははははははは!やばっ!っ!あぁぁぁぁっ!あぁっはははははははははははは!」
脇を這い回る細長い指のくすぐったさと、足の裏を襲う暴力的なくすぐったさに、大声で笑い悶える。
「あぁぁやぁぁぁっ!っははははははははは!やっ!だめっ!もうだめぇっへへへへへへへへ!」
「こんな脇丸出しの服着てるんだから、こうやってくすぐられたかったんでしょ?」
「こうされたかんだよね?」
「もっ!むりぃっひひひひぁっはははははははははは!あぁ~~~~~っ!っはははははははははははは!」
その後も1分ほど全力くすぐりが続いたのち、ユカは最初のロビーまで戻された。
(あっちのゲームより、すごい、くすぐってくる・・・)
10分ほど休憩した後、ゲームを終了して現実に戻ってくると、疲労と眠気からすぐに眠りに落ちていった。