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104話

 ミコの新スキルのために森を訪れたユカ達一行。

 森の最深部に到達したユカ達の前に、お目当てのクイーンアルラウネが姿を現す。


「あれがクイーンアルラウネかぁ……」


「思ったよりもでかいわね。花が」


 アルラウネ種の最上位種、レイドボス「クイーンアルラウネ」

 その姿は、巨大な桃色の花の中央に大人な雰囲気を纏う女性が立っている。女性は腰のあたりから蔓のようなものが生えており、それが花と繋がっているため、より正確に言うのであれば生えている。


「レイドボスとしてはそんなに強くないけど、状態異常が厄介だから気を付けてね」


 クイーンアルラウネは自身の周囲に取り巻きの雑魚敵を8体召喚する。


「あいつは?」


「『サップトレント』だね。捕まると全身から溢れている樹液でヌルヌルにされたうえでくすぐられるよ」


「最悪……絶対捕まりたくない……」


 嫌悪感をあらわにするモモ。

 嫌な顔をしつつも笛を構え、曲を奏でる。


【笛術:邪を打ち払う聖曲】


 モモが奏でる曲の効果は状態異常耐性の強化。

 効かなくなるわけではないが、無いよりはマシだろう。


「取り巻き相手に近距離戦は結構リスキーだから、ニナがクイーン本体、私が取り巻きを処理するね。ミコは移動阻害をお願い」


 ユカが指示を出し、2人はその通りに動き出す。


【忍術:火遁・業火】


 ユカが忍術を放つと、サップトレントは勢いよく燃えていく。


「こいつらは樹液まみれだからか、よく燃えるわね」


 ユカは忍術で距離を取りつつ、一匹づつ処理していく。


「再召喚はどうしようかな?こいつらは捕まったらヤバいから、残しておきたくないんだけど」


「再召喚のタイミングで範囲攻撃を叩き込めばいいんじゃない?ボス本体はほとんど動かないし」


 クイーンアルラウネに限らず、アルラウネ系は下半身が植物だからか、移動速度がかなり遅く、戦闘中は殆ど移動を行わない。


「まぁ、その分耐久面が高いんだけどね」


「さっきから炎技を何発か叩き込んでるけど、全然減ってないしなぁ」


 ニナは毒や麻痺、誘惑の状態異常を与える花粉を避けつつ、強めの一撃を叩き込む。


「クイーンアルラウネって、バリア割れてもくすぐりに行きにくいから、やる気がぁ……」


 クイーンアルラウネは人型部分は巨大な花の中央に居る。そのため、たとえレイドボスが張っているバリアを破壊したとしても、触手のような蔓や状態異常を与える花粉をばら撒く花が危険なので、くすぐりに行く人は少ない。

 尚、団長のリリィはソロでクイーンアルラウネを撃破したことがあり、その際は数にものを言わせてくすぐり責めにした。


「まぁ、私たちはクイーンアルラウネの触手とか花粉とかをかい潜ってくすぐりに行けるほど実力ないし」


「だよねぇ……ユカちゃんのこと、後でくすぐっていい?」


「やだ」


 無駄な会話をしながらも無駄のない動きで着実にクイーンアルラウネの体力を削っていく2人。


「この調子なら楽に勝てそうだねー」


 クイーンアルラウネのHPが残り20%を切ったあたりで、後ろでミコが明らかに油断しているセリフを言う。


「あまりそういうこと言わないほうがいいわよ……きゃぁ!?」


 モモが呆れ顔で注意した瞬間、モモの足元から植物の根っこの様なものが出現し、モモの両手両足をあっという間に拘束する。


「ももっち!?うわっと、危なっ!地面からなんか出てきた!」


 ミコはギリギリで躱す。


「ちょ、ミコ、助けっ……ひゃぁんっ!」


「いや、私も今ギリギリだからちょっと無理」


 モモを拘束する根っこから蔓が急成長で生えてモモの露出しているお腹や脇腹、脇をこしょこしょとくすぐり始める。


「んっ……!んふっ……!ふっ!くふっ……っ!やめっ……!」


 モモが来ている職業魔人使い専用服は踊り子の様な衣装になっているため、他の3人と違い、上半身の肌の露出が多くくすぐり攻撃を防ぐことは殆どできない。


「んんぅっ……!~~~っ!はぁっ……!んふっ……!」


 やがてモモをくすぐっていた蔓は先端がつぼみになり、桃色の花を咲かせる。


「んふぅっぅ!ふふっ……!やめっ……!んんぅ~~っ!」


 花びらがモモの素肌を優しく撫でるたびに、モモはくすぐったさに声を漏らし、身を震わせる。


「んんっ!ふっふふふふ!はぁっ……!はぁっ……!何っ……?」


 やがて花の1つがモモの目の前まで近付くと、赤紫色の花粉を吐き出して浴びせる。


「やっ……何、これぇっへひゃぃっ!?」


 突然、モモは体中をくすぐられるような感覚に襲われる。


「~~~~~っ!ふはぁっははは!やっ、めっ!んんぅっふっふっふっふふふふふふ!」


 モモが浴びたのは毒の状態異常にされる花粉で、毒状態にされたモモは触られていなくてもくすぐったさに襲われ、HPを減らしていく。


「んっふふふふ!やっ、やっ……!これ以上はぁ……」


 先ほどよりも多くの花が咲き、モモの体に近づき、毒のくすぐったさに加えて実際にくすぐられるくすぐったさも与えられる。


「やっ……ぁっ……!~~~~~っ!んぅっふっふっふふふふふふ!はぁっ!あぁっははははははははは!」


 花がモモに群がりくすぐると、普段からは想像もつかない大声で笑い悶える。


「やめっ!やぁっ……!んんぅっふふふふふふふ!はぁぁぁっはっはっはっはっはははは!」


 根っこはモモの四肢をがっつりと掴み、くすぐったさから逃さない。


「ふふっ!んんっ!んぅっふっふっふふふふふははははは!やぁっ……!ぁっははははははは!」


 やがてユカとニナがクイーンアルラウネを倒し終え、根っこと蔓から解放されるが、毒によるくすぐったさはまだ終わらない。


「んっふっふっふふふふふふ!はや、くぅっふふふふふふふ!」


「ちょっと待っててね……。えーと、解毒薬、解毒薬……」


 解毒薬を受け取り、すぐに服用してようやくくすぐったさから解放されるモモ。


「モモちゃんだけくすぐられるって珍しいね」


「まぁ、普段一番後ろにいるからね。後、モモさんが状態異常耐性アップの曲をかけてたから、モモさんを優先して狙ったんだと思う」


「あー、もうそんなにAIの頭も良くなってるんだ……」


「ところで、みこ。スキルは得られた?」


「うん、ばっちり!」


 モモが回復するまで5分ほど休憩した後、4人は街へと帰りログアウトしていった。

PCを新調してから変換の精度が落ちて手間がかかるようになりました……

使っていればよくなるかなぁ……

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